玄米は、白米より食物繊維は6倍、ビタミンB群は4〜5倍、ミネラル分も3〜5倍多く含まれています。これだけ栄養価が高い食品だとわかっていても、いざ食べるとなると食べにくさを感じる人もいるようです。そこで、お勧めするのが「ヨーグルト玄米」です。【解説】板倉弘重(品川イーストワンメディカルクリニック院長)

解説者のプロフィール

板倉弘重(いたくら・ひろしげ)
品川イーストワンメディカルクリニック院長。医学博士。東京大学医学部卒。カリフォルニア大学サンフランシスコ心臓血管研究所に留学。東京大学第三内科講師、国立健康・栄養研究所病態栄養部長、同臨床栄養部長を経て、同研究所名誉所員。「活性酸素」研究の第一人者で、赤ワインやココアなどの抗酸化作用を明らかにしたことでもよく知られている。現在、品川イーストワンメディカルクリニックで診療も務める。

玄米には日本人に足りない大事な栄養素がある

明治から大正、昭和にかけて、兵士に脚気(※)が大流行し、「弾丸に当たるより死者が多い」と、国家的問題となりました。これはのちに、軍が兵士に、特典として白米を大量に食べさせたことで、ビタミンB1が不足したからだと判明しました。

※末梢神経や中枢神経が冒され、足がしびれたりむくんだりする症状が現れる。重症化すると心不全を起こして死に至ることもある。江戸時代、白米ばかり食べていた大名がよく患った。

こうしたビタミンB1欠乏症は、過去の話ではありません。平成29年の国民健康・栄養調査によると、30代の女性が取るべきビタミンB1の一日当たりの摂取量は0.75mg。目標量の1.1mgに足りていません。

ビタミンB1が不足すると、まず、疲れやすくなります。疲労回復も遅くなるため、日常的に体調不良を起こしがちになります。

もう一つ、足りていない栄養素があります。食物繊維です。食物繊維は、一日の目標量20gに対して、30代女性はたったの12.5g、40代でも13gしか取れていません。

食物繊維は、腸を整えるのはもちろん、血糖値の上昇を抑え、血中のコレステロールを下げることが明らかになっています。

ビタミン・ミネラルの微量栄養素、そして食物繊維。これらの栄養素不足が、予備軍を含めると2000万人いるといわれる糖尿病や、肥満、高血圧、便秘、ガンや認知症の増加に影響している可能性があります。

そこで、食生活を真剣に見直すことが必要になってくるのですが、それは、主食である米を、白米から玄米に替えることで、多くの問題が解決します。

玄米とは、もみ殻だけを取ったお米です。ですから玄米は、胚乳・種皮・胚芽のすべて(いわゆる「ぬか」)を含みます。

そのため、これらを取り除いた白米より、食物繊維は6倍、ビタミンB群は4〜5倍、ミネラル分も3〜5倍多く含まれています。

ぬか臭さが消える!モッチリして、うまみも増す

しかし、これだけ栄養価が高い食品だとわかっていても、いざ食べるとなると、特有のパサパサ感やぬか臭さに、食べにくさを感じる人もいるようです。

よく噛まないと、せっかくの栄養が吸収されにくいという問題もあります。

そこで、お勧めするのが、玄米に少量のプレーンヨーグルトを混ぜて炊くだけの「ヨーグルト玄米」です。

ヨーグルトに含まれる乳糖という栄養成分が、玄米のぬか臭さを吸着します。そして、乳酸菌が、玄米の皮を柔らかくするので、水を吸いやすく、モッチリした食感になり、消化吸収を助けます。

さらには、お米を炊く環境が弱酸性になることで、アミラーゼ(でんぷんを分解する酵素)が活性化して、うまみが増幅します。

ストレスを減らし脳を活性化する効果も!

また、ヨーグルトを混ぜた水に玄米を浸け置きすることで、もともと白米の3倍含まれるGABA(γ-アミノ酪酸)が、さらに2倍近く増えるという結果があります。

GABAとは、脳や脊髄に作用する神経伝達物質で、興奮を鎮めたり、リラックスをもたらしたりする効果があります。脳の血流を促し代謝(物質の利用と排出)を活性化する作用もあるので、脳にたいへんよい刺激を与えてくれます。

このように玄米は、少量のヨーグルトを加えることで、栄養価がさらに高くなり、おいしく、食べやすくなります。

ふだん玄米を食べないかたも、ぜひ、「ヨーグルト玄米」を試してみていただきたいと思います。そして、玄米を食べるきっかけにしていただければと思います。

「ヨーグルト玄米」の炊き方

【玄米を炊飯器で2合炊く場合】

画像1: 食べやすくなる【玄米の炊き方】ヨーグルトを入れたら栄養価がアップして美味しくなる!

玄米2合を炊飯器の釜に入れて、最初に注いだ水はすぐに流す

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水をさらに注いで玄米をとぐ。表面に傷がつくようごしごしととぐ

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炊飯器指定の分量の水を入れる。玄米モードがなければ白米の分量でいい

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ヨーグルトは、玄米1合につき大さじ1が適量。ここでは大さじ2加える

画像5: 食べやすくなる【玄米の炊き方】ヨーグルトを入れたら栄養価がアップして美味しくなる!

ヨーグルトが玉にならないようにかき混ぜる。好みで玉を残してもいい

画像6: 食べやすくなる【玄米の炊き方】ヨーグルトを入れたら栄養価がアップして美味しくなる!

白米同様1〜2時間浸けてから炊くのが基本だが、すぐに炊いてもいい

画像7: 食べやすくなる【玄米の炊き方】ヨーグルトを入れたら栄養価がアップして美味しくなる!

炊き上がりは、かすかにヨーグルトの香りがする

画像8: 食べやすくなる【玄米の炊き方】ヨーグルトを入れたら栄養価がアップして美味しくなる!

かき混ぜると、ふっくら柔らかくなっているのがわかる

画像9: 食べやすくなる【玄米の炊き方】ヨーグルトを入れたら栄養価がアップして美味しくなる!

よく見るとあちこちで玄米の表面の皮が破れている。白米の感覚でそしゃくできそう

画像: この記事は『ゆほびか』2019年9月号に掲載されています。

この記事は『ゆほびか』2019年9月号に掲載されています。

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