「老化現象です。なるべく手を使わないようにしましょう」。言われた患者さんは「見捨てられた」とショックを受けます。あきらめないでください。へバーデン結節だけでなく、手のしびれや指の痛みに関係するすべての病気に10秒神経マッサージは効果を発揮します。【解説】富永喜代(富永ペインクリニック院長)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

富永喜代(とみなが・きよ)
富永ペインクリニック院長。人脈ゼロ・資金ゼロから開業3年で、女性院長クリニックでは日本一、年間15000人の肩こり、頭痛に悩む人を診療(エーザイ社調べ)。TBS「中居正広の金曜日のスマたちへ」などテレビ番組や、『読売新聞』『婦人公論』『anan』などの媒体で活躍。処女作『こりトレ』(文藝春秋)は10万部のベストセラーに。経済産業省「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」を委託され、痛み最新医療のリーダーとして注目されている。著書に、『手のしびれ・指の痛みが一瞬で取れる本』(青春出版社)などがある。

手の痛みに悩むのは実は女性が9割

今から11年前に、私は痛みの治療を専門とするクリニックを開業しました。頭痛や肩こりなどはもちろん、手のしびれや指の痛みなどの症状もたくさん診てきました。あまり知られてはいませんが、手の症状に悩むのは9割が女性なのです。

「指の関節が腫れて曲がってしまい、手を握れなくなりました。こんな手がみっともなくて、悲しいです」
「指に力が入れられなくなり、ペットボトルのふたを回して開けられません」

「洗濯物干しハンガーの洗濯ばさみをつまむと指が痛くて、とてもつらいんです」
「カボチャやサトイモを切るときに手が痛くて、包丁を使う料理がすっかり嫌になりました」

「炒め物をするときにフライパンを振ると、手に激痛が走ります」
「手が痛くて箸も使えなくなり、スプーンを使っています」

こうした症状が現れると、多くの人はリウマチを疑い整形外科を受診します。

検査の結果、リウマチではないとわかると、「へバーデン結節(下のリスト参照)」など変形性関節症と診断され、

「老化現象です。なるべく手を使わないようにしましょう」「テーピングで指を固定してください」と医師から告げられます。

このように言われた患者さんは「見捨てられた」とショックを受けます。手や指を動かせないと、家事や仕事ができなくなり、日常生活を満足に送れません。結局、痛みに耐えるしかなく、そのストレスがさらに症状を悪化させるのです。

《手のしびれや指の痛みに関係する主な病気》
◎へバーデン結節・ブシャール結節
指の関節が変形したりコブができたりして、しびれや痛みが生じる
◎腱鞘炎
腱鞘と腱に炎症が起こった状態。指を動かすと強い痛みが走る。指の付け根の腱鞘炎は「ばね指」、手首の親指側の腱鞘炎は「ドゥケルバン病」と呼ばれる
◎母指CM関節症
親指の付け根が膨らんで、親指を使う動作がやりにくくなる
◎手根管症候群
手のひらや指先に、痛みやしびれが出る病気
◎関節リウマチ
関節内に慢性の炎症を生じる病気

画像: へバーデン結節でコブができた指の関節

へバーデン結節でコブができた指の関節

症状が軽いうちならば指の変形を防げる

私は患者さんたちの声を聞き、痛み治療の専門医として、皆さんが自分でできる治療法はないかと検討してきました。

そして「10秒神経マッサージ」(やり方は下記参照)を考案し、おそらく日本で唯一の「へバーデン結節外来」を2年前には開設しました。

これまでの治療に、10秒神経マッサージを併用することで、2週間ほどで「手を握れるようになった」「痛みがずいぶん軽くなった」と患者さんたちから報告をいただいています。

ですから、今、手のしびれや指の痛みに悩んでいる人は、あきらめないでください

へバーデン結節だけでなく、手のしびれや指の痛みに関係するすべての病気に10秒神経マッサージは効果を発揮します。また、症状が軽いうちならば、指の変形を防ぐことも期待できるのです。

