「2022年でガラケーが使えなくなる」「廃止される」という、お知らせや噂が独り歩きしているが、それは「3G」しか使えない古い機種のみ。結論から言うと、いま販売されているガラケーは「4G対応」なので、あと10年や15年は大丈夫。でも、これからもガラケーの新製品発売は続くのだろうか。ドコモ、au、ソフトバンクのガラケーの現状とおすすめ機種、そしてガラケーの将来を予想する。【2019年10月7日更新】

「2022年でガラケー終了」はデマ

2022年でガラケーが使えなくなる、という噂がある。
キャリアから「2022年でお持ちのケータイが使えなくなるので、スマホに買い換えを」というダイレクトメールを受け取った人もいるかとおもう。
しかし、2022年にガラケーが全滅するわけではなく「ガラケー終了」といういいかたは、大げさすぎる表現である。

使えなくなるのは「auの3G回線端末」

噂の出所は、auの発表である。
auは、2022年3月末で3G回線の電波を停める。これを「3G停波」という。

auの3G回線が停波するので、auの3G回線にしか対応していない端末は、ガラケーもスマホも使えなくなる。
この話が大げさに広まって「2022年にガラケー(全部が)使えなくなる」というデマになってしまったわけだ。

3Gは一世代前の回線方式

3Gとは「第3世代」(G=ジェネレーション)という意味である。
現在主流の回線は4Gであり、その一つ手前の回線ということになる。
来年(2020年)には、5G回線の運用が開始されるので、そうなると3Gは2世代前の回線となる。
キャリアは、3Gの回線にブランド名をつけている。

auの3G回線…「CDMA 1X WIN」
ドコモの3G回線…「FOMA」(フォーマ)
ソフトバンクの3G回線…「SOFTBANK 3G」

となる。
このなかで、2022年3月末に停波するのは、auの「CDMA 1X WIN」である。

2022年で使えなくなるのは、どんな機種?

2022年に停波するのは、auの3G回線だけなので、それに伴って使えなくなるのは、auの古い機種だけである。
auは、2012年から4G回線の運用を開始している。
それに伴い、3G専用機種の販売は減少している。
auで3G回線停波に伴って、使用できなくなる端末のリストは、以下のauのサイトで確認できる。
▼「CDMA 1X WIN」サービスの終了について

auの「古いガラケー」が使えなくなる

通話回線として3Gのみを採用したガラケーは、2015年発売の「AQUOS K SHF31」(データ通信は4G)が最後の機種となっている。
つまり、4Gが存在しない2012年以前に発売されたガラケーのすべてと、2015年までに発売された一部のガラケーが2022年に使用不能になるわけだ。

しかし、注意したいのは、使用不能になるのは「ガラケーだけではない」ということだ。

auの「古いAndroidスマホ」も使えなくなる

auが最初のスマホを発売したのは2010年。
この時点で、世界中のモバイル回線の主流は3Gであり、まだ4G回線は登場していなかった。
そのため、auが4G回線を運用し始める2012年までに販売されたスマホは、3Gのみの対応となる。

これらも、3Gの停波とともに使用不能となる。
2012年頃に発売されたスマホは、Androidのバージョンも2.x世代であり、これらを現役で使用している人は、かなりのマニアといえるだろう。
一般的なユーザーは、ほぼすべて4G対応のスマホに乗り換えていると考えられる。

auの「iPhone5/5s/5c」も使えなくなる

意外なのは、auで契約したiPhone5/5s/5cも、2022年の3G停波によって使用不能となることだ。
iPhone5シリーズは、れっきとした4G対応スマホなのだが、音声通話が3Gにしか対応していない。
auは、4G回線運用開始後に、音声通話は4G回線の「au VoLTE」で運用しており、これに対応していないスマホやガラケーも、3G停波とともに使用不能になると発表している。

auが、iPhoneを扱うことにしたのは、2012年のiPhone5から。翌2013年登場のiPhone5s/5cも、au VoLTEに対応していない。
iPhone5/5s/5cは、すでに最新iOSに非対応(iOS10まで)の機種なので、2022年までに現役稼働している数は、ごくわずかであると思える。
これも一般ユーザーには大きな影響はないはずだ。

2022年3月末以降も「4G対応ガラケー」は使用できる

2022年に止まるのは、auの3G回線である。
いま、auの3G回線ガラケーを使っている人は、auで「4G対応のガラケー」に機種変更すれば、2022年以降もガラケーを使い続けることができる。

