ふるさと納税の制度改正により、多くの自治体が出す旅行券、感謝券や宿泊券が、寄附額の3割相当となった。JTBなど、大手旅行会社のクーポン券を発行するという自治体も増えた。そこで、年末年始に向けて、JTB旅行クーポンを利用してお得に帰省する方法を提案。また、筆者の体験から子連れ旅行におすすめの宿泊券を紹介する。
ふるさと納税の「旅行券」を使って帰省できるのか?
店頭でも使えるJTBふるさと納税旅行クーポン
旅行もいいが、家計を考えると旅行券を帰省に使いたいと考える人もいるのではないか。
HISや近畿日本ツーリスト、日本旅行などの旅行券が返礼品から姿を消したいま、どうやってふるさと納税を活用してお得に帰省するか、その方法を紹介しよう。
2019年10月1日より、JTBの全国約770店舗で取り扱いが開始され、利便性が向上した「JTBふるさと納税旅行クーポン」。2019年6月の法改正以降、ますます注目され、現在は80以上の自治体が採用している。このクーポンは、寄附した自治体に1泊以上宿泊する旅行に使用できるというもの。WEB予約は苦手という人は、電話予約や店頭での相談もできるのが嬉しい。
お得に実家に泊まるツアーを計画してみよう!
例:東京→北海道(新千歳空港利用)へ3泊4日で帰省する場合
例えば、北海道千歳市にふるさと納税を10万円寄附すると、JTB旅行クーポンが3万円分もらえる。この3万円分を利用して、お得に帰省する方法を考えてみよう。
ダイナミックJTBのツアーパッケージは、往復交通+1泊以上の宿泊で成り立つ。旅行行程中に寄附した自治体に1泊すればいいので、あとは実家に宿泊することができるのだ。
1月5日から8日に東京から北海道へ帰省する場合、5日に新千歳空港へ。この日は空港から徒歩8分のエアターミナルホテル(千歳市)に宿泊。6日、7日は【お客様手配】と書いてあるので、実家に宿泊可能だ。
往復の飛行機はツアーに含まれる。早朝や夜便の方が、追加料金が発生しないことが多く、旅行代金も安く抑えられるのがポイントだ。
往復航空券と1泊の宿泊料金がついて、4万3,900円。そのうち3万円分をクーポン支払いすると、1万3,900円で1人分のチケットは購入できる。
目的地の自治体がクーポンを発行していなくても、隣接している自治体や、経由地の自治体が発行していれば、かなりお得に旅ができること間違いなしだ。
【関西・関東・東北エリア】子連れ旅行におすすめの宿泊券を紹介!
JTBやるるぶトラベルなどの旅行券と違い、特定の宿の宿泊券の場合、気を付けなければならないのが、使用期限内に予約を取れるかということ。週末や子どもの長期休暇など、多くの人が利用したいと考えている時期は、寄附する前に宿に空き状況を確かめたり、先に予約して部屋を確保し、ふるさと納税の宿泊券を使用する旨を伝えておくという流れでもいい。
関西エリア
還元率3割のクーポンを発行している自治体が大多数の中、高還元率の自治体がまだあった。それが、淡路島にある兵庫県洲本市だ。
兵庫県洲本市
洲本温泉利用券
淡路島ビーチリゾートシーアイガ海月
やしま
別亭 華海月
海月館
夢海游 淡路島
淡路島観光ホテル
渚の荘 花季
ホテルニューアワジ
淡路夢泉景
海のホテル 島花
淡路インターナショナルホテルザ・サンプラザ
海月館はウェルカムベビーのお宿として認定を受けているため、赤ちゃん連れ家族には特におすすめ。筆者も昔、この宿を訪れたことがあり、海の幸と展望露天風呂を満喫した。子供を連れて、再び訪れてみたいと思う宿だ。
利用券は『淡路島ビーチリゾート シーアイガ海月』、『やしま』、『華海月』、『海月館』、『夢海游淡路島』、『淡路島観光ホテル』、『渚の荘花季』、『ホテルニューアワジ』、『淡路夢泉景』、『海のホテル島花』、『淡路インターナショナルホテル ザ・サンプラザ』でのご宿泊・お食事・ご入浴等の際に、現地での決済に限りご利用いただけます。
関東エリア
神奈川県三浦市(5万円寄附)
マホロバマインズ三浦 本館1泊2食ペア宿泊券
筆者も何度も訪れているマホロバマインズ三浦の宿泊券は、さとふるやふるさとチョイスなどのポータルサイトの旅行券ランキングで、常に上位に入っている人気の返礼品だ。
こちらの宿は、赤ちゃん連れにもとてもやさしく、ベビールームというワクワクしてしまう部屋が限定1室で用意されている。
宿に確認したところ、追加料金を支払えばこちらの部屋指定も可能。赤ちゃん連れには魅力的だ。また、天然温泉と、水着を着て家族で楽しめる天然温泉スパリゾートもあり、家族で一日滞在できる宿だ。
東北エリア
福島県いわき市(10万5,000円寄附)
スパリゾートハワイアンズ ペア宿泊券(大人2人)
ホテルハワイアンズ A・B日程
前述したウェルカムベビーの宿として認定されているウェルカムベビールームは、限定2室。しかし、通常の部屋でも、ファミリー層をメインターゲットとしているため、一般的な宿泊施設以上に子連れ旅行に優しい。備品の貸し出しには、調乳用ポットや子供用便座、洗面台などにおく踏み台などもある。
筆者が思うスパリゾートハワイアンズの最大の魅力は、宿泊者専用の無料送迎バスが東京、横浜やさいたまなど各地から運行されているという点。宿泊券はふるさと納税を利用し、交通費も無料となれば、とても財布に優しい旅行になる。
人気施設なので、返礼品は早い者勝ち。希望者は急いだほうがよい。
まとめ
旅行券の使用は計画的に!
旅行券を返礼品として選ぶ際は、以下3点を確認したい。
- 旅行券は、郵送されてくるのか。もしくは、クーポン番号などの即日発行か。
郵送の場合は、寄附手続き完了から発送までの日数の目安はどのくらいか。 - 旅行券の有効期限。6か月、1年、2年、無期限など
- 有効期限内に、対象施設の予約が取れるか。確実に使い切れる見込みがあるか。
期限切れになって、結局旅行に行けなかったということにならないように、しっかり計画して、楽しい時間を過ごしていただきたい。
◆小嶋彩葉(フリーライター)
医療系広告代理店の勤務を経て、編集兼ライターとして独立。ふるさと納税関連本の編集にも携わり、のべ100以上の自治体を取材。また、2児の母として、育児に奮闘中。