新型コロナウイルスの感染拡大に伴い3月28日から2か月以上休園していた多摩動物公園が、6月4日(木)に営業を再開した。再開後の最初の週末となった6月6日(土)に訪れた筆者が、混雑状況や、感染症の予防対策などをレポート。何時頃からチケット売り場に列が出来た?お昼ご飯はどうする?など、親子連れで遊びに行く際に気になるポイントをチェックした。
開園時間の混雑状況
営業時間は10時から16時(入園は15時まで)の短縮営業
3月28日より2か月以上休園していた 多摩動物公園が、6月4日(木)に営業を再開した。再開後の最初の週末となった6月6日(土)に、筆者が子連れで訪れてみた。
この日は、渋滞を見込んで早めに出発したため、筆者が動物園正門前に到着したのは8時半。さすがに早すぎて、近隣駐車場にも数台しか止まっていなかった。9時前から正門前に徐々に人が集まり始め、9時過ぎから2メートルの間隔を開けて列ができはじめた。
列は、年間パスポートや前売り券を持っている人の列、現金で券売機で購入する列、クレジットカードや電子マネーを利用するために窓口で購入する列と分かれている。券売機も窓口も列の長さに大きな差はなかった。9時半には、およそ300名が正門前に並んでいたため、9時35分ごろにアナウンスが流れ、開園時間が15分早まり、9時45分になった。
週末の混雑状況
混雑状況については、多摩動物公園公式ツイッター(@TamaZooPark)で公表され、6月6日(土曜日)は、11時(約2,250名)、12時(約3,000名)、13時(約2,800名)だった。人数を数字で見ると多いように思えるが、広い園内なので、混雑して並ばなくては動物が見られない、というようなことは全くなかった。
また、翌7日(日曜日)に公表された入場者数は、11時(約2,800名)、12時(4,300名)、13時(約5,000名)。13時時点でのツイートでは、【園内はにぎわっております】とアナウンスされた。屋外施設のため、天気にも大きく左右される入場者数だが、やはり週末では土曜日のほうが、入場者数が少ない傾向にありそうだ。
多摩動物公園は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休園していましたが、6月4日(木)より再開園しました。なお、開園時間は10時から16時(入園は15時まで)となります。また、展示の一部休止や、ご利用できない施設・サービス等もございますので、ご確認ください。https://t.co/Ouq8VpFRrR
— 多摩動物公園[公式] (@TamaZooPark) June 4, 2020
多くの人がマスクを着用
熱中症に注意!
この日の東京の最高気温は28度。都心に比べ、山の中で涼しい園内のはずだが、体感的にもかなり蒸し暑い日だった。園内では、ほとんどの人(小学生以上)がマスクを着用していたが、高低差のある園内でマスクをつけて歩き回ると、かなり息苦しさを感じた。園内アナウンスも頻繁に流れ、熱中症予防を呼びかけていた。これから夏にかけて訪れる際には、水分をとり、人とすれ違わない場所ではマスクを外すなどして、いつも以上に体調管理に気をつけなければならないと感じた。
シャトルバスは終日運休中
幼い子供や年配者がいるグループは、園内シャトルバスが運休しているので要注意だ。筆者は知らずに動物園を訪れ、開門直後にバス停に向かい、ここで初めてシャトルバスが運休していることを知った。多摩動物公園は山の中に作られているため、園内は平たんなエリアはあまりなく、ほぼ坂道。かなりの急斜面も多い。園内を移動するだけで、幼い子供にとっては相当な体力が必要。お目当ての動物を見る前に、疲れて機嫌が悪くなってしまうのではないか?と少し不安になった。
大人気オランウータンのスカイウォークも見られる!
