キャノンから同時期に発売されたAPS-Cサイズのミラーレス一眼「EOS Kiss M」と一眼レフ「EOS Kiss X90」の2モデルを比較した。今回は、サイズ、測距点、オート画質、高感度性能の4つのポイントでチェックしてみた。

キャノンの注目モデルを実力対決!

APS-Cサイズの「Kiss M 」と「Kiss X90」を比較検証

ミラーレス一眼

キャノン
EOS Kiss M

7万6730円(ボディ)

画像: ●有効画素数/2410万画素●AF/デュアルピクセルCMOS AF方式●測距点/143点●ISO感度/ISO 100~2万5600●連続撮影速度/最高7.4コマ/秒●サイズ・重量/幅116.3㎜×高さ88.1㎜×奥行き58.7㎜・387g

●有効画素数/2410万画素●AF/デュアルピクセルCMOS AF方式●測距点/143点●ISO感度/ISO
100~2万5600●連続撮影速度/最高7.4コマ/秒●サイズ・重量/幅116.3㎜×高さ88.1㎜×奥行き58.7㎜・387g

一眼レフ

キャノン
EOS Kiss X90

4万6440円(ボディ)

画像: ●有効画素数/2410万画素●AF/TTL位相差検出方式●測距点/9点(中央クロス)●ISO感度/ISO100~1万2800●連続撮影速度/最高3.0コマ/秒●サイズ・重量/幅129.0㎜×高さ101.3㎜×奥行き77.6㎜・475g

●有効画素数/2410万画素●AF/TTL位相差検出方式●測距点/9点(中央クロス)●ISO感度/ISO100~1万2800●連続撮影速度/最高3.0コマ/秒●サイズ・重量/幅129.0㎜×高さ101.3㎜×奥行き77.6㎜・475g

※価格はすべて実売価格例で、記事作成時のものです。

2018年3月という同時期に発売された2機種だが、ミラーレス一眼のKiss Mがシリーズの上位モデルなのに対して、一眼レフのKiss X90はローエンドモデルであるため、撮像センサーや画像処理エンジンに差がつけられている。

そのため、ミラーレス一眼か一眼レフかというのとは別の部分での違いも出てきてしまうが、それだけミラーレス一眼のほうに力が注がれているということでもある。そういった点も踏まえつつ、比べるべき2モデルといえるだろう。

ここでは4つのポイントについてチェックしてみた。

  1. サイズは?
  2. 測距点は?
  3. オート画質は?
  4. 高感度性能は?

1. サイズは?

可動式のミラーに加えて光学ファインダー、測距センサーなどを省略できるぶんKiss Mのほうが有利で、幅で12.7ミリ、高さで13.2ミリ、奥行きで18.9ミリもの差がある。重さは88グラムの差。Kiss X90から見ると18.5%も軽いのだから、まさに圧倒的だ。

EOS Kiss M

画像: ミラーや光学ファインダーがないため、そのぶんの小型軽量化が可能だ。また、マウント面から撮像面までが短いので標準~広角系のレンズは高性能化しやすい。

ミラーや光学ファインダーがないため、そのぶんの小型軽量化が可能だ。また、マウント面から撮像面までが短いので標準~広角系のレンズは高性能化しやすい。

EOS Kiss X90

画像: ミラーレス一眼に比べれば、どうしても大きく重くなりがち。レンズも総じて大柄となる。が、手の大きい男性だと、逆に持ちやすいというメリットもある。

ミラーレス一眼に比べれば、どうしても大きく重くなりがち。レンズも総じて大柄となる。が、手の大きい男性だと、逆に持ちやすいというメリットもある。

2. 測距点は?