「スマホに乗り換えろ」はセールストーク

auの3Gガラケーを所有している人のもとには、auから、機種変更を促すダイレクトメールなどが届いていると思う。
そこには、乗り換え対象の機種として、スマホがズラっと並んでいる。
しかし、もしスマホに乗り換えたくないならば、スマホに乗り換えるのではなく、現行機種のガラケーに乗り換えればいい。

筆者は「スマホは便利だが、乗り換えたくない人はガラケーのままでいい」と日頃から主張している。
メーカーが、スマホへの乗り換えをアピールするのは、「スマホのほうが儲かる」という事情がある。
とはいえ、ガラケーユーザーも無視できないので、現在でも4G回線で「VoLTEに対応したガラケー」を販売している。これに乗り換えればいいわけだ。

いま発売されているガラケーは、すべて4G対応

現在、auのサイトやショップに並んでいるガラケーは、すべて4G回線に対応しており、au VoLTEで通話できる機種である。
そのため、どれを選んだとしても、2022年の3G回線停波には影響を受けない。
いま買い替えれば、端末が壊れないかぎり、10年ぐらいは買い替えずに済むはずだ。

今おすすめの「au 4Gガラケー」

2019年10月現在、auのガラケーラインナップのなかで、お勧めできる機種を紹介する。
なお、各メーカーのガラケー新製品発売ペースは長期間化しているため、毎年新製品が登場する状況ではなく、新製品が一つ前のモデルの後継機とは限らない。
そのため、発売時期が数年前の機種であっても現役で販売されており、製品寿命は長くなっている。

GRATINA(グラティーナ)
KYF37

2017年12月に発売された機種。
製造メーカーは京セラ。
800万画素カメラ、ワンセグテレビの視聴、Felicaチップによる「おサイフケータイ」機能を搭載している。
ただし、おサイフケータイの対応サービスは3Gケータイより少なく「QUICPay」「楽天Edy」「モバイルSuica」「ヨドバシゴールドポイントカード」程度となっている。
auメール(キャリアメール)、Cメール(SMS)には対応しているが、「+メッセージ」には対応していない。
GRATINAシリーズの最新機種として、2019年5月にKYF39が発売されているが、KYF39はシンプルな構成となっており、+メッセージには対応しているが、ワンセグテレビ、おサイフケータイ機能を装備していない。
3Gケータイに装備されていた付加機能が必要ならば、KYF37がおすすめ。
付加機能が不要ならば、KYF39がおすすめとなる。

画像: デザインはシンプルで、男性にも女性にも似合うKYF37。カラーはグリーン、ピンク、ホワイト、ネイビーブラックの4色展開。 www.au.com

デザインはシンプルで、男性にも女性にも似合うKYF37。カラーはグリーン、ピンク、ホワイト、ネイビーブラックの4色展開。

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INFOBAR(インフォバー)xv

auのデザイン端末シリーズ「INFOBAR」の15周年記念モデル。
2018年11月発売。製造メーカーは、au Design projectとなっている。
折り畳みせずに使うバー型の端末で、テレビやおサイフケータイ等の付加機能が搭載されていないシンプルな構成。
カメラは800万画素で、GPSも搭載。
auメール、Cメールに加え、+メッセージにも対応している。

画像: 縦長のバータイプ。赤基調の「ニシキゴイ」、紺基調の「ナスコン」、紫基調の「チェリーベリー」の三色展開。 www.au.com

縦長のバータイプ。赤基調の「ニシキゴイ」、紺基調の「ナスコン」、紫基調の「チェリーベリー」の三色展開。

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ドコモのガラケーはどうなっているのか?

auは、2022年に3G回線停波が決まっているが、他社の状況はどうなっているのか。
ドコモの状況や、いまわかっていることを確認しておきたい。

ドコモの3G停波は、2020年代中頃(2025年前後)の予定

ドコモは、3G回線(FOMA)の停波時期を、2020年代中頃(2025年前後)と正式発表している。
ドコモのFOMAケータイといえば、ネットサービスの「iモード」が有名だが、iモードも、3Gの音声通話の新規受け付けもすでに終了しており、iモードサービス自体も、いま現在FOMAケータイを所有している人以外は利用できない。
iモード自体はまだ終了しておらず、終了時期も未定(3G停波と同時終了の可能性が高い)だが、各種サービスは、徐々にサービス提供を終了しており、メニューは減少している。

