【最新ルピナスROBO】ついに人間の手を超えた! 次世代マッサージチェアはこう生まれた

美容・ヘルスケア

マッサージチェア専業メーカーであるファミリーイナダが2016年に発売した「ルピナス」は、AIシステムを搭載し、通信ネットワークにも対応した次世代型マッサージチェア。そして、2018年末に、「ルピナスROBO」がリリースされた。「マッサージ師にもまれるより気持ちいい」と言われる進化形マッサージチェアの開発担当者に、製品開発のねらいや今後の展望などを訊いた。

最新モデル「ルピナスROBO」の開発担当者に訊いた!

1962年創業のマッサージチェア専業メーカー、ファミリーイナダが展開する「ルピナス」シリーズ。AI(人工知能)システムを搭載し、まるで人間の手でもまれているかのような自然なもみ心地が特徴だ。また、通信ネットワークにも対応しており、専用のウエアラブルデバイスやスマホアプリと連係することで、健康管理のための役割も果たす。最新モデル「ルピナスROBO」の開発担当者に、製品開発のねらいや今後の展望などを訊いた。

ファミリーイナダ
ルピナスROBO
FMC-LPN30000

価格・製品スペック
●販売システム価格/Wi-Fiモデル:9800円(税別)/月×60回、LETモデル:1万800円(税別)/月×60回●もみ幅/最小2cm・最大19.4cm●外装布地/合成皮革●サイズ・重量/幅約1000mm×高さ1430mm×奥行き1430mm・約115kg●搬入時サイズ・重量/幅約650mm×高さ約1100mm×奥行き約1510mm・約77kg(フットレスト部分は別梱包)●カラー/ブラック(上写真)、アイボリー

飽きることなく使い続けられる仕組みがとことん詰まった進化形マッサージチェア

一人ひとりの体格や筋肉の状態を見る

マッサージチェアと聞くと、温泉旅館を思い出す人が多いのではないだろうか。あるいは、自宅の部屋の片隅に鎮座する姿を思い浮かべる人もいるかもしれない。日本で生まれ、独自の発展を遂げてきた製品ジャンルだが、現在は新たな進化の局面を迎えている。

マッサージチェアの専業メーカーであるファミリーイナダが2016年に発売した「ルピナス」は、まさにそんな商品。AI(人工知能)システムを搭載し、通信ネットワークにも対応した次世代型マッサージチェアだ。2017年には、後継モデルの「ルピナスショルダー」が登場。そして、2018年末には、新たなフラッグシップモデル「ルピナスROBO」がリリースされた。

「ルピナスROBOは、メカの部分も、AIの部分も、従来のモデルからは大きく進化を遂げています。ルピナスシリーズはAIとメカを組み合わせることにより、人間の手によるマッサージを再現することを目指していますが、ルピナスROBOでは、ついに人間の手を超えたと自負しています」

こう話すのは、ルピナスROBOの開発を担当した石藤裕大さん。ファミリーイナダでは、AIを「人間が知能を使って行うことを機械に忠実に再現させる技術」と定義。ルピナスROBOでは、プロのマッサージ師が一人ひとりの体格や筋肉の状態を見ながら、最適なマッサージを施す動きを再現している。

マッサージ師にもまれるより気持ちいい!

第二関節の再現で引きもみも可能に

ルピナスROBOでの施術の流れはこうだ。

まず、ユーザーが本体に座ると、「アジャストセンサー指圧点自動検索システム」が、その人の全身の指圧点(いわゆるツボ)を自動的に検出してくれる。これは同社独自の仕組みで、座った人の体型から判断して、指圧すると気持ちのいいポイントを把握できるものだ。これにより、間違ったポイントを無理にもまれることで痛みを感じるという事態を防ぎ、効果のあるポイントだけを効率的にほぐすことができるわけだ。

指圧点の検出が終わると、マッサージがスタートし、ここからがAIの出番となる。ルピナスROBOには、さまざまな目的を持った全24コースが用意されているが、単純にプログラムを実行するわけではない。マッサージを受ける人の状態に合わせた“味付け”をしてくれるのだ。

「プロのマッサージ師さんの手の動きを研究すると、筋肉の硬さ(凝り具合)を確かめながら、硬い部分(凝っている部分)は深くゆっくり、柔らかくなったらリズミカルに素早くといった具合に、もみ方のリズムを変えていることがわかります。人間はこれを知能でコントロールしていますが、ルピナスシリーズでは、AIによって同じことを再現しているのです」

