一般的なプリンター複合機のスキャン機能を使ってデジタル保存
家庭用のプリンター複合機には、フラットベッドスキャナーが装備されている。ふだんはカラーコピー機能ぐらいしか使わないという人も多いだろうが、パソコンと接続してスキャナーとして使用すれば、プリント写真のデジタル化用途にも活用できる。すでにプリンター複合機を所有しているなら、コストをかけずにプリント写真のデジタル化が可能なのだ。なお、残念ながら、現行のプリンター複合機は透過光ユニットを装備していないので、フィルムのスキャンはできない。
複合機でのスキャンは、多くの場合、パソコン側からの操作で行う。スキャンするための専用アプリがパソコンにインストールされていないとデジタル化を実行できないので、アプリがインストール済みか確認しておくこと。最新版をメーカーサイトからダウンロードしてもいいだろう。
複合機の原稿台は、A4サイズまで対応しているので、大判プリントもデジタル化できる。また、Macでも使える。
プリンター複合機によるデジタル化の手順
使用した製品はコレ!
ブラザー DCP-J988N
実売価格例:3万5510円

●イメージセンサー:CIS●スキャン解像度:最大1200dpi(光学解像度、主走査のみ)●幅435㎜×高さ195㎜×奥行き341㎜・重量8.7kg
オートシートフィーダー機能を搭載した大容量インクのプリンター複合機。スキャナー/コピー機能には、パソコンを使わず、SDカードにPDF形式でダイレクトに保存する機能も装備している。
ここがポイント!
プリント写真のみとはいえ、複合機を持っていれば、コストをかけずにデジタル化できるという点が魅力。「写ルンです」などで撮った大量のサービス判を抱えている人に最適。
①ドライバーやアプリをインストール

パソコンにデバイスドライバーや専用アプリをインストールしておく。複合機はアプリの数が多いので、メーカーサイトから最新版アプリをダウンロードするのがいいだろう。
②パソコンにWi-Fiで接続する

近年のプリンター複合機は、Wi-Fiでパソコンに接続できるものが多い。自宅のWi-Fiルーターに接続する設定を済ませておこう。Wi-Fiがなければ、USBケーブルでパソコンと接続する。
③プリント写真を原稿台にセットする

デジタル化したいプリント写真を原稿台の基準点(この機種では左奥)に合わせてセットする。センサーは下側なので、スキャンしたい面を下側に向けて置く。
④パソコンで専用アプリを起動させる

専用アプリ「Brother iPrint&Scan」を起動し、「スキャン」を選択する。パソコンと複合機が正しく接続されていれば、アプリに複合機の型番やインク残量が表示されている。
⑤スキャン用の設定画面を開く

そのまま「スキャン」ボタンをクリックしてもスキャンは実行できるが、画質などを設定するために「すべての設定」をクリックし、スキャン用設定画面に移動する。
⑥プリント写真の内容に合わせた設定にする

セットしたプリント写真の内容に合わせ、サイズや解像度などを設定する。通常は「基本設定」のみでいいが、原稿の状態がよくない場合は「原稿補正」などの項目も設定しよう。
⑦パソコン側の操作でスキャンを実行する

設定が完了したら「スキャン」の画面に戻り、原稿サイズやカラー設定、解像度などが間違っていないかどうかを確認して、「スキャン」ボタンをクリックする。
⑧スキャンされたデータを確認し、保存する

プリンター複合機でのスキャンが実行されると、パソコンのアプリに写真のデータが転送される。表示された画像を確認し、パソコンに画像ファイルとして保存する場合は「パソコンへ保存」をクリックする。また、このアプリからクラウドに保存することもできる。
※価格は記事作成時のものです。
解説/福多利夫(フリーライター)