【ロウリュとは?】アウフグースとの違いや熱波師の仕事について サウナ中毒のライターが解説

暮らし・生活・ペット

今回は、サウナブームの中で耳にする機会が増えた「ロウリュ」について、意味や由来、歴史や種類などを整理しつつ、日本でロウリュやアウフグースなどを楽しめるサウナ施設も紹介します。近所のスーパー銭湯などで「ロウリュイベント」「熱波」などのフレーズを目にしたことがある方も多いでしょう。この記事を通して、ロウリュがどんなものかを知り、ぜひ体験してみてください。

ロウリュとは?

ロウリュとはフィンランド式サウナの入浴法で、フィンランド語で蒸気を意味する「löyly」から由来するものです。ストーブに積み上げられたサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させ、室内の湿度を上げることで体感温度の上昇を楽しみます。

ロウリュとはフィンランド式サウナの入浴法(写真はイメージ)

Adobe stock

そもそも、フィンランドはサウナの発祥地として知られ、1000~2000年以上の歴史があるとされています。スモークサウナと呼ばれる丸太小屋で薪を燃やす原始的な方法から始まり、室内に充満した煙を排出しつつ温度と湿度を保つためにロウリュを行うようになったようです。

そのため、「ロウリュ=サウナの原点」とも言え、昨今のトレンドである中低温・多湿のサウナを楽しむ上では欠かせないものになりつつあります。

日本のロウリュとフィンランド本国のロウリュは別物!?

日本で「ロウリュ」といえば、サウナ室でスタッフが行うパフォーマンスを指し、アロマ水をストーブにかけたり、タオルでお客さんを仰いだりするイベント的な入浴法がイメージされるでしょう。
しかし、これらは厳密には本来のロウリュとは異なるものなのです。フィンランドではサウナ室で入浴している人が自身でストーブに水をかけるスタイルが一般的で、パフォーマンスを伴うものはほとんど行われていないようです。

日本でのロウリュは、厳密には「アウフグース」と呼ばれるドイツ発祥のアクティビティを踏襲したもので、フィンランド本国のものよりパフォーマンス性を重視した内容となっています。

このタオルで仰ぐスタイルは、大阪の老舗サウナから全国的に広まっていったとされ、今では日本式サウナの新たなスタンダードとなりつつあります。施設ごとに独自のスタイルも考案されており、ヨガやストレッチを組み合わせたロウリュなども体験できます。

とはいえ、今では日本でも本場フィンランドのような「セルフロウリュ」スタイルのサウナもいくつか存在するため、様々な楽しみ方が可能です。

日本で楽しめるロウリュの種類は?

以上のような意味や成り立ちを持つロウリュですが、日本ではどのような方法で楽しめるのでしょうか。主に3種に大別されるロウリュのタイプについて解説します。

日本で楽しめるロウリュは主に3種類(写真はイメージ/Adobe stock)

ロウリュ(アウフグース)

前述の通り、日本ではもっともメジャーなイベント性を伴うタイプのロウリュです。フィンランド式サウナをもとにドイツのアウフグースを組み合わせ、アロマオイルをブレンドした水を専門のスタッフ(熱波師、アウフギーサーとも)がサウナストーンに垂らし、上がった蒸気をタオルで入浴客へ仰いでくれるサービスです。

近年では、日本一の熱波師を決める「熱波甲子園」というイベントが開催されたり、「日本サウナ熱波協会」という団体が設立されたりと、独自のカルチャーとして発展を見せています、
各地のスーパー銭湯や健康ランドでも受けられますが、サウナ専門の施設などに行けばよりレベルの高いロウリュやオリジナリティあふれるプログラムを体験できます。中には岩盤浴のように館内着を着用して行うタイプもあり、男女共同で受けられる場合も。まず気になったら試せるサービスと言えるでしょう。

セルフロウリュ

セルフロウリュは、より本格的なフィンランド式のロウリュです。サウナ室内に備え付けられた専用の水を自分でかけてじっくりと水蒸気を出す入浴法として古来から親しまれています。
イベント系のロウリュに比べるとまだまだ普及が進んでいないタイプになりますが、サウナブームの影響もあり、全国およそ366軒のサウナで導入されています。本格的なロウリュの魅力を知れるスタイルのため、ぜひ一度体験してみることをオススメします。
なお、セルフロウリュ時には他の利用者に断ってから静かに水をかけるのが暗黙のマナーで、無闇にロウリュをしすぎるとサウナ室の温度バランスが崩れてしまうためご注意ください。

