この記事では、コストパフォーマンス抜群のファットバイク「BRONX(ブロンクス)20DD」を実際に購入して、乗車した感想をレポートしていきます。近年人気を集めるファットバイク。街ナカで見かけて、そのインパクトに驚いた方もいるのではないでしょうか。極太タイヤが目を引くファットバイクですが、実際の乗り心地や使用感はどうなのか? という疑問に、ママチャリ以外のスポーツバイク初体験という初心者の私が、率直な感想をお伝えします。ファットバイクに興味のある方はぜひ参考にしてください。
「脱・公共交通機関」の今だからこそ
新型コロナウイルスの流行なども相まって、公共交通機関を利用しない移動に注目が集まっています。そんな状況から、自転車に関心を寄せている方も多いのではないでしょうか? 自転車と言えば、ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイク辺りを目にすることが多いですが、筆者は店頭で一目惚れしたファットバイクでデビューしました。今回はファットバイクのエントリーモデル「BRONX 20DD」を徹底レビューしていきます。
ファットバイクとは?
ファットバイクは、アメリカで2000年代に誕生した新しいタイプの自転車です。タイヤ幅3~5センチという、文字通り「ファット」な極太タイヤを履いていることが最大の特徴。MTBベースのモデルが多く、悪路や雪道に強いタフさから密かな人気を集めています。独特なルックスに惹かれて購入した人が、いつしかファットバイクそのものの魅力に取り憑かれてしまうような不思議な自転車です。
BRONXはコストパフォーマンス抜群
BRONX CYCLESは神奈川・湘南の自転車メーカー「RAINBOW CRUISERS」がリリースしているファットバイクブランドの総称です。
MTBではなく、BMXをベースとした造りになっており、「誰でも遊べる楽しいバイク」をコンセプトとした遊び心あふれるファットバイクを展開しています。ファットバイクは通常、10~15万円ほどが相場の高価な自転車なのですが、BRONXは、性能を損なわずに5万円台というリーズナブルな価格を実現しました。
極太タイヤが目を引く「BRONX 20DD」に一目惚れ
筆者が購入したのは、ミニベロタイプの「BRONX 20DD」です。
引越を機に移動手段を探している中、ふと訪れたサイクルショップで一目惚れ。20インチの小径車とは思えないインパクトに驚き、その場で購入しました。ミリタリー感あふれるグリーンカラーにオレンジのホイールがアクセントとなっており、BMX風のハンドルも取り回ししやすいです。実際に乗ってみると、外見に反して軽快な動作が意外でした。7段変速で地形を問わず快適に走行可能です。
「BRONX 20DD」乗車レビュー
ここからは、4月に購入してから今までほぼ毎日乗って感じた印象をレビューします。
街乗り
「誰でも遊べる」というコンセプト通り、街乗りに最適な乗り心地が「BRONX 20DD」の魅力です。太く小さなタイヤのおかげで小回りが効き、砂利道でもスムーズに走行できます。ちょっと重めの買い物をした日でも、太いタイヤのおかげでふらつかずに移動可能です。また、乗車して気づいたのが、意外にも坂道に強いという特徴です。タイヤの接地面が大きいため、路面をしっかりとホールドして登っていくことができます。
舗装路
シティサイクルなどに比べると速度も十分あり、車道でも問題なく走行できます。漕ぎ出しはやや遅いものの、スピードに乗れば長距離移動も可能です。筆者は、主に片道5~10km程度の移動がメインですが、長距離ライドにもチャレンジしたいと考えています。
悪路・荒天時の乗車感
通常の自転車なら不安になるような悪路でも、抜群の安定感で走行可能。もともとが雪道などの悪路を想定しているため、強いグリップ力でいつでも安全に走行できます。雨の日でもマウンテンパーカーさえあれば安心です。ちょっと出かけて大きめの公園を訪れた際は、自転車の立入禁止でさえなければどこでも走れます。
乗って分かったファットバイクの魅力
筆者は、学生時代にママチャリを利用していた程度の自転車初心者でしたが、ファットバイクという乗り物に触れて自転車自体の魅力に気づきました。
それまで、移動手段といえば電車かバスでしたが、やはり好きなタイミングで好きな所まで移動できるのは自転車ならではの楽しみです。ファットバイクは、そんな移動の楽しさを最大限感じられる自転車だといえます。極太タイヤならではの迫力満点な走行音や、ペダルの重み、ゆっくり確実に加速していく感覚は、他の自転車には無い魅力です。
ファットバイクならではの悩み
魅力いっぱいのファットバイクですが、乗車して改めて気づいたデメリットもありました。
まず困ったのが、カスタムパーツが少ないという点です。筆者はホイールなどを少しずつ交換していこうと考えていたのですが、4cm幅に対応したパーツは街の自転車屋さんでは手に入らず、専門店や海外通販などの利用を強いられます。ファットバイクの取り扱いがある店舗でも、パーツ在庫の欠品や在庫切れが珍しくありません。
また、地味に問題となるのが、街乗り時の「駐輪スペース」です。タイヤを固定するタイプの駐輪場は、通常サイズのタイヤにのみ対応しているため、ファットバイクではほとんど利用出来ません。自然と平置きタイプの駐輪スペース探しに追われてしまいます。
そしてやはり、機体の重さが目立ちます。ママチャリなどに比べると軽量ではあるものの、ロードバイクやピストバイクと比較すると、その重量差に驚いてしまいます。ある意味ファットバイクらしさとも取れるのですが、ハイスピードで都内を移動したい!といったニーズには適していないかもしれません。
まとめ
今回は、ファットバイク「BRONX 20DD」について正直にレビューを行いました。スポーツサイクルに乗ること自体初めてだった筆者でも、普段の街乗りからちょっとした遠出までを日々楽しめているので、ビギナーにもオススメの自転車だと言えるでしょう。また、普段ロードバイクなどに乗っている方にこそ、セカンドカーとして使ってみてもらいたい自転車でもあります。乗り心地の差を楽しみながら、天候やシチュエーションに合わせて使い分けするスタイルも面白そうです。この記事を参考に、あなたもファットバイクデビューしてみませんか?