【岡江美希さんのスキンケア】化粧品や化粧水より「食」にこだわり 豆乳やヨーグルトが効果的

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私は、日本初のニューハーフ美容研究家で、化粧品の開発やエステティックサロンの経営をしながら、全国で美容カウンセリングや肌のお手入れに関する講演会、美容セミナーなどを行っています。
「美の追求」は、私の生涯をかけたテーマ。いまも日々、美しくなるための方法を研究し、実践しています。これまで経験してわかったことは、食と美は切っても切れない関係性を持っており、どちらかが欠けると美しくなることはできず、健康にもなれない、ということでした。

解説者のプロフィール

岡江美希(おかえ・みき)

1971年生まれ、兵庫県出身。ニューハーフ美容研究家、料理研究家。幼いころから、世界一の美女”に憧れ、18歳で女性として生きていくことを決意。ショービジネスの世界で活躍後、事業家に転身。広告代理店や飲食店の経営を経て、2003年、化粧品会社「株式会社トリプルサン」を設立。美容研究家として、ドクターらと研究を重ねたオリジナルコスメのプロデュースなどを行っている。また、2016年から料理教室「EporaBeautyKitchen」を主宰。自ら、美と健康を追求した料理を教えている。著書に『美しすぎるニューハーフ料理研究家の「お釜ごはん」』などがある。
▼岡江美希オフィシャルブログ

美容家の私が「食」に目覚めたワケ

「世界一の美貌」を求めてニューハーフに

美しい女性になりたい―。それが、幼いころからの私の夢でした。

子どものころ、最初に憧れた理想の女性は、アニメ『銀河鉄道999』のヒロイン、メーテル。
切れ長の大きな瞳に長いまつげ、憂いを含んだ表情、ほっそりとしたスタイルに「大人になったらメーテルのような女性になりたい!」と憧れたものです。

「絶世の美女」「世界一の美貌」といったフレーズに激しく反応し、「世界三大美女」と呼ばれるクレオパトラ、楊貴妃、小野小町にも興味深々。
美しい女優やモデルさんの写真をうっとり眺めたり、母の口紅をこっそり拝借して鏡の前で化粧の真似事をしたりと、美女への憧れは膨らむ一方でした。

しかし、私は兵庫県の淡路島で「男の子」として生まれました。
子どものころは、「大きくなったら自然と女の人になるだろう」と思っていましたが、成長するにつれて、現実はそうならないことがわかってきます。

心はまるっきり乙女で、少女マンガやお菓子作り、キレイな洋服やピアノなど女の子っぽいものが大好きなのに、体は男の子のまま。
それどころか、思春期に入るとニキビに悩まされ、体はゴツくなっていき、理想であるメーテルからどんどん離れていきます。

「美しい女性になりたい」という気持ちと、現実の自分の姿とのギャップに苦しみ、この先どんなふうに生きていけばいいのかと悩み続けた私は、親の監視の目から離れたくて18歳で実家を飛び出します。

そして、大阪でバーテンダーとして働き始めたとき、新しい世界が開けてきたのです。

大阪の夜の仕事で、私は多くのニューハーフと出会いました。
彼女たちはこの世のものとは思えないほど美しく、「男として生まれても、努力次第であんなにキレイになれるんだ!」と驚き、勇気をもらいました。

とはいえ、当初は「親からもらった体にメスを入れ、姿やかたち、ましてや性別まで変えるなんて、そんな親不孝なことはしてはいけない」という思いもあり、「自分は絶対にニューハーフになってはいけない」と、堅く心に誓っていました。

けれども、「美しくなりたい」「彼女(ニューハーフ)たちに負けたくない」という思いに抗えず、その誓いはあっけなく崩れてしまいます。
1年もたたないうちに私は豊胸手術を受け、「岡江美希」として新たな人生のスタートを切ることになるのです。

その後、大阪の高級歓楽街・北新地の店でナンバーワンに上り詰めた私は、22歳で上京。
性別適合手術で女性の体を手に入れ、ニューハーフ・ショーが売りの六本木の有名店でメインダンサーも務めました。
でも、私はダンスがあまり好きになれず、ニューハーフは性のあり方であって職業ではないという思いもありました。そこで夜の世界を離れ、自分でビジネスを始めることにしたのです。

25歳からの肌地獄

「世界一の美貌」を追い求め、メイクの技を磨いた私は、自分でいうのもなんですが、夜の世界にいたころは若さと美貌を誇っていました。
周囲から「キレイだね」「美人ね」とチヤホヤされ、自分の美は永遠に続くとうぬぼれていました。

