「通勤の必要がない」と注目が集まるテレワーク。最近は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために急ピッチで導入する企業も増えています。テレワークやリモートワークなどオフィスにとらわれない働き方が増えていますが、その違いはイマイチわからない…という方も多いのではないでしょうか?今回は何かと注目されているテレワークについて、その意味や働き方、メリットとデメリットについてご紹介します。
テレワークとはどういう意味?
最近よく聞くようになったテレワークとは、どういう意味なのでしょうか。テレワークという働き方と、言葉の意味について見ていきましょう。
国も推進する「テレワーク」とは
テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用してオフィス以外の場所でも働くことをいいます。離れた所を意味する「tele」と、働くを意味する「work」をあわせた造語になります。日本では2000年頃からテレワークという言葉が生まれましたが、最近なにかと話題になっている言葉です。
現在テレワークは、国が導入を推進しています。目的としては、東京オリンピック・パラリンピック開催に合わせた交通混雑緩和のほかに、新型コロナウイルスの感染防止策もあります。
テレワークとリモートワークの違いについて
テレワークのほかに、「リモートワーク」という言葉も聞いたことがないでしょうか。とても似ている2つの言葉ですが、おもに使われる場所に違いがあります。
リモートワークとは
テレワークと似た言葉に、リモートワークがあります。リモートとは遠隔という意味があり、リモートワークとは「遠隔地で働くこと」を指しています。
「テレ」が離れた場所、「リモート」が遠隔という意味であれば、テレワークとリモートワークにはあまり違いがないように感じるものです。
テレワークとの違いは?
実は、テレワークとリモートワークには明確な違いはありません。しかし、この2つは若干違うニュアンスで使われています。
まずテレワークは、一般社団法人日本テレワーク協会が推進しています。平成3年に「日本サテライトオフィス協会」として設立した同協会は、総務省や厚生省など国が関係しています。その影響もあってか、国や大企業が「テレワーク」という言葉を使う傾向があります。
一方でリモートワークは、テレワークよりも後から使われ始めた言葉です。IT企業やベンチャー企業が使っているケースが多く、最近では完全にリモートワークで勤務することを「フルリモート」と表現することもあります。
上記のように明確な違いがないテレワークとリモートワークですが、歴史や使う人(企業)によって若干の違いがあるのです。
テレワークには種類がある
テレワークと一言にいっても、実は働く場所や働き方によって種類がわかれています。テレワークとしてテレワーク協会に定義されているものは、以下の3種類です。
・在宅勤務
文字通り勤務場所を「家」と限定した働き方で、言い換えれば「家以外では仕事しない」という意味にもなります。身体上の理由や家族のケアなど、家から出ずに働きたい人は在宅勤務を希望するケースが多いでしょう。
・モバイルワーク
モバイルとは、パソコンやスマホといった移動しながら使えるIT機器のことです。つまりモバイルワークとは、会社以外の場所からパソコンやスマホで仕事をすることであり、日ごろ会社勤めしている人も、移動中に仕事をすればモバイルワークとなります。
・サテライトオフィス勤務
「人工衛星」などを意味するサテライト。サテライトオフィスとは「本社から離れたオフィス」という意味です。一般的には離れた場所でも社内LANが使える環境を指すので、企業が準備したオフィスや、通信環境が整ったレンタルオフィスなどをサテライトオフィスとするケースが多いです。
参照:日本テレワーク協会「テレワークとは」
テレワークとは|日本テレワーク協会
日本テレワーク協会は、テレワークを通じ、調和のとれた日本社会の持続的な発展に寄与して参ります。テレワークによる情報通信技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方が、社員の働きやすい環境整備を実現すると共に、企業革新・企業成長を可能とさせることが出来ます。
japan-telework.or.jp
テレワークのメリットとデメリットについて
オフィスとは異なる場所で、ICTを活用して働くテレワーク。「仕事=通勤するもの」というイメージとは正反対の働き方には、メリットもデメリットもあるのです。
テレワークのメリット
・通勤、出勤がない
テレワークの最大のメリットといえば、毎日会社に通わなくていいことです。「満員電車が辛い」「通勤時間が長い」「オフィス内の環境が合わない」など、通勤や出勤に関する悩みを抱えるビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。テレワークなら悩みの種となる「オフィス」がないので、通勤や出勤の悩みがなくなります。
・家族と同じ空間で働ける
「勤務中、家族の様子が気になる」「育児や介護など、家族のケアをしなくてはならない」という人にとって、会社勤めは辛いものです。しかし在宅勤務ができるテレワークなら、家族のケアをしながら仕事をすることができます。
テレワークのデメリット
・パソコンやインターネット環境が必要
テレワークの大前提として、ICTの準備がかかせません。実際にテレワークを行うほとんどのビジネスパーソンはデスクワークがメインであり、パソコンやタブレットを使っています。
「仕事で使うインターネット環境が準備できない」「パソコントラブルに1人で対応できない」という場合は、テレワークは難しいでしょう。
・仕事に集中しにくい
家族のケアをしながら働ける点はテレワークのメリットですが、裏を返せば「家族のケアをしながら、仕事時間を確保しなければいけない」ということです。
会社勤めなら自然と気分も仕事モードに切り替わります。しかし周りに人がいないテレワークでは気持ちの切り替えが難しく、「仕事を進めたいのに集中できない」という悩みを抱える人も多いものです。
まとめ
昨今の事情もあり、多くの企業が導入し始めたテレワーク。今回ご紹介したようなデメリットはありますが、通勤をせずに家族と同じ空間で働くことができるメリットに注目が集まっています。
自分らしい働き方を模索するなら、働く場所も考える必要があります。テレワークが推進されているこの時期だからこそ、会社勤め以外にも目を向けてみるのはいかがでしょうか。