Kiss X90のAFはスペックとしては古めの9点測距で、画面の中央部しかカバーできない。
対するKiss MはキットレンズのEF-M15~45ミリとの組み合わせだと99点測距。画面の横80%×縦80%の範囲をカバーする。動く被写体を撮るのにも有利だ。

EOS Kiss M

画像: スッキリ晴れた空を大きくフレーミングして撮ってみた。画面の端近くでもピントが合うので快適だ。人物撮影時は目にピントを合わせる瞳AFも利用できる。

スッキリ晴れた空を大きくフレーミングして撮ってみた。画面の端近くでもピントが合うので快適だ。人物撮影時は目にピントを合わせる瞳AFも利用できる。

EOS Kiss X90

画像: 九つの測距点はひし形配置であるため、こういう画面にするとピントが合わせられない。本当はシャッターが切れないのだが、ここではMFに切り替えて撮った。

九つの測距点はひし形配置であるため、こういう画面にするとピントが合わせられない。本当はシャッターが切れないのだが、ここではMFに切り替えて撮った。

3. オート画質は?

フルオートモードで撮り比べてみたが、全体的には大きな違いはないように感じた。作例とは逆に、シーンによってはKiss Mのほうが青みが強くなったケースもあった。なお、Kiss X90には「レンズ補正」機能がないため、歪曲収差や色収差などの自動補正はできない。

EOS Kiss M

画像: 日陰の条件だが、発色はニュートラル。好ましいホワイトバランスだ。ややコントラストは高め。色収差補正をオンにしているので、周辺部でも色にじみはない。

日陰の条件だが、発色はニュートラル。好ましいホワイトバランスだ。ややコントラストは高め。色収差補正をオンにしているので、周辺部でも色にじみはない。

EOS Kiss X90

画像: やや青みの強い発色で、雪のある日陰のシーンとしては悪くないホワイトバランス。画面左上隅の部分に色収差による色にじみが発生している。

やや青みの強い発色で、雪のある日陰のシーンとしては悪くないホワイトバランス。画面左上隅の部分に色収差による色にじみが発生している。

4. 高感度性能は?

Kiss X90はDIGIC4+なのに対し、Kiss Mは最新エンジンのDIGIC8を搭載している。そのため感度の設定範囲が高感度側に2段広がっている。実写での画質の差は思いのほか小さいが、やはりKiss Mのほうがノイズが少なく、細部の再現がいい。

EOS Kiss X90

画像: ISO1万2800が最高感度となる。明るい部分は色ノイズがあり、暗い部分はやや締まりのない印象。旧型のエンジンだが、ディテール再現は比較的いい。

ISO1万2800が最高感度となる。明るい部分は色ノイズがあり、暗い部分はやや締まりのない印象。旧型のエンジンだが、ディテール再現は比較的いい。

EOS Kiss M

画像: ISO1万2800で撮影したカット。明るい部分でも暗い部分でもノイズが少なく、ディテール再現も解像感も良好だ。大きなサイズにしないなら十分実用になる。

ISO1万2800で撮影したカット。明るい部分でも暗い部分でもノイズが少なく、ディテール再現も解像感も良好だ。大きなサイズにしないなら十分実用になる。

同時期発売の2モデルながらクラスの違いもあって差は歴然

ミラーレス一眼のほうがレンズの設計も新しい

いちばん目立つのは大きさや重さの違い。Kiss X90も一眼レフとしては小型軽量なほうだが、ミラーレス一眼のKiss Mの小ささ、軽さは圧倒的だ。
AF測距点のカバーエリアの広さも段違いだし、測距エリアがビッシリと並んでいるおかげでピントが背景に抜けてしまう心配もない。

また、Kiss X90は遠景に対してややピントが甘くなるケースが見られたが、Kiss Mではそういう問題はなかった。フルオートモードでの画質の差はあまりないが、Kiss Mのほうがややコントラストが高めに仕上がる傾向があるように感じた。

高感度は予想どおりの結果で、エンジンがより新しいKiss Mのほうがノイズも少なかった。加えて、ミラーレス一眼のほうがレンズの設計が新しいものが多く、特に標準から広角系は性能面で有利な部分もある。
トータルで考えるとミラーレス一眼が優位といえる。

解説/北村智史(カメラライター)

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