ところが25歳になると、肌トラブルが一気に噴出。
顔面崩壊といっていいほど、肌がボロボロになってしまったのです。

当時の私は、広告代理店を経営していましたが、生活は不摂生の極み。
愛煙家のうえにヘビードリンカーで、1日にビール3本とワインを1本、さらにウイスキーを2日で1瓶空けていました。
食事は外食グルメ三昧で、夜遊びも大好き。そんな快楽におぼれる毎日を過ごしているうちに、毛穴が開き始め、昔つぶしたニキビの跡がシミになって浮き出してきたのです。

大きなニキビ跡はクレーターのように陥没し、肌がボコボコに。
そのうえ脂浮きがひどくなり、化粧もちが悪くなり、夕方には肌が真っ黒といっていいくらい、暗くくすんでしまうようになりました。

さらに、女性らしい体になるために、以前、打っていた女性ホルモン注射の影響で、目元に肝斑(おもに30代~50代の女性に見られる左右対称なシミ)が現れたのです。
肝斑は、次第に目元全体に広がっていき、強力なコンシーラーでも隠し切れないほど、濃いシミになっていきました。

どんなにメイクをしてもごまかせないボロボロ肌に悩んだ私は、エステに救いを求めます。

最初のうちはエステで集中ケアを受けると、確かに、一時的には肌の状態がよくなりました。
しかし、初めはカンフル剤のように効いたエステも、続けるうちに効果が薄れていきます。
それから私のエステ放浪が始まりました。「このサロンがいい」という評判を耳にすると、即座にサロンに駆け込み、お金を湯水のように使い、マッサージやパックなど、さまざまな施術を受けました。

さらには、エステだけでは飽き足らず、世のありとあらゆる高級コスメを買いあさるようになります。
週1回のエステに加え、1本数万円もするような高級クリームや美容液を一生懸命、肌に塗り込みました。当時は給料の半分近くが美容代に消えるほど、エステと化粧品にお金をつぎ込みました。

それなのに、肌の状態はよくなるどころか、悪化の一途をたどっていきました。
これは、私の生活が忙しくなったことも影響しています。

私は27歳のとき、昼間の広告代理店の仕事と並行して、貯金をはたいて六本木にレストラン&バーを開業しました。
もともと料理が好きで、飲食店をやりたいという夢を一度は叶えておきたいと思ったのです。

当時の私の生活は、朝10時か11時には出社して仕事をしたあと、夕方6時か7時に会社でメイク。夜8時には店に出勤し、そのまま明け方の4時、5時まで店に出ていました。

そんなハードな生活を続けていれば当然、肌はボロボロになります。
メイクを落とすと肌は真っ黒にくすみ、毛細血管が赤く浮き出て、毛穴はさらに開き、たるみも隠せず、ひどい形相になっていました。
疲れてメイクを落とさずに寝てしまうと、翌朝、さらに悲惨なことになります。
顔が腫れ上がるだけでなく、真っ赤になって痛がゆく、ポツポツと吹き出物まで出てしまいます。

30歳ごろの私の肌は、自分史上、最悪の状態でした。
初めてのお客様に「何歳に見えますか?」と聞くと、実年齢よりも若く見られることは皆無。「37歳」「41歳」という答えが返ってきて、打ちのめされました。

美容研究家・岡江美希の誕生

「美しくなりたい」という願いは人一倍強いのに、高価なエステや化粧品で毎日必死にケアをしているのに、顔は老け込んでいく一方……。
そんな肌地獄から抜け出すきっかけとなったのが、ある医師との出会いでした。

そのドクターは、がんの専門医として高名でしたが、内科や皮膚科にも詳しく、アトピー肌向けの化粧品の研究もされていました。
先生に肌の悩みを相談したり、皮膚の構造や皮膚医学の基本的な考え方を教わったりと交流を深めるうちに、ある日、先生から「一緒に化粧品を作ってみないか?」と提案を受けました。
「ドクターとニューハーフが開発した、日本で初めての化粧品を作ろう!」と。
このひと言で私の胸には再び、「世界一の美貌を手に入れたい!」という野心が燃え上がったのです。

ほんとうに肌にいい化粧品とはどんなものか。
どのようなお手入れをすれば、美肌が手に入るのか。
私は猛勉強を始めました。
ドクターから皮膚再生や美容成分についての最新の知識を学ぶとともに、ありとあらゆる美容関係の本や美容事典を読みあさったのです。