オートロウリュ

施設によっては、サウナストーブに専用のロウリュシステムが備わっている場合もあります。一定時間ごとに自動で水が噴射されるオートロウリュは、常にサウナ室のコンディションを良好に保つことができるシステムです。
こちらはちょっと古めの銭湯サウナから最新鋭のサウナ施設まで、さまざまな場所に備えつけられています。全国に約377施設存在しているため自宅近くでも遭遇しやすいタイプの設備です。

【男女入浴可】ロウリュが魅力のサウナ施設3選

さいごに、全国各地のサウナに通う筆者が厳選した、ロウリュサービスが魅力のサウナ施設をご紹介します。サウナはまだまだ男性専用の施設が多いですが、今回は男女どちらも楽しめる場所をピックアップしました。

男女ともにロウリュが楽しめるサウナ施設もある(写真はイメージ/Adobe stock)

トップクラスのアウフグースが体験できる!
スカイスパYOKOHAMA(神奈川県)

「スカイスパYOKOHAMA」は、横浜駅東口徒歩3分のスカイビル14階に位置するサウナです。ケロというサウナに適した木材をふんだんに利用した本格フィンランドサウナや古代ローマの浴場を再現したスチームサウナ、高濃度炭酸泉などが楽しめます。

スカイスパの魅力は、何と言ってもドイツ視察をもとにしたハイレベルなアウフグース(ロウリュ)サービスです。毎日12時から24時まで、ほぼ1時間おきに開催されており、各回で独自の研修プログラムを積んだスタッフが丁寧な施術を行っています。国内トップクラスの本格的なアウフグースが楽しめることから、サウナ好きなら誰もが知る名店として高い人気を誇る施設です。駅近のため、高速バスなどで溜まった疲れを癒やしに来る観光客も多いようです。

セルフロウリュで自分と向き合うひとときを
湯らっくす(熊本県)

熊本市に位置する「湯らっくす」は、遠方ながら多数のユーザーを集める全国屈指の人気店です。3種類のサウナと日本一の水深を誇る172cmの水風呂、飲用もできるかけ流しの天然温泉が楽しめます。

そんな湯らっくすの魅力は、「メディテーションサウナ」と名付けられた小さなサウナ室に詰まっていると言っても過言ではないでしょう。静かで仄暗いサウナ室内ではフィンランドから直接取り寄せたストーブでセルフロウリュを体験でき、かすかに流れるBGMの中でじっくり瞑想に浸ることができます。室内にはヴィヒタ(白樺の葉)も用意されており、天然のフレーバーによる香り豊かな入浴を楽しめます。
関東からはちょっと遠い施設にはなりますが、少しでもサウナのことが好きなら絶対に行くべき施設です!休憩スペースで簡易的に宿泊も可能なため、旅行プランに加えてみるのも良いでしょう。

フィンランドを本格再現!
おふろcafé utatane(埼玉県)

埼玉県大宮市の「おふろcafé utatane」は、サウナ+カフェ+宿泊をコンセプトにした過ごしやすさが魅力の施設です。全体に北欧テイストを取り入れており、フィンランドの地ビールや雑貨なども購入できます。

こちらの施設では「サウナコタ」というフィンランド産の木材で組み上げた本格サウナとオートロウリュ付きのドライサウナ「イズネスサウナ」の2種類が楽しめます。
サウナコタは2階建ての小屋に仕立てられており、本場フィンランドらしいセルフロウリュを堪能できます。受付で専用のアロマオイルを購入し、さまざまなフレーバーを楽しむことも可能です。
また、イズネスサウナでは1時間ごとにパワフルなオートロウリュが実施され、強烈な熱気を楽しむこともできます。好きな方に合わせて、心ゆくまでサウナの魅力を味わえる施設です。

まとめ

今回はロウリュの意味や由来、種類などについての解説とロウリュサービスが魅力的なオススメ施設をご紹介しました。フィンランドではほとんどの家庭にサウナがあり、仕事や生活の息抜きとして日常的にロウリュが楽しまれています。ロウリュの深いリラックス効果を堪能し、ぜひ暮らしを彩るちょっとした息抜きとしてお楽しみください。

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松島広人(フリーライター)

Webディレクターとしてコンテンツの企画・編集・校正・執筆・SEOを担当する傍ら、フリーランスのWebライターとしても精力的に活動。業種・業界を問わず多数のジャンルを手がける。ポップカルチャー・サブカルチャーにも精通しており、幅広い知識を活かしたライティングを得意とする。

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