時間変更で、見られるのは開園〜13時半ごろまで
2019年12月から冬季休止されていたオランウータンのスカイウォークも、再開された。しかも、これまでは11時半から2時間程度しか見られなかったが、見られる時間が長くなった。
スカイウォークは、地上約15メートルのロープ上で、オランウータンたちが見せる「空中散歩」。頭上をオランウータンたちが、時に楽しそうに、また優雅に歩く姿は何度見ても飽きることがない。
このエリアは、正門から一番奥に位置している。いつもなら正門前からシャトルバスに乗って、上り坂をバスでいっきに移動してしまうが、今回はシャトルバス運休に伴い歩くしかない。4才のこどもと一緒に正門から20分以上かかけて、ようやくたどり着くことができた。
多摩動物公園の感染症対策
見学スペースには白線とコーン
感染防止対策として、多くの動物の見学スペースには、1メートルごとに白い目安の線が引かれている。来園者がお互いの距離を確認しながら、動物を観察できるようにするためだ。さらに、人から動物への感染を防ぐため、柵に近づきすぎないようにコーンがおかれ、一定の距離が保たれるような対策が取られている。
この白線があることにより、確かに周囲の人との距離を意識することができた。人が集まっているところを避けるか、空くまで離れたところで待つか。筆者だけでなく、周りの来園者もなんとなく気にしている様子が伝わってきて、効果的な対策だと感じだ。
人が集まりそうな見学スペースは立ち入り禁止
見学スペースの中でも、特に動物に近づけるエリアや、屋内外の両方から見学できる動物の屋内展示は、感染予防のために立ち入りが禁止されているところが多くあった。少し残念ではあるが、人から人、人から動物へ感染症を広めないために必要な措置だ。
撮影スポットやオブジェは立ち入り禁止
園内の様々なところにあるオブジェや撮影スポットの多くが、コーンで囲まれて使用禁止となっていた。どれも、子供に人気で触ったり上ったりするようなものばかりなので、子供にとっては残念。しかし、多くの人の手に触れることになるため、対策としては必要だと感じた。親としても、子供に「触らないで」と言う必要がないので、コーンに囲まれて使用禁止となっている方が、気が楽だ。
「密」な場所も…
旧型車両の展示シャトルバスは、密!
この日一番の密の場所を発見した。それは、園内に数台展示してある昔使用していたシャトルバスの展示だ。休憩所として利用できるスペースだが、運転席にも座れるとあって、いつも子供たちに大人気。順番待ちの列ができるほどだ。なぜかここは、使用禁止にはなっていなかった。どうしても子供を密集した場所へ行かせたくないという人は、子供の目から展示バスを隠して移動することをお勧めする。
売店では行列も
12時前後のランチ時間を中心に、ほとんどの売店では行列ができていた。どうしても人との接触を避けたい場合は、弁当を持参して、売店のない広場で休憩したほうがいい。売店も自販機もない広場では、12時前後を除けば、置かれている椅子とテーブルに空きが目立っていた。
正門前のギフトショップの前には、距離を保つための目安の線が引かれている。ギフトショップの入場制限については、ツイッターでも随時発信されている。お目当ての商品がある場合など、絶対にお土産を購入したい人は、園内を周る前に、まずはお土産を買うと混雑を避けられるかもしれない。
まとめ
子連れでも安心して楽しめる!
園内では、感染症予防対策がとられ、子供連れでも安心して楽しむことができた。来園者一人ひとりの心がけ次第で、さらに安心して楽しむことができる動物園として、これからも営業を続けていけるはずだ。休園中は、ちょうど春の出産シーズン。キリンやチンパンジーなどのこどもたちの姿もたくさん見ることができ、かわいい姿に癒された。今後も、新型コロナウイルスの状況により、休止する展示施設等の営業状態も変わるだろう。最新情報を公式ホームページでチェックをしたうえで、また動物園を訪れたい。
【多摩動物公園】
〒191-0042 東京都日野市程久保7-1-1
▼京王線、多摩モノレール「多摩動物公園駅」下車、徒歩1分
▼中央自動車道「国立府中IC」から約20分
公式サイト
◆小嶋彩葉(編集ライター)
医療系広告代理店の勤務を経て、編集兼ライターとして独立。現在は、子育て・旅行・映画関連記事などを中心に執筆活動を行う。また、2児の母として、育児に奮闘中。