原因不明の股関節痛は「骨キワほぐし」で改善!血流をよくし微細な骨のずれを矯正する

美容・ヘルスケア

股関節痛の多くは、血流をよくしてごくわずかな骨のずれを正しさえすれば、比較的簡単に改善させることが可能です。変形性股関節症と診断された人でも、血流をよくすれば、変形そのものは治らなくとも痛みはかなり和らぐはずです。その方法としてお勧めするのが「骨キワほぐし」です。【解説】権正広幸(棒術整体館しなやかフォルティ院長)

解説者のプロフィール

権正広幸(ごんしょう・ひろゆき)
1959年、大阪府生まれ。97年、大阪府守口市にて整体師として開業。中学時代から武道を学んでいた経験を活かし、2012年に従来の整体術に自ら開発した棒術のテクニックを加えた画期的な施術法「棒術整体」を発表。現在は棒術整体館しなやかフォルティ院長として、大阪を中心にセミナー、講習会を開催している。著書に『足の骨キワをほぐせば、足腰の痛みが消える』)主婦の友社)がある。

微細な関節のずれを正せば痛みが改善できる

痛みの根本原因は、一言で言うと「血流の悪さ」です。血流が悪いと、細胞に必要な酸素や栄養素が行き届かなくなります。また、不要なものが回収されず、疲労物質や老廃物がたまります。それが、痛みやしびれの原因になるのです。

そして、病院で骨に異常がないと言われたにも関わらず、腰やひざ、股関節に慢性的な痛みやしびれがある人は、私の経験から見ると、8割がた、関節にごくわずかなずれが生じています。レントゲンにも写らないほどのほんの少しのずれなので、病院では「原因不明」と言われるのです。

生まれ持った骨格や、体の使い方の癖によって、骨にわずかなずれが生じると、一定の筋肉に負担がかかって硬くなります。すると、血流が悪くなり、痛みへとつながっていくのです。

これはもちろん、股関節痛にも言えることです。股関節痛の多くは、股関節の骨が内側に入り込むようにずれているか、その逆の外側にずれているかのどちらかです。強い衝撃などがない限り、上下にずれることはほとんどありません。

股関節の骨が内側にずれていると太ももの外側、股関節の骨が外側にずれていると太ももの内側に痛みが現れます。また、股関節の骨がずれると、お尻や太もも前面の血流が悪くなるため、その辺りに痛みやしびれが起こる人もいます。

いずれにしても、血流をよくして、ごくわずかな骨のずれを正しさえすれば、原因不明の痛みは比較的簡単に改善させることが可能です。

もちろん、変形性股関節症と診断された人でも、血流をよくすれば、股関節の変形そのものは治らなくとも、痛みはかなり和らぐはずです。

その方法としてお勧めするのが、私が考案した「骨キワほぐし」です。

骨の際には重要な組織が集まっている

骨の際には、血管、腱、靭帯、筋肉など、重要な組織が集まっています。

骨の際をほぐすと、硬くなった筋肉がゆるみ、血流もよくなります。その結果、腱や靭帯にも栄養が行き渡り、可動域が広がって痛みを取るのを助けたり、関節の動きをよくしたりすることにつながるのです。

股関節痛はもちろん、どんな痛みでもまず最初にやっていただきたいのは、「足指の骨キワほぐし」です。

最初に述べた通り、痛みの原因は血流不良です。痛みのある人の99%は、血液循環が悪くなっています。施術前に患者さんの手足に触れると、痛みが強い人ほど、血流の悪さから冷えも強くなっているものです。

そこで、手っ取り早く全身の血流をよくする方法が、足指の骨キワほぐしというわけです。

二足歩行をする私たちは、重力の影響でどうしても下半身に血液がたまりがちです。特に足先は、心臓から流れてきた血液が戻っていく折り返し地点で、血管も細いため、流れが滞りやすい部分です。この部分にたまった老廃物を流してやれば、一気に血液が流れ出し、全身の血流がよくなるのです(詳しいやり方は下記)。

足指の骨キワほぐしで全身の血流不良を解消!

行うと痛みが和らぎ歩くスピードがアップ!

足指の骨キワほぐしで血流がよくなったら、次は「股関節の骨キワほぐし」です。

ずれている方向に関わらず、足を内側と外側にパタンパタンと倒しながら、鼠径部をよくほぐします。

この骨キワほぐしは、股関節周りを柔らかくするとともに、わずかな骨のずれを矯正する効果もあります。軽度なずれなら、一度で治ってしまうこともあります。まじめに1週間続ければ、ほとんどの人は効果を実感できるでしょう。

ただし、耐えられないほどの激痛があるときは、いずれの骨キワほぐしもやらないでください。炎症が治まるのを待ってから始めましょう。

それ以外は、人工股関節が入っている人でも、やって問題はありません。病院での治療と並行して行うこともできます。

実際、骨キワほぐしを行っている人工股関節が入っている80代の女性がいます。この方はちょっと距離を歩いたり、冷えたりすると痛みが出てしまうのですが、私の元へ来て骨キワほぐしを行うと、痛みが和らぎ、スタスタと歩くスピードがアップして帰られます。

なお、片方の股関節の痛みが引いたら、もう片方が痛み出すというのも、よくあることです。その場合は、新たに痛み出した方の股関節も、骨キワほぐしでゆるめます。

そうしているうちに、次第に骨盤全体が安定し、左右のズレが揃ってきて、痛みが再発しにくくなります。骨キワほぐしは、痛みの改善、ひいては全身を整えることに役立つのです。

「骨キワほぐし」のやり方

足の骨キワほぐし(準備運動)

床に座り、片方の太ももの上にもう片方の足を乗せる。
足の指を1本ずつ回してほぐす。

右の写真の色の濃い部分を、両手の親指で滑らせるように1分間押しもむ。
*色の部分は特に老廃物がたまりやすいので、念入りに押しもむ。

床に座り、軽く片ひざを立てる。足の甲側の小指と薬指の間、親指と人さし指の間の骨の際に両手の親指の腹を当て、気持ちいい強さで押し滑らせるように1分ほどもみほぐす。
*もんでいるうちに、ゴリゴリとした硬い感覚や、ジャリジャリとした砂のような感覚が出てきたら、それを押しつぶすようにほぐす。
*クリームなどを付けて、指を滑らせるようにするとやりやすい。
反対の足も同様に行う。

股関節の骨キワほぐし (1)

床に座り、痛みのある方の足を、あぐらをかくようにして曲げる(写真は右の股関節が痛む状態)。ひざは床につかなくてもよい。

右手の親指で鼠径部を押しながら、ひざを上げ下げする。親指の位置を3ヵ所ぐらいずらして、ひざの上げ下げを3〜5分くり返す。

股関節の骨キワほぐし (2)

床に座り、痛みのある方のひざを立てる。手の親指で鼠径部の痛む部分を押しながら、ひざを外側にパタンと倒して、戻す。これを10回以上くり返す。
*ひざを倒すのは動かせる範囲内で構わない。
*手の親指は、痛みのある部分を延ばすように意識して押し込む。

股関節の骨キワほぐし (3)

床に座り、痛みのある方のひざを立てる。手をひざの外側に添え、ひざを内側に倒すように押して、戻す。これを10回以上くり返す。
*ひざを倒すのは動かせる範囲内で構わない。

この記事は『安心』2019年10月号に掲載されています。

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