京都の老舗だし巻きメーカーとのコラボ缶に、広島・呉の焼き鳥店の名物料理缶、石巻のくじらの大和煮缶に、沖縄のポークランチョンミート缶。ご当地で愛されるソウルフードも、缶詰で味わえます。自宅にいながらグルメ旅行が楽しめるのです!
缶詰博士 黒川勇人
公益社団法人・日本缶詰協会公認。缶詰業界の第一人者として日本はもちろん世界50ヵ国の缶詰をリサーチ。 缶詰の魅力とともに、それにまつわる文化や経済、人間模様も発信している。
だし巻き缶mr. kanso「ふっくらだし巻き」
京都の老舗だし巻きメーカーとのコラボで本格的なだし巻きが四つ、きっちり収まる
全国展開している缶詰バー「ミスター・カンソ」のオリジナル缶詰の一つ。京都の老舗だし巻きメーカー「吉田喜」とのコラボレーションで実現した本格的なだし巻きが、缶内に四つきっちり収まった姿は壮缶(壮観)。
出汁も入っているから、だし巻きをかむごとにウマ汁が口中であふれる。開発当初は高温加熱(缶詰ならではの製法)による焦げ目に悩まされたが、試行錯誤を繰り返し、砂糖を使わないことで淡く美しい色に仕上げたそうだ。
出汁で味わう本格派。お弁当に使うとゴージャス
mr. kanso
ふっくらだし巻き
標準価格:550円
●mr. kanso http://www.cleanbrothers.net/kanso.html
みそ煮缶ヤマトフーズ「呉名物 鳥皮みそ煮」
広島・呉の焼き鳥店「鳥好」の名物料理が缶詰に。主婦のアレンジ素材として大ブレーク!
広島県呉市の名物料理。呉市で敗戦から最初に立ち上がった焼き鳥店「鳥好」が、復興するなら新しいメニューも作ろうと思い、どて焼きなどをヒントに開発したという。
だから本来は酒のつまみなのだけど、それを広島の「ヤマトフーズ」が2013年に缶詰にして発売したところ、思わぬところから人気爆発。
なんと主婦たちが、さまざまな家庭料理にアレンジして使い始めたのだ。鍋で熱々にして、溶き卵で閉じて親子丼にしたり(親は皮だけど)、煮込みうどんの具にしたりと八面六臂の大活躍。
女性は鶏皮のぷにぷに食感を嫌う人が多いけど、これは缶詰なので高温高圧加熱によってとろとろ食感だ。3種類の味噌をブレンドしたという味付けも優しくて好ましい。
3種の味噌をブレンドした優しい味。ほんのりピリ辛でもある
ヤマトフーズ
【呉名物】鳥皮みそ煮
標準価格:324円
●瀬戸内レモン農園(ヤマトフーズ) https://setouchi-lemon.jp/
くじら缶木の屋石巻水産「くじらとラー油が出会ったから」
くじらの大和煮にピリ辛&ごま油の香ばしさをプラス。かむたびに口の中はもうお祭り騒ぎ!
くじら大和煮にラー油はマストであります。純粋な甘じょっぱい大和煮もおいしいけど、そこにピリ辛&ごま油の香ばしさが加わると、それだけで一品料理に変身するのであります。
その効果を一人ウフフと楽しんでいたら、くじら缶製造のプロフェッショナル「木の屋石巻水産」がちゃんと商品化してくれた。パチパチパチ(拍手音)。
使うラー油は仙台発の新しい調味料「なかむラー油」。にんにくとねぎがたっぷり入った、いわゆる“食べるラー油”だ。
一口ほおばれば、甘くて辛くて香ばしくて、そのうえ、くじら肉は低温熟成させているから、うまみが増している。かむたびにそのウマ汁も湧き出して、口中はもうお祭り騒ぎ。そこに流し込むビールがウマい。
市販のナムルと一緒に食べるとさらにおいしい!
木の屋石巻水産
くじらとラー油が出会ったから
標準価格:560円
●木の屋石巻水産 https://www.kinoya.co.jp/
ポーク缶沖縄県物産公社「わしたポーク」
沖縄で作られるポークランチョンミート缶は、鶏肉を混ぜることでスッキリとした味わいに仕上げた
豚肉を細かく挽いて味付けし、デンプンで固めて加熱したものをポークランチョンミート(略してポーク缶)と呼ぶ。
アメリカ製スパムやデンマーク製チューリップが有名だが、「わしたポーク」は国産ポーク缶。沖縄で作られており、原料の豚肉も鶏肉も黒糖も沖縄県産を使っている。
と、さりげなく“鶏肉”と書いたけど、ポーク缶なのになぜ鶏肉が入っているのか? 実は淡泊な鶏肉を混ぜることで、クドくなりがちなポーク缶をスッキリした味わいに仕上げているのだ。
脂身も少なめで、ポーク缶としてはけっこう淡泊。さらに化学調味料を使ってないため、食にこだわる人には特に人気が高い。沖縄では「子供にも安心して食べさせられる」という声を何度も聞きましたぞ。
スライスして両面こんがり焼きにするのが基本の食し方なり
沖縄県物産公社
わしたポーク
標準価格:507円
●わしたショップオンライン http://www.washita.co.jp/
※価格は記事作成時のものです。