化粧品開発に打ち込むために、レストランを閉店。ほかの仕事もほとんど整理して、美容の研究に全精力を注ぎました。
皮膚や化粧品に関する知識が頭に入ってくるたびに、私の目からはウロコがポロポロと落ちていきました。
とりわけショックだったのが、私がボロボロの肌をなんとかしたくてやってきたお手入れのほとんどが、実は逆効果だった!という事実でした。

ほんとうに肌にいいものは何かを真剣に考えた私は、高級エステもコスメもやめ、日ごろのスキンケアの方法と食生活を、根本的に改めました。

健康な肌を取り戻す基礎化粧品と、美肌づくりに役立つお手入れ、美容と健康によい食事を、自分の肌と体を実験台に試し始めたのです。

すると1年後には、どす黒くくすんだ肌が白くなり、乾燥肌とオイリー肌が改善し、シミやニキビ跡のデコボコが目立たなくなり、開いていた毛穴は引き締まり、若いころの美肌がよみがえってきたのです。

こうして肌地獄からの出口が見え始めたとき、私には新たな夢が生まれました。
それは、美容研究家になることです。

間違ったお手入れと不摂生な生活で自分の肌をボロボロにしてしまった私の教訓。
自らの体験で得た健康な美肌を手に入れるためのほんとうに正しい美容法。
そして、どんな肌質の人でも自分の努力次第で肌はよみがえり、みずみずしく若々しい肌を取り戻すことができるということを、多くの女性たちに伝えたい―。
そんな思いから、私は美容研究家として生きることを決意したのです。

以来、私は講演会や美容セミナーなどをとおして、皮膚やコスメについての知識、美人肌を作るための正しいお手入れ方法、美しく健康な肌と体を保つための生活習慣や食事についてお話ししたり、テレビや雑誌、ブログなどで、美容について情報発信を行ったりしています。

美容研究家としての活動とともに、プライベートで日々続けているのが、美を手に入れるための努力です。
年齢を重ねるにつれて、シワやたるみ、シミ、くすみなど、肌の悩みも増えてきます。
老化に負けない、永遠の美を手に入れたい!

そんな思いで、私は自分の肌と体でさまざまな美容法を実践し、「岡江流美容法」を進化させているのです。

豆乳で美肌に

ボロボロの地獄肌から抜け出すために、私が実践したことは2つ。
スキンケア化粧品と肌のお手入れ方法を根本から見直したことと、食生活の根本的な改善です。

まず、タバコをやめました。
大好きなお酒はやめることはできませんが、飲む量はなるべく控え、外食三昧だった食事を自炊中心に切り替えたのです。

もともと料理は大好きで、レストラン経営時代に和食を勉強したので、ひととおりの料理知識と調理技術は身についていました。
そこで、「肌や美容にいい」と耳にした食べ物や食事法を片っ端から試し始めたのです。

すると、肌の状態も劇的によくなっていくことを数多く経験しました。
食べ物の美肌パワーを初めて実感したのは、豆乳です。

豆乳に注目したきっかけは、銀座のクラブのママさんから聞いた、こんな口コミでした。

「目を疑うほどの美肌を持った中国人女性がいるんだけど、彼女に『どんな肌のお手入れをしているの?』と聞いたら、『肌の手入れは何もしていなくて、温めた豆乳を毎朝カップ1杯飲んでいるだけ』っていうのよ!」

当時、わらにもすがりたかった私は、早速翌日に豆乳を購入。温めて飲んでみました。しかし、私には合わなかったのか、口に入れた途端に全部噴き出してしまいました。それでも、噂にあやかりたくて、なんとか飲める豆乳を見つけ、毎日飲み続けました。

そうして2ヵ月ほどたったころ、鏡を見て私はあることに気づきました。
それは、肌の赤みがほとんどなくなっている、ということです。
しかも、色が白くなり、なんとなくうるおって、毛穴もあまり目立たなくなっていました。

さらに驚いたのが、メイクをしたまま寝てしまっても、翌朝、肌が腫れていなかったことです。
半年ほど豆乳を飲み続けると、肌はいつもプルンとして、水を弾くようになっていました。
「食べ物や飲み物の効果が、こんなにも肌に現れるんだ!」と初めて知った瞬間でした。

