リコーのTHETA(シータ)Z1は、THETAシリーズで最高のスペックを誇る。スマホとの連係だけでなく、本機単独でも、多彩に撮影が楽しめるようになった。特に、新たに備わった有機ELパネルを使って撮影情報などが確認できるから使い勝手がさらに向上した。別売りで純正のTHETAシリーズ専用自撮り用スティックも発売中!
解説者のプロフィール
大浦タケシ(フォトグラファー)
筆者紹介:宮崎県都城市生まれ。フィルムのパノラマカメラをこの1年ほど物色しているが、納得するものにはまだ出会えていない。長期戦になりそうな気配だ。
こんなカメラで撮ってみた!
リコー THETA Z1
全面の有機ELパネルで電池残量や撮影情報が確認できる!
360度カメラの定番、THETA(シータ)シリーズのフラッグシップ。従来と同様、縦長のボディでレンズの位置も同じだ。ただし、1.0型センサーを2基搭載し、それに合わせた光学系としていることもあり、従来モデルよりも一まわり大きい。0.93型有機EL情報パネルを搭載したこともトピック。バッテリーの状態なども含む、撮影情報が一目で把握できるようになった。
●実売価格例:12万5620円
ボディ側面には電源スイッチをはじめ、操作ボタンが並ぶ。パッと見ではわかりづらいが、いずれも単機能なので、すぐに扱いに慣れるはずだ。ボディの厚さは、従来モデルに比べて厚めになった。
純正のTHETAシリーズ専用自撮り用スティックも発売。高い位置から撮影でき、撮影者の頭やカメラを持つ手が、画面に大きく入ってしまうことがない。写真のTM-3(実売価格例3780円。最大伸張約42センチ)のほか、TM-2(実売価格例4860円。最大伸張約83センチ)も用意。
リコーのTHETA(シータ)Z1は、THETAシリーズで最高のスペックを誇る。基本的な使い方は、これまでと変わらないが、スマホとの連係だけでなく、本機単独でも、多彩に撮影が楽しめるようになった。特に、新たに備わった有機ELパネルを使って撮影情報などが確認できるようになり、使い勝手がぐっと向上している。
もちろん、スマホを使い、じっくりと被写体と対峙するのも悪くない。なぜなら、2基の1.0型裏面照射型センサーによる360度画像は、作品レベルの写りといえるものに進化しているからだ。
写りといえば、レンズユニットにも注目。360度カメラゆえ、太陽など強い光源が画面に入ることが多いが、光学特性の進化により、そのようなシーンでも何ら気にせず撮影ができる。さらに、静止画ではRAW(ロー)形式での撮影も可能になった。扱いやすさと画質にこだわった360度カメラに仕上がっている。
■フレアも発生せず、360度にわたって繊細な写り
絞りは開放F2.1。360度にわたって繊細な写りである。開放絞りながら、コントラストも上々だ。強い光が入ってきている部分など、フレアの発生も皆無といってよく、満足のいく結果が得られた。
■明暗差が大きいシーンでも不足なし
太陽と影の部分の明暗差が大きいが、作例を見るかぎり階調再現性に不足を感じさせない。太陽の周りにはフレアが発生しているものの、このレベルで収まっているのはりっぱだろう。
まとめ
どちらかといえば飛び道具的な存在だったが、本機は1.0型裏面照射型センサーの採用など、カメラとして本格的なものに。360度カメラも、写りが問われる時代になったことを感じさせるモデルだ。
※上の作例は、パソコンおよびスマホ用アプリで撮影画像の一部を切り出したものです。
※価格は記事作成時のものです。
Photo & Text/大浦タケシ