具体的な仕組みとしては、人間の手に当たる「もみ玉」が、マッサージを行いながら筋肉の硬さを感知。それに応じて、もみ玉の動作速度をリアルタイムで変化させている。

ルピナスROBOでは、メカの部分も大きく進化している。人間でいうところの指の第一関節に加えて、第二関節までも再現。これにより、これまではできなかった「引きもみ」が可能になり、まるで人間の手でもまれているかのような自然なもみ心地を実現したのだ。

ルピナスROBOには、マッサージ中にユーザーがかけた声を認識してマッサージの強弱を調節してくれる機能や、付属のタブレットに顔を登録しておけば、2回め以降は顔認証でユーザーログインが可能になる機能なども搭載されている。いつもの店でなじみのマッサージ師に施術してもらうようで、実におもしろい。

筋肉の大きさや凝りに合わせて人工知能が動作を調整。右は、人工知能メカの動きをオシロスコープで測定したイメージ図。凝っている部分は深くゆっくり、ほぐれてくるとリズミカルに施術。

「胸おさえ肩上もみ」の動き。マッサージ師が片手で肩を押さえて、もう片方の手で施術するのと同様に、エアーの力で横方向と前方から肩口をホールドしたうえで、メカユニットが後方からグッと指圧点を押し込む。

電動リクライニングは、水平面に対して約98度から約155度の無段階。奥行きは最大で2170ミリ、フットレストは本体に対して約27センチまで伸張。

マッサージコースを選ぶ際の「施療箇所確認」画面。もんでほしくない箇所を指定することが可能。

付属のタブレットで体の情報をやり取り

ルピナスシリーズの特徴としては、通信ネットワークへの対応も挙げられる。これで実現したのが、健康管理の機能だ。

「ルピナスROBOは、付属のタブレットに通信機能が搭載されていて、別売のウェアラブル端末やスマホアプリと連係することで、ユーザーの体の情報をクラウドに蓄積することが可能です。この仕組みを使えば、厚生労働省が提唱する“休養”“運動”“栄養”の3要素に基づいた健康への取り組みが、手軽に行えるようになります」

付属品のウェアラブル端末とは、リストバンド型の「アクティブメジャー」で、血圧や脈拍、歩数、歩行距離、消費カロリー、さらには睡眠時間などを計測可能だ。それらのデータは、スマホアプリ「ルピナスリンク365」やタブレットを通じて専用クラウドに蓄積。これを基にして、健康状態についての個別アドバイスやおすすめのサプリ情報がユーザーに送られる。

別売のアクティブメジャーを装着することで、脈拍、歩数、歩行距離、消費カロリー、睡眠時間などを測定。測定データをルピナスの付属タブレットやクラウドで管理することができる。

離れて暮らす家族(ルピナスユーザー)の健康をスマホで確認できる「ルピナス見守り365」のサービスも展開。別売の体組成計や血圧計が必要。

「クラウド上のユーザーの健康情報は、健康状態を分析して最適なマッサージを提案するなど、マッサージ機能にも活用されます。また、通信機能を搭載したことで、ネット経由でのマッサージコースの更新も可能になりました」

こうして話を聞くと、通信機能の搭載は、単に世間のIoT化の流れに乗ったわけではなく、非常に合理的な判断をした結果だと理解できる。従来のマッサージチェアの弱点は、継続して使用するための動機付けが弱い点にあった。そのため、最初の数ヵ月は使用したものの、その後はホコリをかぶってしまうといったことが少なくなかったのだ。

ルピナスROBOは、健康管理の機能を持たせたことで、毎日使用することに意味が生まれ、ユーザーのモチベーションにもつながっている。また、コースが更新されるため、常に新鮮さがあり、前述した弱点を克服することに成功しているのだ。

「マッサージチェアはこれまで“嗜好品”の位置づけでしたが、我々はこれを、ユーザーの日常生活の中心に当たり前に存在する“必需品”に変えていきたいと考えています。マッサージで疲れを取るためだけではなく、健康作りのためにも欠かせない道具として、今後もルピナスシリーズを進化させ続けていきたいですね」

背もたれ上部に四つのスピーカーを搭載。共鳴管を利用したバックロードホーンタイプで、手持ちのスマホの音源を再生しながら施術を受けられる。

memo

マッサージチェア購入のネックは高額な本体価格だが、ルピナスROBOは月額9800円×60回という独自の方式を採用。マッサージ受け放題で月に1万円程度ならば、十分にお手ごろだといえる。

インタビュー、執筆/加藤肇(フリーライター)

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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