ワードで文章を作成するとき、行間(行と行の間隔)は読みやすさを決める大事な要素。本文は、標準的なフォント(字体)なら自動的に適度な間隔になる。しかし、見出しなどで文字サイズを14ポイント以上にすると急に行間が広がる。また、レイアウトの都合で行間を狭くしたいこともあるだろう。ここでは、ワード文書の行間を調節する方法を紹介する。更新:2025年8月11日内容追加
※この記事の画面は、Microsoft Word for Microsoft 365 バージョン2406(32ビット)を使用しています。バージョンや設定によってメニュー表示が異なることがあります。
広げるのは簡単、「段落」メニューで数字を選ぶだけ
文章の行間は、文書の見栄えやページ内に収まる情報量を決める重要な要素のひとつ。ワードの場合、行間を広げるのは簡単だ。まず、行間を広げたい範囲を選択する。
続いて、「ホーム」画面の「段落」を押し、続けて「行と段落の間隔」を押す。ワードの作業画面を左右に広くして「段落」メニューが開いているときは、そのまま「行と段落の間隔」を押せばいい。
数字の一覧が出る。最初は「1.0」になっているので、より大きな数字を指定する。試しに、「1.5」を選んでみる。
数字にカーソルを合わせた段階で選択した部分の行間が広がり、その効果を確認できる。イメージに合わなかったら、別の数字を選ぼう。数字をクリックすると、その行間が確定する。
元に戻すときは、同じ操作で「1.0」を選びなおせばいい。設定を変えた直後なら、「元に戻す」(Ctrl+Z)で戻すこともできる。
狭くするときは「段落」から「行間のオプション」を開く
一方、狭くしたいときは、ややめんどうな作業になる。まず、広げるときと同じように行間を変更したい範囲を選択する。そして、「段落」→「行と段落の間隔」から「行間のオプション」を選ぶ。
「段落」の設定画面が開くので、「インデントと行間隔」タブで設定していく。「間隔」欄の「行間」が「1行」になっているので、ここを「固定値」にする。すると普通は、隣の「間隔」の枠に「12pt」という数字が出るはずだ。
「間隔」枠の数字を小さくする。ここでは、ふたつ下げて「10pt」にしてみた。数字は、キーボードから入力してもいい。その後、この画面の下部にある「OK」を押して確定する。
間隔を変更した部分が明らかに狭くなった。よく見ると、文字の上部が上の行と重なって少し欠けているように見える。
再び同じ操作を行って、間隔を「11pt」にした。通常は、これくらいで十分だろう。
ちなみに、文書全体を選択して「11pt」にすると以下のようになる。見出しも行間が詰まって文字の上半分が見えなくなっている。
プリントしたり、PDFに書き出してみると……??
しかし、印刷したりPDFファイルにしたりすると文字が欠けることなく全体的にバランスよく行間が詰まった文書になる。
元に戻すときは、戻す部分を選択してから「行間のオプション」画面で「行間」を「1行」に設定し直せばいい。
なお、逆に「固定値」を選んで「間隔」の数字を大きくすると行間を広げることも可能だ。前半で紹介した「1.5」などの数字を選ぶ方法より細かな行間設定ができる。
「間隔」を「22pt」にした。下の画面だけ見ると分かりにくいが、設定変更前の文書と比べると最後の行が見えなくなっていて、その分だけ選択範囲の行間が広がっているのを確認できる。
その他の文書調整テクニック~段落前後の間隔
プロフェッショナルな文書作成では、「段落前後の間隔」も重要。「段落前」と「段落後」の値を調整することで、段落間の余白を細かく設定できます。行間を狭くしつつ段落間の余白を適切に取ると、読みやすさと見栄えの両方が向上するから。
Microsoft Officeの最新バージョンでは、デザインタブから「段落の間隔」オプションを使って、文書全体の行間を「コンパクト」「標準」「緩く」から選択することも可能になった。急いでいる時にはこの機能が便利なはず。
これらの段落間調整テクニックをマスターすれば、見やすく美しいWord文書を効率的に作成できるようになるはず。
まとめ
初期のワープロソフトは行間が狭かった。そのため、この記事の前半にあるような行間を広げる機能は有用だった。しかし今は、標準設定で適度な間隔になるため行間を広げる機会は少ないだろう。
むしろ、限られたスペースに文章を収めるために行間を狭くしたいことがあると思う。その操作の方が面倒なのは難点だが、昔から改善されていない。
行間を調整するワザは、一部の段落やテキストボックスの中だけに適用するといったこともできる。あるいは、見出しを14ポイント以上にしたため行間が広すぎるときは、その見出しだけ選択して間隔を整えることも可能だ。ぜひ覚えておいて、美しいレイアウトや複雑なレイアウトの文書を作成する際に活用してほしい。
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