食べ物には薬のような即効性はありませんが、コツコツと継続してとり続けていると、体の内側から肌がキレイになり、トラブルに強い肌に生まれ変わっていきます。
そのことに気づいた私は、ますます食べ物と食事に対する関心が高まり、美容と健康によい食事を追求していくようになったのです。

鮭でリフトアップ

食べ物のパワーに感動した体験を、もうひとつお話ししましょう。
基本的においしいものとアルコールが好きな私は、食べすぎ・飲みすぎに陥りがち。
しかも、もともと太りやすい体質で、運動は大嫌いときているので、怠惰な生活が続けば当然、ジワジワと体重が増えていきます。
「もうヤバい!」と一念発起してダイエットに挑戦するものの、結局それほど体重は落ちなかったり、すぐにリバウンドしたりして、失敗をくり返していました。

そんな「ダイエット難民」を続けていた私は、32歳のとき、あるダイエット法と出合います。
それは、アメリカの皮膚科医で抗加齢(アンチエイジング)医学の権威といわれるニコラス・ペリコーン博士が提唱する美肌&ダイエット・プログラムです。

ペリコーン博士のダイエット法は、細かいルールはいろいろありますが、基本は高たんぱくで低カロリー、老化の元凶となる活性酸素(体内で発生する毒性の強い酸素)を消去する抗酸化成分が豊富な食事をとること、そして毎日、1~2切れの鮭を食べることを強く推奨していました。

なぜ、鮭がおすすめなのか。
ペリコーン博士の著書を読むと、鮭にはたんぱく質が豊富なうえ、鮭の赤い色素成分であるアスタキサンチンは、ビタミンEの1000倍もの抗酸化力があり、紫外線を浴びたときに肌の中で発生する活性酸素を除去する働きに優れているといいます。

それ以上に私の目をひいたのは、鮭には美肌成分のDMAE(ジメチルアミノフェタノール)という成分が豊富に含まれており、鮭を食べると美肌になるだけでなく、筋肉を若返らせて肌をリフトアップさせる効果まである、という情報でした。

いくらやせても、美しくならなければ意味がありません。
やせたけれど、肌はガサガサでシワシワ、顔や胸がたるんで垂れてしまった、というのはごめんです。
シミ、シワ、たるみが消えて肌が若返り、ダイエット効果もある食事法という点に魅力を感じ、私は早速、ドクター・ペリコーン式のダイエットに挑戦しました。

結果は、1ヵ月でなんと7kgもの減量に成功。
普通、30歳をすぎて、短期間で7kgも体重を落とせば、たいがいの人は肌がたるんでしまいます。ところが、私は鮭を毎日食べていたおかげで、顔や体がまったくたるむことなく、逆に顔が引き締まって以前よりも若く見られるようになったのです。鮭の効果恐るべしです。

その経験から、私は少しウエイトオーバー気味かなと思ったときは、デパートで北海道産の新鮮な鮭をまとめ買いして、1~2週間ほど毎日食べ続けることにしています。
すると、スッキリやせることができるうえ、肌もリフトアップして、一石二鳥。私にとって鮭は心強い秘密兵器になっています。

コラーゲンで肌プルプル

肌のハリと弾力を保つうえで重要な働きをしているのが、コラーゲンです。
コラーゲンはたんぱく質の一種で、人体を構成するたんぱく質のうちの約30%をコラーゲンが占めており、細胞と細胞の間を埋める接着剤のような役割を果たしています。

コラーゲンは、私たちの体内で常に新陳代謝を繰り返していますが、年齢とともに新しいコラーゲンを作る働きが衰えていきます。
コラーゲンが不足すると、肌が荒れやすくなる、ハリが失われる、シワやシミが増えるほか、白髪が増える、骨粗しょう症や関節炎になりやすくなる、軟骨が柔らかくなり水がたまる、体が疲れやすくなるなど、さまざまな不調につながります。

コラーゲンは美肌作りのカギとなる成分ですから、どうすれば効率よくコラーゲンをとることができるのか、あれこれ模索してきました。
市販のサプリメントやコラーゲンドリンクの類も、たくさん試してみました。

でも、いまいち効果を実感できなかったのです。
たとえば、こんなこともありました。

あるとき仕事の関係で、粉末コラーゲンのサンプルを1kgほどいただいたのです。
それは、体内に吸収されやすいように分解された、低分子のコラーゲンでした。
せっかくの機会なので、とりすぎなくらい大量に摂取してみようと思い、コラーゲンを1日大さじ2杯飲んでみましたが、まったく効きません。
さらに量を増やして一度に大さじ3杯、4杯と飲んでみても、一向に効果は感じられませんでした。