おすすめの「ドコモ 4Gケータイ」

現在、ドコモのサイトに掲載されているガラケー(ドコモ ケータイ)は、4機種となっている。
3G時代のiモードに相当するネット接続機能は、ドコモのスマホと同様に「spモード」となっており、ドコモでは4Gケータイのことを「spモードケータイ」と呼ぶこともある。

spモードのサービスの大半はスマホ用となっており、4Gガラケーで利用できるサービスは少ない。
iモード全盛時のように、何でもできる状況ではない、と考えたほうがいいだろう。
メール系はキャリアメールである「ドコモメール」に、iモード時代のメールアドレスを引き継ぐことが可能。
ショートメール(SMS)も使える。
しかし、+メッセージに対応した4Gガラケーはない。テレビ(ワンセグ)やおサイフケータイに対応した機種もある。

arrows ケータイ
F-03L

2019年7月に発売された、富士通製の4Gケータイ。
現状、ドコモの4Gケータイとしては、最新モデルとなる。
ヒンジサイドのボタンを押すと開く、折り畳み式。
読みやすいフォントやVoLTEによる聞きやすい音質など、高い基本性能を持っている。
カメラは810万画素。
ワンセグの視聴、おサイフケータイに対応している。
おサイフケータイの対応サービスは「モバイルdポイントカード」「iD」「QUICPay」「ヨドバシゴールドポイントカード」「ビックポイントケータイ」「東京ドームTDモバイル」「楽天Edy」に限定されている。

画像: ワンプッシュで開く折り畳み型。折り畳んだ状態でも時計を表示できる。ベース色はシルバー、ブラック、レッドの三色展開だが、どの色にも三色のリヤカーバーが付属するので、気分で使い分けることも可能。 www.nttdocomo.co.jp

ワンプッシュで開く折り畳み型。折り畳んだ状態でも時計を表示できる。ベース色はシルバー、ブラック、レッドの三色展開だが、どの色にも三色のリヤカーバーが付属するので、気分で使い分けることも可能。

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AQUOS ケータイ
SH-02L

2019年2月に発売された、シャープ製の4Gケータイ。
聞きやすさ、見やすさ、文字の打ちやすさを追求し、ワンセグやおサイフケータイ機能も搭載したフル機能モデル。
電池への負担を減らした充電機能や、知らない電話番号からの着信に、ボタン一つで音声メッセージで応答する機能なども備えている。
カメラは800万画素、ワンセグ視聴が可能。
おサイフケータイは、arrows ケータイ F-03Lと同様の内容になっている。

画像: ボディの中央に通知用のサブディスプレイを装備している。ベース色はゴールド、ブラック、ピンクの三色展開で、どの色にも三色のリアカバーが付属する。横置きの充電台も付属する。 www.nttdocomo.co.jp

ボディの中央に通知用のサブディスプレイを装備している。ベース色はゴールド、ブラック、ピンクの三色展開で、どの色にも三色のリアカバーが付属する。横置きの充電台も付属する。

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ソフトバンクのガラケーはどうなっているのか?

au、ドコモに並ぶ、三大キャリアの一つがソフトバンクである。
ソフトバンクの3G回線の今後の予定、現在のガラケーの状況を確認しておこう。

ソフトバンクの「3G回線完全停波時期」は未定

ソフトバンクの3G回線は、前身会社であるボーダフォン時代にスタートしており、それをソフトバンクが引き継いでいる。
2019年10月現在で、3G回線の完全停波時期は発表されていないが、すでに一部の3G回線周波数は停波している。
すべての周波数帯の停波は、au、ドコモと同じような時期になると思われる。

2019年11月末でほとんどの機能が使えなくなる

ソフトバンクの3G回線は停波時期が決まっていないが、3Gガラケーの機能については、もうすぐほとんどの機能が使えなくなる。
世界的にネットのセキュリティは強化されるているが、その一環として、ネット通信の暗号化方式が最新化されつつある。

ソフトバンクの3Gガラケーの多く、また一部の3Gスマートフォンは、最新の暗号化技術に対応していないため、すでにネットバンキングやネットショッピングが利用できない状況にある。

さらに、2019年12月3日以降、GPS機能、「https://」から始まるWebページの利用、「S!メール」(ソフトバンクのキャリアメール)、テレビ・ワンセグの視聴、カメラの起動、時計の自動調整、ブラウザの起動などが順次利用できなくなる。

簡単にいえば、通話とSMS以外は利用できなくなる、と考えればいいだろう。
現状で、3Gケータイの利用状況が一番困難なのは、じつはソフトバンクなのである。
詳しくはソフトバンクのサイトで確認できる。

おすすめの「ソフトバンクの4Gガラケー」

ソフトバンクの3Gケータイを使っている人は、いますぐにでも4Gケータイに買い替えるのがいいだろう。
いま、ソフトバンクのサイトに掲載されているガラケーは、子供用の製品を除くと、6機種となっている。
高齢者向けの「かんたん携帯」2機種を含めて、6機種すべてがワンセグ視聴に対応しており、おサイフケータイに対応していない。
メールは、SMSとキャリアメール(S!メール)が利用できる。

