僕の焼き塩バナナは「毎日食べてヘルシー!」といったレシピではないかもしれません。けれど僕のレシピのなかで人気ランキングをつけるなら、5本の指に入るくらい、大反響をいただいています。食べたいと思ったら、今が作りどきです。【解説】リュウジ(料理研究家)
解説者のプロフィール
リュウジ
料理研究家。「今日食べたいものを今日作る!」をコンセプトに、インターネット上の短文投稿サービス・ツイッターで日夜更新する「簡単・爆速レシピ」が人気を集める。フォロワー数は2019年7月現在、80万人を突破。企業とのコラボレシピも多数。近著に『容器に入れてチンするだけ! ほぼ1ステップで作れるレンジ飯』(KADOKAWA)がある。
瞬く間に広がった大反響の人気レシピ
皆さん、こんにちは!料理研究家のリュウジです。
以前、登場した際には、湯通しした「無限キャベツ」のレシピを紹介させてもらいました。大変好評だったと聞き、うれしく思っています。
別記事:リュウジさんの「湯通し」レシピを大公開→
僕は、ツイッター(インターネット上の短文投稿サービス)などで、誰でも簡単に作れるレシピを毎日のように発信しています。今回ご紹介する「焼き塩バナナ」も、その一つです。
このレシピは、料理本の制作中に、担当編集者の「デザートの枠が欲しい」というリクエストに応じて、打ち合わせの場で考案しました。作り方は、下にあるとおり、超簡単です。
僕のレシピは、頭の中でひらめいたアイデアを組み立てるところから始まります。撮影現場で試作し、「一発OK!」で完成するケースがほとんどです。焼き塩バナナのときも、そうでした。
僕は甘みの強いデザートは苦手で、果物もあまり食べないほうですが、バナナはよくレシピに使います。バナナにひと工夫加えたかったのですが、砂糖を足すのは避けたい。そう考え始めると、「バナナにバターの塩気をきかせたらどうか」「仕上げに塩を振ったら、さらにおいしくなるはず」と、次々にアイデアが湧いてきます。
撮影現場で、焼き塩バナナを作ったところ、スタッフが「おいしい!」と大絶賛。あっという間になくなりました。
こうしてできたレシピを、ツイッターで「これほんと試してほしいんですけど」と紹介しました。すると、フォロワー(登録読者)さんの間で話題になり瞬く間に広がったのです。
おかげさまで、僕のレシピのなかで人気ランキングをつけるなら、5本の指に入るくらい、大反響をいただいています。
リュウジさんの焼き塩バナナの作り方
【材料】
・バナナ…1本 ・片栗粉…適量
・バター…5g ・オリーブオイル…小さじ1
・塩…少々
【作り方】
❶バナナは幅1cm程度の斜め薄切りにして、片栗粉をまんべんなくまぶす。
❷フライパンにバターとオリーブオイルを熱し、(1)を両面焼く。
❸塩を振りかけて完成。
加熱すると甘くなり塩を振るとより引き立つ
健康意識が高い層の皆さんは、焼き塩バナナのレシピを見て、「バターもオリーブオイルも使うなんて!」と思われるでしょうか。
けれども、ここで油脂分を減らすと、バナナにはたいた粉に油が均一に回らず、うまくいきません。バターの焦げた香りやこんがりした見ためもおいしさの要素で、油を減らすと、衣に焦げめがつきにくくなってしまうのです。ここは躊躇せずに、油を使ってください。
バナナは、やわらかい物だとひっくり返すときに形が崩れてしまいます。加熱することで甘くなるし、塩を振るとより甘みが引き立つので、あまり熟していない物でも大丈夫です。
僕の焼き塩バナナは、「毎日食べてヘルシー!」といったレシピではないかもしれません。 けれども、僕が最も大事にしているのは「今日食べたいものを今日作る!」というコンセプトのとおり、自分が食べたいと思う料理を自炊すること。
僕は、高校生のころ、母が体調をくずしたのを機に、料理をするようになりました。だから健康の大切さは、よくわかっています。自分で料理すれば、調味料を調整でき、好みの味が見つかる。まずはおいしく食べることが、健康につながります。
スナック菓子を使ったジャンキーなレシピも考案しますが、そうした料理ばかり食べ続けることはできないでしょう。自然と、野菜をたっぷり食べたくなるはずです。体が食べたいと思う料理を自分で作れれば、それがいちばん。「自炊人口」を増やすのが、最終目標です。
焼き塩バナナも、食べたいと思ったら、今が作りどきです。もし家にバナナがあったなら、早速お試しください!