そんなとき、久々に焼肉店で豚足を食べる機会がありました。
すると翌朝、びっくりするほど肌がプルプルになっていたのです。
その後、再び粉末の低分子コラーゲンを1日6杯とってみましたが、豚足を食べた翌朝のような変化は、まったく起こりませんでした。

なぜ、このような違いが現れたのか。
考えた末に、私はこんな結論に達しました。

もともとコラーゲンは、たくさんのアミノ酸やペプチドが結合した高分子たんぱく質。
豚足や牛すじ、鶏の手羽先など食べ物に含まれているコラーゲンは、天然のかたちのままです。

食べ物に含まれている高分子のコラーゲンは、まず体内でバラバラに分解され、アミノ酸になります。そのアミノ酸が体内に吸収され、必要に応じて自分の体のコラーゲンとして再構築されます。

一方、低分子のコラーゲンは、体内に吸収されやすいように、あらかじめバラバラに分解されています。この、自分の体で栄養素を分解してから吸収するというプロセスの有無が、効果の違いとなって現れると考えられます。

ジグソーパズルに例えると、話がわかりやすいかもしれません。
ジグソーパズルは、バラバラのピースを組み合わせて作るのは大変ですが、完成したパズルをいったんバラバラにしてから再トライすると、グッと難易度が下がります。

これと同じ原理で、自分の体で分解した栄養素は、元の完成品の青写真があるので、分解したあとに再構築しやすいのです。
つまり、自分の体で分解した栄養素は身になりやすい、ということ。
最近の研究によると、食べ物からコラーゲンをとると、体内でコラーゲンの生成を促すシグナルが増えるため、分解と吸収の動きが活発になるそうです。

だから、体内のコラーゲンを増やしたいときは、加工された低分子コラーゲンのサプリメントをとるよりも、食べ物から天然のかたちのままの高分子のコラーゲンを補給するほうが、はるかに効果的。豚足やフカヒレを家庭で料理するのは大変ですが、牛すじや鶏の手羽先などは調理も簡単で、コラーゲンもたっぷり。コラーゲンは魚の骨や皮、内臓にも豊富に含まれており、ウナギ、アナゴ、カレイ、シシャモ、アジ、イワシ、エビ、イカ、タコなどの魚介類にも多く含まれています。

これらのコラーゲン食材を積極的にとることが、ハリのあるプルプル肌への近道になるのです。

食生活で便秘解消

便秘は美容と健康の大敵。
これはもう常識でしょう。
しかし、残念ながら、私は、子どものころからかなりの便秘症でした。
20代の後半までは、ずっと便秘薬や漢方に頼ってきましたが、だんだん体がだるくなり、肌の調子も悪くなっていたのです。

毎朝スムーズにお通じがあるとはいえ、薬の力で無理やり腸を刺激して出していると、腸内の悪玉菌と一緒に、善玉菌まで出て行ってしまうようです。
そのため、腸内環境が悪化して、いつも体がだるい、眠い、顔色もさえないといった不調を招いていました。

そこで私は、長年の便秘解消のために生活リズムを整えるとともに、腸内環境がよくなるように食生活を改めることにしました。

まず、朝食の定番に取り入れたのが、ヨーグルトです。
ヨーグルトなどの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を改善する作用があり、お通じの改善に役立ちます。

また、腸内環境を整えて便通をよくするには、高たんぱく・低カロリーで、ミネラルやビタミン、食物繊維たっぷりの食事が大事です。そこで私は、食物繊維が豊富な食材を積極的にとることにしました。

キノコ類、ゴボウなどの根菜類、青物野菜、こんにゃく、ところてんなど、食物繊維が豊富な食べ物はたくさんあります。食物繊維に加えて、ミネラルも豊富なわかめや焼き海苔などの海藻類も、食卓に欠かせません。納豆やキムチなどの発酵食品も、意識してとるようにしました。

食物繊維たっぷりの食生活を続けるうちに、おなかの調子を整えることに成功。便秘薬に頼らなくても、毎日すんなり出るようになりました。食物繊維をたくさんとると満腹感があるので、太る心配もありません。

こうした食生活に切り替えていちばん驚いたのは、肌の変化です。
私は30歳をすぎてから、夜遊びで疲れてメイクをしたまま寝てしまったりすると、翌朝いつも悲惨な事態になっていました。
顔が腫れ上がるだけでなく、真っ赤になって痛がゆく、ひと晩で吹き出物までポツポツと現れます。

