数あるタスク管理アプリのなかでも特に人気が高いのが、Googleの「ToDoリスト」だ。スマホ向けに無料アプリを提供するほか、ブラウザーからもアクセスできるなど、プラットフォームを問わず利用可能だ。今回は、そんな便利な「ToDoリスト」の使い方をわかりやすく解説していく。
「Google ToDoリスト」とは?
会議や出張、プレゼンなど、日時が明確に決まっている「予定」とは違って、仕事や買い物、各種料金の支払いなど、「~日(時)までやればいい」という「やるべきこと」はスケジュールとして扱いにくいものだ。
例えば、やるべきことの内容によっては「なるべく早め」や「2~3ヵ月以内くらい」「いつでもいい」といった具合に期限すら漠然としている場合もあるだろう。また、一応の期限があっても早めに処理してしまったり、逆に間に合わなかったりすることもあるし、こうなると一般的な予定表ではなかなか対応するのが難しいはずだ。
そんな厄介な「やるべきこと」を専門に管理するために生まれたのが、いわゆる「タスク管理アプリ」だ。「忘備録」や「ToDoリスト」と呼ばれることもあるが、基本的には内容は同じで、やるべきことをリスト化して管理できる。
Google「ToDoリスト」でできること
タスク管理アプリには様々な種類があるが、とりわけユーザー人気が高いのがGoogleの「ToDoリスト」だ。
ToDoリストの基本機能は以下のとおりだ。
・タスクの追加や編集
・タスクの並べ替え
・新しいリストの作成
・同等の機能を使えるブラウザー版の提供
Googleカレンダーなとど比べると、少々シンプルに感じるかもしれないが、いたずらに多機能過ぎてもかえって使いにくくなるだけというものだ。むしろ、タスク管理に必須の機能だけに絞り込んでいるため、余計な操作に煩わされることもない。
そもそもタスク管理アプリというものは、思いついた瞬間にすぐに記録できる「速記性」が非常に重要となる。なぜなら、思い付いたタスクというものは、あとでまとめて記録しようと思ってもうっかり忘れてしまうことが少なくないからだ。
アプリの操作が煩雑だとタスク管理も徐々に面倒になっていき、つい後回しにすることが増えていき、いずれは投げ出してしまいかねない。しかし、ToDoリストなら極めて軽快にタスクを記録できるので、二の次にしようという気もそうそう起きないはずだ。
タスクを作成してみよう
本節ではまずスマホ専用アプリを使って、タスクを作成する方法を解説する。
パソコンからの利用方法やGoogleカレンダー連携については後ほど紹介するので、そちらも参考にしてほしい。
ToDOリストの導入
手持ちのスマホにまだ専用アプリを導入していない場合は、まず下記リンクからインストールしよう。
なお、本記事ではiOS向けの専用アプリを使用しているが、Android版も操作方法はほぼ同様だ。
まずアプリを起動したら「使ってみる」をタップ。
通知の送信は「許可」を選ぶ。
サインインの許可について尋ねられるが、これはToDoリストはGoogleのアプリのため、使用にはGoogleアカウントが必要となるためだ。「続ける」をタップして先に進もう。
手持ちのGoogleアカウントを入力し、「次へ」をタップ。
アカウントがない場合は「アカウントを作成」から新規アカウントを取得可能だ。
アカウントのパスワードを入力して「次へ」をタップ。
メイン画面が表示されたら、アプリの導入は完了だ。
タスクの作成
新しいタスクを作成するには、まずメイン画面下部の「+」をタップする。
入力ボックスにタスクの名称を入力する。内容はなんでも構わない。
入力が完了したら「保存」をタップ。
作成したタスクがメイン画面に表示される。
タスクの追加は「+」から同様の手順で行える。
タスクは新しく追加するたび、リストの最上段に順次追加されていく。
「期限」や「詳細」を設定する
タスクによっては期限が決まっていたり、詳細を書き留めたりしたいこともあるだろう。
もちろん、「ToDoリスト」は期限や詳細の設定も問題なくこなせる。期限は入力ボックス左下のカレンダー」アイコン、詳細はその左となりの横三本線のアイコンからそれぞれ設定可能だ。
なお、期限は日にちのほか、時間や繰り返し設定も登録可能だ。
タスクの完了
タスクが完了したら、いつまでも表示させたままにせずメイン画面から消去しよう。こうして、メイン画面には未処理のタスクだけを残しておけば、今後やるべきことをひと目で把握可能だ。
完了したタスクを消去するには、タスク欄左端にある「○」をタップすればOK。
完了したタスクは「完了済み」欄右端の「V」をタップすることで表示することが可能だ。
完了済みのタスクを未処理の状態に戻したい場合は、左端の「✔」をタップすればいい。
タスクの編集
名称や期限など、タスクの内容を変更したい場合は、まずタスク項目をタップしよう。
タスクの情報が表示されるので、名称や詳細、日時を適宜修正したのち、画面左上の「<」をタップして保存しよう。
サブタスクの作成
タスクの種類によっては、内容が多岐にわたる場合ある。例えば、ひと口に「書類作成」といっても、実際には「資料集め」や「たたき台作成」「印刷」などの小さな作業の集合体だといえる。また、「粗大ゴミ処分」についても、処分するゴミが一つだけならいいが、「タンス」や「絨毯」「ふとん」「椅子」などといった具合に複数のゴミがある場合もあるだろう。
