カメラの起動は、背面のダイヤルを回し、撮影モードを選ぶだけ。撮りたいと思ったら、即撮影が楽しめる。モニターがないため、少しずつアングルを変えて撮るのがコツだ。スマホとの連係は、専用アプリ「Canon Mini Cam」を使う。本機に装着されたmicroSDカード内の画像が転送できるほか、ライブビュー画像を見ながらの撮影も可能だ。
解説者のプロフィール
大浦タケシ(フォトグラファー)
宮崎県都城市生まれ。素人考えだが、カメラメーカーもスマホを作ってみたらどうだろう。最初はスマホメーカーとの協業となるだろうが、注目を集めること請け合い。
こんなカメラで撮ってみた!
キヤノン iNSPiC REC
モニターがないため、少しずつアングルを変えて撮るのがコツ
実売価格例:1万5180円
2019年2月のカメラ展示会CP+で参考出品として展示され、その後、クラウドファンディングでの支援募集などを経て、12月に一般発売となったiNSPiC REC(インスピック レック)。液晶モニターはなく、カメラ単体では細かな設定ができないなど、割り切った作りのモデルである。本体カラーは、ブルー、ピンク、グレー、グリーンの4色。
90グラムの軽量&防水・耐衝撃ボディで、どこでも気軽に撮れる!
クリップの内側をファインダー代わりとして撮影する。液晶モニターがないため、アングルに正確性を求めるのは難しい一方、気軽に撮影が楽しめる。レンズ周囲には着せ替え可能なフェイスジャケットと呼ばれるカバーが装着されている。底部に三脚ネジ穴を備えているのは、カメラメーカーらしいところ。
カメラの起動は、背面のダイヤルを回し、撮影モードを選ぶだけと、手間いらず。撮りたいと思ったら、即撮影が楽しめる。
撮影時は、カラビナ型クリップの内側をファインダー代わりにするが、アングルは当然参考程度で、正確というには程遠い。しかし、そのアバウトさがこのカメラのおもしろさだろう。
スマホとの連係は専用アプリ「Canon Mini Cam」を使う。本機に装着されたmicroS
Dカード内の画像が転送できるほか、ライブビュー画像を見ながらの撮影も可能。
搭載レンズの画角は、35ミリ判換算で25.4ミリ相当。広い画角ゆえ、被写体を画面から外してしまうことはない。
IP68の防塵・防滴と2メートルの耐衝撃性のボディは、服やバッグに着けて安心して持ち運べる。”アソビカメラ”の愛称どおり、気軽に撮影を楽しみたい人向けだ。
■絵づくりはあっさりとした感じで物足りなさも
少しずつアングルを変えながら何枚か撮影した中の1枚。有効1300万画素1/3型センサーによる絵づくりは、あっさりとした感じなので、物足りなく感じる人もいるだろう。
■中央部分は解像度も高く、SNS利用もOK
こちらもアングルを変えて撮影したうちの1枚。条件によっては上々の写りが得られる。画面中央周辺は解像感も高く、SNSなどへのアップにも十分耐えられる。
まとめ
アイデアとしては楽しく、ガジェット好きにも支持されそう。ただし、撮影された画像は、ストレートで素っ気ない。スマホのように、より雰囲気ある絵づくりにしてもよかったように思える。
Photo & Text/大浦タケシ