AQUOS ケータイ3

2019年4月発売、現在のソフトバンクの4Gケータイでは、二番目に新しい機種となる。
製造メーカーは、シャープ。
スピーカーの開口部を大きく設計し、音声通話の聞き取りやすさを向上。
画面配色やフォントを読みやすくしたり、ボタンの操作感覚を向上させたりと、基本機能の部分から徹底的に使いやすさを追求している。
ビジネスでもプライベートでも、高齢者でも使いやすいシンプルな機種。カメラは800万画素。

画像: サブディスプレイ付きのオーソドックスな折り畳みタイプ。ボディーカラーはグリーン、ブラック、ホワイトの三色展開。 www.softbank.jp

サブディスプレイ付きのオーソドックスな折り畳みタイプ。ボディーカラーはグリーン、ブラック、ホワイトの三色展開。

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かんたん携帯10

高齢者をターゲットとした、使いやすさを重視したモデル。
現在のソフトバンク4Gケータイでは、これが最新モデルとなる。
高齢者向け機種は各キャリアに存在するが、ソフトバンクのモデルは、外側のデザインが一般向け機種に近いので、誰が持っても違和感がない。
操作面のデザインはボタンが大きく、日本語表示なので機械が苦手という人でもすぐに馴染める。
機能的にはワンセグやカメラ、microSDカード対応等、一般向け機種と同等の機能・性能となっている。

画像: 大きなサブディスプレイがついた折り畳み型。ボディカラーはゴールド、ピンク、ネイビーの3色展開。高齢者向け機種だが、誰が持っても違和感がない外観デザインとなっている。 www.softbank.jp

大きなサブディスプレイがついた折り畳み型。ボディカラーはゴールド、ピンク、ネイビーの3色展開。高齢者向け機種だが、誰が持っても違和感がない外観デザインとなっている。

www.softbank.jp

では「4Gガラケー」はいつまで使える?

3Gガラケーは風前の灯火といっていい状況だが、4Gガラケーはまだまたいける。
では、実際いつまで4Gガラケーが利用できるのだろうか。
3G回線の歴史を見ながら、4Gケータイの将来を予想してみる。

3G回線は実働21~25年。4Gも同じなら2035年まではいける

まずは、回線だけの事を考えてみる。
大手キャリアで3G回線が運用され始めたのは、2001年ごろ。
auの3G停波が2022年なので、21年間は実働していたことになる。

仮に、ドコモの3G停波が2026年なら、25年間の運用期間となる。
大手キャリアの4G回線運用開始は、2010年から。
3Gと同じく、25年の運用期間があるとすれば、2035年までは電波があるということになる。

3Gが停波するのは、来年5Gの運用が開始され、3Gの利用者が激減していることを受けてのこと。
2世代後の回線が運用されてからの停波となる。
4Gの2世代後となると6G回線で、これはまだ正式な方式も何も決まっていない状態。
そこから考えると、4G回線の実働は25年以上あるかもしれない。

ガラケーの寿命は5Gガラケーが登場するかどうかにかかっている

4G回線が停波するのは、まだまだ先のことであるが、ガラケーが「生き残るかどうか」は、また別の問題でもある。

最新の調査では、携帯端末保有者の85%がスマホ所有者であり、ガラケー所有者は15%にまで減ったとある。
このまま15%前後の利用者がいれば、端末としてのガラケーは消滅しないと思う。
しかし、10%以下になれば、新製品の登場は望み薄となるだろう。

現在の4Gケータイの最新モデルも、機能はかなり絞られており、音声通話とキャリアメール・SMS専用の端末になりつつある。
今後も、スマホ登場以前のような機能満載のガラケーは登場しないだろう。

ひとつのポイントは、来年運用が開始される、5G回線に対応したガラケーが登場するかどうか。
これが登場すれば、頻繁に新製品が出ないまでも、ひとつの機種がモデルチェンジすることなく、長期間にわたり販売されつづける可能性があるだろう。

まとめ

2022年にガラケーが終了するというのはデマ。
ただし、auの3G回線が停波するのは事実であり、他社の3G回線も程なく停波する。
4Gガラケーに買い替えれば、この先10~15年ぐらいは電波が停まる心配はない。
しかし、ガラケーの需要がこれ以上、下がるようだと、端末の新製品は登場せず、静かに終息していく可能性はある。

◆福多利夫(フリーライター)
デジタル家電関連の記事を得意とする、モノ系ホビー系のフリーライター。一般財団法人家電製品協会認定の家電総合アドバイザーでもある。長年にわたり月刊『特選街』の制作に携わり、パソコン関連の著書も多い。

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