レンズ関連で、まず知っておきたいのはマウントだ。レンズを装着する部分のことで、カメラやメーカーなどによって異なるのだ。標準ズームの撮影に物足りなさを感じてきたら、いろいろな交換レンズを使ってみるといいだろう。異なるマウントのレンズは基本的に装着できないが、マウントアダプターという製品を使用すれば、レンズによっては装着可能な場合もあるが、純正品以外は注意が必要。またレンズが傷つかないようにキャップやフィルターで保護するのは基本となる。その他レンズの清掃道具だけはそろえたい。
「望遠」「広角」「マクロ」などレンズの種類を覚えよう
●レンズの種類と製品例
レンズ関連で、まず知っておきたいのはマウントだ。レンズを装着する部分のことで、カメラやメーカーなどによって異なる(次ページの表参照)。基本的に、違うマウントのレンズを装着することはできないので、交換レンズを購入するときは、自分のカメラに合致したマウントのレンズを選ぶ必要がある。
キットレンズとして多くのカメラに付属するのは、標準ズームと呼ばれるタイプである。これより広い範囲を写せるのが広角ズームで、狭い室内での撮影や、風景を広く見せたいときに使う。逆に、写る範囲が狭いのが望遠ズーム。スポーツや乗り物など、遠くの被写体を大きく写すことができる。また、広角から望遠まで一本で撮れる、高倍率ズームも人気がある。
●純正製品のほか魅力的なレンズが多い
ズーム以外に、単焦点もある。画角は固定されるが、開放F値が明るく、背景を大きくぼかすことができる。小さい被写体に近寄って大きく写せるマクロもおすすめだ。左に、製品例も含めてタイプ一覧を掲載したので、標準ズームの撮影に物足りなさを感じてきたら、いろいろな交換レンズを使ってみるといいだろう。
一眼レフ用をミラーレスで利用できるが純正品以外は要注意
異なるマウントのレンズは基本的に装着できないが、マウントアダプターという製品を使用すれば、レンズによっては装着可能な場合もある。特に、自社の一眼レフ用レンズを自社のミラーレス一眼に装着する純正アダプターは便利で、一部のレンズではAFなどに制限はあるものの、動作は保証されている。
●マウントアダプターの使い方
それとは別に、サードパーティからもマウントアダプターが発売され、例えば、ニコンの一眼レフ用レンズをソニーのミラーレス一眼で使うといったように、メーカーをまたいで使用することができる。ただし、大半はピントや露出が完全に手動で、製品によっては装着時にレンズやカメラを故障させてしまうおそれもある。あくまでも自己責任なので、初心者にはおすすめしない。
レンズが傷つかないようにキャップやフィルターで保護する
ここがポイント! リアキャップはしっかり装着
レンズは、前・後面ともガラスがむき出しになので、傷がつかないように細心の注意が必要だ。特に気をつけたいのが、レンズ後面。撮像センサーに近いので、少しの傷でも写りに影響が出る。
また、キャップをしないでおくとホコリが混入しやすく、カメラに装着したとき、撮像センサーにホコリがついてしまうおそれがある。バッグに入れて移動するときも、しっかりキャップが閉まっているか確認をしよう。
ここがポイント! レンズ前面には保護用フィルターをつけよう
なお、現在のレンズは、AF駆動や手ブレ補正のモーターが内蔵されているので、衝撃にも注意が必要。きちんとしたクッションがあるカメラバッグなら安心だが、普通のバッグで持ち歩くなら、レンズ用のクッションケース(カメラ店で1000円程度で購入できる)を使おう。
レンズは無水エタノールと専用ペーパーで清掃する
ここがポイント! レンズの清掃道具だけはそろえよう
レンズが汚れていると、写真の写りも悪くなってしまうので、定期的な清掃を心がけたい。カメラ店では、さまざまなレンズ清掃キットが売られているが、まずは、右の写真にあるような道具があればOK。なお、エタノールには無水以外にも、水で薄めた消毒用エタノールがあるが、こちらは水分が多いのでレンズ清掃には不向きだ。
ここがポイント! レンズの汚れは無水エタノールで落とす
レンズを清掃するときは、最初にブロアーでホコリを吹き飛ばそう。ホコリが残ったまま拭いてしまうと、レンズに傷が付いてしまうこともあるからだ。指紋などの汚れは、無水エタノールで湿らせたレンズクリーニングペーパーで拭けば、比較的簡単にきれいになる。ただしエタノールの量が多すぎると、拭きムラになりやすいので注意しよう。
ホコリはセンサーの大敵!保管時は湿気に注意
カメラの汚れで最も気になるのが、撮像センサーに付着したホコリだ。しかも、ミラーレス一眼はセンサーが露出しているので、余計に気になってしまう。
センサーはデリケートな部分なので、清掃は慎重に行うこと。ホコリが気になったときは、まずカメラのクリーニング機能を試してみよう。それでも改善しないようなら、ブロアーでホコリを吹き飛ばしたり、センサー用の清掃具を使用したりする。しかし、誤ってセンサーを傷つけるおそれもあるので、自信がない人はメーカーに依頼するのがいい。
そして、カメラの保管だが、布製のカメラバッグは周囲の湿気を吸収するので、使わないほうがいい。長期間使用しない場合は、専用のドライボックスに収納しよう。
ここがポイント! 保管は湿気を防ぐボックスで
ハクバ ドライボックス NEO 5.5L
実売価格例:1420円
解説/岡田清孝(カメラマン)
※価格は記事作成時のものです。