SeeQVaultのデメリットは?HDDやテレビもすべて“対応機器”で揃えなければならない点に注意

家電・AV

一般的に外付けHDDに録画した内容は、接続したレコーダーまたはテレビのみでしか再生できません。SeeQVaultは記録メディア自体の著作権保護技術で、対応機器なら、他の機器で録画した番組を再生できるようになります。 便利な規格ですが、万能ではなく、安価な外付けHDDと比べると不便な点もあります。

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SeeQVaultについて、教えて!

読者から質問

テレビやBDレコーダーに接続するHDDのSeeQVault(シーキューボルト)について、「別の機器で見られる」というのは、テレビなのか、レコーダーなのか、パソコンなのかということも含め、詳しく教えていただきたいと思います。(K・Iさん 長野県 45歳)

専門家の回答

編集部:
これは、AVライターの鳥居一豊さんに聞きます。

専門家:
「SeeQVaultは記録メディア向けの著作権保護技術です。

BDレコーダーやテレビに接続して録画する外付けHDDは、一般的には接続したBDレコーダーまたはテレビのみでしか使えず、他の機器に接続すると、録画済みの内容は再生できません。他の機器で使用するには、初期化して記録済みの内容をすべて消去する必要があります。

SeeQVaultは、こうした問題を解決するために生まれた技術で、記録メディア自体に強力な著作権保護技術が盛り込まれており、対応機器なら、他の機器で録画した番組を再生できるようになります。

SeeQVault対応の外付けHDDにテレビ番組を録画できるのは、対応BDレコーダーや対応テレビ、対応パソコンとなります。また、再生する機器も、SeeQVault対応であることが必要です。

つまり、録画側、再生側の機器ともにSeeQVault対応でないと、その恩恵は受けられません。

具体的には、地デジなどの放送を録画した外付けHDDは、対応するBDレコーダーやテレビと接続すれば再生できます。

しかし、パソコンや携帯デバイスは、SeeQVault対応の外付けHDDを直接接続しても再生は不可。別途、SeeQVault対応SDカードに番組をダビングしてから、対応したパソコンや携帯デバイスで、これを再生します。

このように、録画・再生機器、記録メディアのすべてがSeeQVaultに対応している必要があります。

対応テレビや対応BDレコーダーはかなり普及が進んでいますが、パソコンや携帯デバイスでは、対応する製品への買い替えや対応アプリの導入などが必要になる場合もあります」

編集部:
注意点などはありますか?

専門家:
「SeeQVault対応の外付けHDDをBDレコーダーで使う場合、外付けHDDにはテレビ番組を直接録画できず、レコーダー側の内蔵HDDに録画したのち、SeeQVault対応のHDD側にダビングする必要があるなど、一般の外付けHDDと比べ、使い勝手に違いもあります。

録画した番組を多くの機器で再生できる便利な規格ですが、決して万能ではなく、安価で入手できる外付けHDDと比べると、少々不便な点もあります。最近は、ネット経由でテレビ番組を再生する機能やアプリも普及していますので、それぞれの長所を把握してうまく使い分けるといいでしょう」

編集部:
なるほど。ありがとうございました。

イラスト/はやし・ひろ

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