そんなときに便利なのが、他ならぬ「サブタスク」だ。「親」となるタスクの下に「子」タスクを作成し、多岐にわたるタスクを親子関係の体裁ですっきり管理できる。
サブタスクはタスクの編集画面から利用可能だ。画面を開いたら、まず「サブタスクを追加」をタップしよう。
入力ボックスが表示されたら、サブタスク名を入力する。複数のサブタスクがある場合は、さらに「サブタスクを追加」をタップし、必要なぶんだけサブタスクを登録していこう。
サブタスクの登録が終わったら、画面左上の「<」をタップしてメイン画面に戻ろう。
これでメイン画面にサブタスクが表示される。
なお、完了したサブタスクは通常のタスクと同様、タスク欄左端の「○」をタップすることで消去できる。
タスクの並べ替え
タスクは指定した順序で並び替えることができる。優先順位がわかりにくい場合は、重要度順などにタスクを並び替えるといいだろう。
タスクを並び替えるには、まず並び替えたいタスクを長押しタップ。
あとはそのまま移動したい位置へとドラッグ&ドロップすればOKだ。
また、指定した順序のほかに、期限の「日付」順に並び替えることも可能だ。
日付順の並び替えは、メイン画面右下の「…」→「日付」から行える。
ウィジェットの表示
Android版の「ToDoリスト」では、便利なウィジェットを利用することも可能だ。
ホーム画面にタスクのウィジェットを表示しておけば、アプリをいちいち開かなくてもタスクをチェックできるので非常に便利だ。
ウィジェットの追加方法は機種によって異なるが、基本的にはホーム画面の長押しタップやオプションメニューから行える場合が多い。
ウィジェット一覧が表示されたら、「ToDo」→「リスト」を選択しよう。
あとはホーム画面の好きな位置にウィジェットを配置すればOK。
ウィジェットからもタスクの完了のほか、詳細の表示や、タスクの新規作成を行うことが可能だ。
新しいリストを作ってみよう
タスクの数が増えてくると、デフォルトのリストだけでは管理しにくくなってくるはずだ。そんなときは新しい「リスト」を作成して、目的別にタスクを管理するといいだろう。
例えば、「仕事」や「家庭」「買い物」などといった具合にシーン別のリストを作っておけば、よりスマートにやるべきことをこなせるはずだ。
リストの作成
まずメイン画面左下のメニューアイコンをタップ。
「新しいリストを作成」をタップ。
リストのタイトルを入力し、画面右上の「完了」をタップ。
作成したリストが表示される。あとは通常どおりの手順で必要なタスクを追加していけばいい。
リストの切り替えは、メニューのリスト一覧から行える。
パソコン版「Googleカレンダー」と連携してみよう
Google「ToDoリスト」は、ブラウザーからも利用可能。パソコンからタスクをチェックできるのはもちろん、新規作成や編集も問題なくこなせる。
例えば、出先ではスマホでタスクを管理しつつ、自宅や職場などに戻ったらパソコンを使ってじっくりタスクを編集するのもいいだろう。
ブラウザーから「ToDoリスト」を利用する
パソコン版の「ToDoリスト」は「Googleカレンダー」のほか、「Gmail」からも利用できる。まずはどちらか一方のサービスにアクセスしよう。
画面が表示されたら、右端にあるToDoリストのアイコンをクリック。
サイドメニューでToDoリストが起動したら、初回起動時は「使ってみる」をクリック。
これでスマホアプリで作成したタスクが表示される。ここからタスクの作成や完了、編集などを行うことが可能だ。基本的に操作方法はスマホ版と同様なので、迷うことはないはずだろう。
リストの切り替えは、リスト名端の「▼」から行える。
ToDoリストを閉じるときは、右上の「×」をクリックすればOKだ。
ご覧のとおり、ブラウザー版「ToDoリスト」は、GoogleカレンダーやGmailからワンクリックで簡単に呼び出して連携可能となっている。予定やメールなどをチェックしている際に、思い付いたことなどをすぐにタスクとして登録できるので非常に便利だ。
まとめ
「タスク管理」というとビジネス向けに思えるかもしれないが、実際にはそんなことはない。ToDoリストの活用範囲は極めて広く、例えば、買い物リストや、旅行の携行品のチェックシート、あるいはファッションコーディネートのアイデアメモに使ったりなど、プライベートにも非常に役立つ。
しかも、Goooleのサービスらしくクラウド保存にも対応しているので、多彩な端末からも利用できる点も極めて使い勝手がいい。やるべきことをしっかり管理できれば、当然、仕事や家事などの効率もアップしていき、余裕をもって日々を過ごせるようになるはずだ。
◆篠原義夫(フリーライター)
パソコン雑誌や家電情報誌の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。専門分野はパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル家電が中心で、初心者にも分かりやすい記事をモットーに執筆活動を展開中。