画像: 10年来の指の変形と激痛が1カ月で大改善!手をギュッと握れるようになった

10年来の指の変形と激痛が1カ月で大改善!手をギュッと握れるようになった

痛みの情報を伝える神経の働きを抑える

10秒神経マッサージは、神経ポイント」を爪で刺激することが特徴です。

私たちの体に張り巡らされている末梢神経は、脊髄から出て、体の表面や内臓などに達しています。その中の運動神経は脳・脊髄からの「動きなさい」という指令を筋肉などに伝え、知覚神経は「痛い」「熱い」といった情報を脳・脊髄に伝える働きをしています。

神経ポイントとは、運動神経と知覚神経が体の浅い部分を並走している場所です。10秒神経マッサージでは神経ポイントに刺激を与えることで、痛みの情報を伝える神経の働きを抑えます。

その結果、手や指の痛みが軽くなって、楽に動かせるようになるのです。こうして手や指が動くことで血流がよくなり、さらに痛みが軽くなるわけです。

痛みがあると体を動かすのがおっくうになります。この状態では筋肉が動かないため、血液やリンパ液の流れが滞ります。そのために、痛みを感じさせる物質がたまって、さらに痛みが悪化するという「負のスパイラル」に陥ってしまうのです。

ですから、痛みが消えるということは、私たちの体にとって重要なことです。加えて、痛みが減ってふだんどおりに体を動かせるという喜びも、症状の改善につながります。

痛みが取れるだけで、患者さんの人生が変わる例を、私は見てきました。10秒神経マッサージは誰でも、いつでも、どこでも、簡単にできる方法です。読者の皆さんもどうか痛みをあきらめず、10秒神経マッサージを試してください。

「10秒神経マッサージ」のやり方

10秒神経マッサージ
「3つのコツ」

爪を立てて刺激する
神経ポイントに刺激を与えるため、指の腹ではなく爪で刺激しましょう。痛みがある側の手や指に行います

画像1: 【痛み治療の専門医解説】へバーデン結節や手の痛み・しびれを改善する「10秒神経マッサージ」のやり方

「イタ気持ちいい」強さで行う
刺激した後に爪の跡が残るぐらいの「ちょっと痛い」程度の感覚で、押したりこすったりしましょう。マッサージをしていないときに皮膚がひりひりと痛む場合には、皮膚が回復してから行ってください

画像2: 【痛み治療の専門医解説】へバーデン結節や手の痛み・しびれを改善する「10秒神経マッサージ」のやり方

10秒続ける
神経ポイントに刺激を与えすぎると、痛みを悪化させる可能性があります。やりすぎは逆効果ですので、痛みがある側のみに、朝と晩の1日2回、1回10秒を守りましょう

画像3: 【痛み治療の専門医解説】へバーデン結節や手の痛み・しびれを改善する「10秒神経マッサージ」のやり方

10秒神経マッサージ
「手」のやり方

【神経ポイント】
痛みを感じる手の、人さし指の骨と親指の骨が交わるV字の場所を探します。その場所に反対の手の親指の爪を当てて、人さし指の骨に沿って押していくと、コリコリとしてピリッと痛みが走るポイントが見つかります。ここが神経ポイントです

画像4: 【痛み治療の専門医解説】へバーデン結節や手の痛み・しびれを改善する「10秒神経マッサージ」のやり方

神経ポイントに反対の手の親指の爪を当てて、人さし指の骨をそぐように縦に動かしながら10秒間刺激しましょう

画像5: 【痛み治療の専門医解説】へバーデン結節や手の痛み・しびれを改善する「10秒神経マッサージ」のやり方

10秒神経マッサージ
「指」のやり方

【神経ポイント】
痛みを感じる指の第1関節と第2関節のわきが、神経ポイントです

画像6: 【痛み治療の専門医解説】へバーデン結節や手の痛み・しびれを改善する「10秒神経マッサージ」のやり方

神経ポイントに反対の手の親指と人さし指の爪を当てて、上下1cmほど縦方向に動かしながら10秒間刺激しましょう。この神経ポイントへのマッサージは、指の腹を使いがちなので注意してください。爪を立てて、痛みを感じるぐらいの力でマッサージします

画像7: 【痛み治療の専門医解説】へバーデン結節や手の痛み・しびれを改善する「10秒神経マッサージ」のやり方
画像: この記事は『ゆほびか』2019年7月号に掲載されています。

この記事は『ゆほびか』2019年7月号に掲載されています。

This article is a sponsored article by
''.