ところが、食生活を変えた途端に、それらのトラブルがまったく出なくなっただけでなく、夜遊びの翌日でも、メイクがキレイにのるのです。
要するに、腸内環境が整ったことで肌も元気で丈夫になり、「肌体力」が強くなったのです。
「肌は腸の状態を映し出す鏡」といわれますが、その言葉どおり、キレイな腸はそのまま美肌につながっていることを実感しました。

「食」が「美しさ」に直結する

「美」を追求するうえで、「食」という要素は欠かせません。
美しく健康的な体と体型を手に入れる(ダイエット)。
元気で丈夫な肌や髪を育てる。腸内環境を整えて体を内側からキレイにする。
これらを実現するには、「なにをどのように食べるか」という食事の問題が大きく関わってきます。

そこで私は、講演会や美容セミナー、ブログや著書などで、食の大切さや美しく健康になるための食べ物や食事、おいしいものを食べながらキレイになっていくコツなどについても、熱心に語ってきました。
でも、残念ながら、そのメッセージはあまりお客様や読者の皆さんに届いていないようにも感じていました。

私が見る限り、美容に熱心な人は全般的に食に対する関心が薄く、反対に、食にこだわりのある人は美容のことなんてどうでもいい、と思っている人が多いように見受けられます。

化粧品や美容のことを知りたくて私の話を聞きに来てくださるかたは、私が食の話をしても「いい話を聞いた」と話を聞くだけで、満足して終わってしまい、ご自身の食生活を見直したり、食べ物や食事を変えたりと実際に行動に移すことが少なかったのです。

そこで私は、2016年から料理教室を始めました。
おいしくて美しくなれる料理はどうやって作るのか、どんな味なのか、実際に目で見て味わっていただきたいと思ったのです。
安全で安心な食材の選び方や、下処理の方法などの具体的な情報も、料理教室という場であれば、より伝わりやすいと思いました。

こうして始めた料理教室は大好評で、何度も通ってくださる参加者も少なくありません。
「これだったら私も簡単に作れる」と自宅で実践される人も多く、「肌のトラブルが減った」「ダイエットに成功した!」といった喜びの声も多数いただいています。
料理教室の参加者の感想でいちばん多いのが、「家族から『おいしい!』と絶賛された」という声です。

私が皆さんにお教えするレシピは、心から「おいしい」と自信を持っておすすめできる料理ばかり。もちろん、栄養や健康面もしっかり考慮し、食材に含まれる栄養素や薬膳の考え方なども取り入れて、体の中から美しく健康にする美容レシピに仕上げています。

私は「自分でおいしい料理を作ることができる」人になることは、外見的な美しさだけでなく、内面の美しさや心の豊かさを育むうえでも非常に大切だと考えています。

食は、人生の大きな喜びです。
おいしい料理を作ることができる人は、自分で自分を幸せにすることができ、おいしい料理で周囲の人たちを喜ばせ、幸せにすることができます。

人生をかけて「美」を追求してきた私ですが、年齢を重ねるにつれて、いつまでも美しくあるためには、その人の内面からにじみ出る美しさがなくてはいけないことが、身にしみてわかってきました。

食は、生きることの基本です。
自分で料理を作ることは、食を大切にすること、丁寧に生きることを大事にすることにつながります。

そうやって丁寧に生きてきた人は、表情やたたずまい、話す言葉からも、内面からにじみ出る美しさが感じられるはずです。
だからこそ、ほんとうの意味で美を追求するうえで、食は欠かせない要素。
私は、これからも食の大切さを伝えることに力を入れていきたいと考えています。

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◆岡江美希(おかえ・みき)
1971年生まれ、兵庫県出身。ニューハーフ美容研究家、料理研究家。幼いころから、世界一の美女”に憧れ、18歳で女性として生きていくことを決意。ショービジネスの世界で活躍後、事業家に転身。広告代理店や飲食店の経営を経て、2003年、化粧品会社「株式会社トリプルサン」を設立。美容研究家として、ドクターらと研究を重ねたオリジナルコスメのプロデュースなどを行っている。また、2016年から料理教室「EporaBeautyKitchen」を主宰。自ら、美と健康を追求した料理を教えている。著書に『美しすぎるニューハーフ料理研究家の「お釜ごはん」』などがある。

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