パナソニックの4Kビデオカメラ「HC-WX2M」をテスト。画質にこだわる「4K PREMIUM」の主力モデルだ。充実した編集機能「あとから補正」が秀逸。BDレコーダーのディーガとの接続も便利で、サブカメラによる「ワイプ撮り」にも対応。家庭用ビデオカメラとしての完成度は極めて高い。
今回のテストアイテムはこちらパナソニックHC-WX2M
実売価格例:11万6500円
●プロフィール
充実したラインアップを誇るパナソニックの4Kビデオカメラ。今期は、軽さにこだわる「4K AIR」と、画質にこだわる「4K PREMIUM」という明確なコンセプトを打ち出し、4Kビデオカメラの裾野を広げている。
SPEC
●動画記録方式/AVCHD、MP4●音声記録方式/ドルビーオーディオ(5.1ch/2ch)、MP4:AAC/2ch●ズーム/光学24倍●モニター/3型ワイド(約46万ドット)●記録メディア/SDXC/SDHC/SD、内蔵メモリー(64GB)●電源/専用バッテリー●サイズ/幅68mm×高さ77mm×奥行き158mm●重量/523g
■二つのカメラで"ワイプ撮り"
液晶モニター横にサブカメラを搭載し、二つのカメラで同時に撮影できる“ワイプ撮り”機能を備える。
■切れ味鋭い4K映像
新ライカディコマー仕様のレンズはさすがに切れ味が鋭く、4K解像度の持ち味を存分に引き出している。
オートフォーカスの追随性も良好
今回取り上げるHC-WX2Mは、「4K PREMIUM」の主力モデルであり、高画質と充実した編集機能で、家族の思い出を残してほしいというメッセージを込めた意欲作だ。
まず、カメラ部だが、光学24倍ズームの新ライカディコマーレンズ、1/2.5型の大型MOSセンサー、そして、優れた補正光学精度を誇る手ブレ機能は従来どおり。3型液晶モニターの横にサブカメラを搭載し、二つのカメラで同時に撮影が可能な「ワイプ撮り」にも対応している。
注目の画質は、4K解像度ならではの緻密な描写で、色彩も誇張せずに、ナチュラルに見せる。大型の撮像素子と明るいレンズ(F値1.8)の組み合わせで、S/N的にも余裕が生まれ、特に、低照度撮影時の安定感が増している。オートフォーカスの追随性も良好で、素早く、しかも迷いが少ない。4K撮影が可能な家庭用ビデオカメラとしては、間違いなくトップレベルのクオリティといえる。
撮ったあとからでも多彩な映像補正が可能
機能面では、4K解像度の優位性を生かした「あとから補正」が秀逸。撮影後に、目当ての被写体を追いかけたり、ズームしたり、あるいは、画像の揺れを改善したりと、手品のような映像補正が可能で、利用価値は極めて高い(解像度はHDとなる)。
今回から新たに搭載された「ハイライトシェア」も楽しい。撮影映像の特徴的なシーンを自動で判別し、ハイライト映像(10/30/60秒)と静止画を作成。その内容を、そのまま手軽にスマホへ転送できる。SNSにアップすれば、珠玉の思い出映像を手軽にシェアすることも可能だ。
画質、機能性、デザインと、どれもハイレベルで、家庭用ビデオカメラとしての完成度は極めて高い。
おすすめ度…A
4Kならではの緻密な描写。家庭用ビデオカメラとして極めて高い完成度
ココが〇
本格的な4K映像がこの小さなカメラで撮れるとは驚き。BDレコーダーのディーガとUSB接続をして、ボタン一つで伝送、保存できるのも便利だ。
ココが×
4K撮影は30p収録にとどまっているため、動きのある被写体がどうしてもパラパラしがちだ。特に、スポーツ撮影で物足りなさが残る。
※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C-」までの9段階評価になっています。
※価格は記事作成時のものです。
解説/藤原陽祐 (AV評論家)