ニコン「Z5」は、Z6やZ7に近いボディフォルムだが、上面グリップ側には表示パネルがなく、撮影モードダイヤルを配置。エントリーモデルらしい仕様だ。また、3.2型・約104万ドットの液晶モニターはタッチパネル式。上下に動かせるチルト式だが、上向き展開してもファインダー接眼部に遮られる心配がない。
今回のテストアイテムはこちらニコン Z5
実売価格例:18万2600円(ボディ)
●プロフィール
フルサイズミラーレス一眼のエントリーモデル。先行のZ7やZ6と比べると、連写性能など見劣りする部分もあるが、高精細な電子ファインダーやボディ内手ブレ補正の搭載など、基本的な仕様や機能は踏襲している。
Z6やZ7に近いボディフォルムだが、上面グリップ側には表示パネルがなく、撮影モードダイヤルを配置。エントリーモデルらしい仕様である。
SPEC
●撮像素子/フルサイズCMOS(約35.9mm×23.9mm)●有効画素数/2432万●レンズマウント/ニコン Z●記録画素数/最大6016ドット×4016ドット●ファインダー/0.5型(約369万ドット)、倍率:約0.8倍、視野率:約100%●ISO感度/100〜5万1200、拡張10万2400相当●連続撮影速度/約4.5コマ/秒●液晶モニター/3.2型(約104万ドット)●記録媒体/SD/SDHC/SDXC(UHS-II対応)●通信/Wi-Fi(IEEE802.11ac)、Bluetooth 4.2●電源/専用リチウムイオン●サイズ/幅134mm×高さ100.5mm×奥行き69.5mm●重量/675g
前面と上面カバーにマグネシウム合金採用
外観デザインは、2018年秋に発売された上位モデルのZ7/Z6に近い。また、エントリーモデルでありながら、ボディの前面と上面カバーには、軽量で堅ろうなマグネシウム合金を採用。接合部にはシーリングを施し、防塵・防滴性能も確保している。
有効2432万画素のCMOSセンサーは、Z6に近い画素数だが、Z7/Z6のような感度特性に優れる裏面照射型ではない。とはいえ、ISO3200〜6400くらいまでは、良好な画質が得られる。
約369万ドット・0.5型の電子ビューファインダーは、上位モデルと同仕様であり、高精細で自然な見え具合は、かなりハイレベル。チルト式の3.2型モニターは、ドット数が上位モデルの約半分だが、実用上での不満は感じない。
タッチパネル式の液晶モニター
3.2型・約104万ドットの液晶モニターはタッチパネル式。上下に動かせるチルト式だが、上向き展開してもファインダー接眼部に遮られる心配がない。
高速連続撮影の速度にやや不満が残る
その一方、高速連続撮影に関しては、やや不満が残る。AF/AE追従で約4.5コマ/秒。これは、Z6の約12コマ/秒や、Z7の約9コマ/秒(この数値でのAF/AE追従にはファームウエアの適用が必要)と比べると見劣りする。エントリーモデルにそこまでの数値を求めるのは酷だが、動体撮影を考えるともう少し高い連写能力(6〜7コマ/秒程度)が欲しい。
チルト機能とタッチAFを使用して撮影
「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」との組み合わせは、約870グラムと軽量。モニターチルト機能とタッチAFを使用した撮影も快適に行える。
それ以外では、4K動画撮影時にクロップで画角が狭くなる(1.7倍)ので、風景撮影などでは物足りない。なお、上位モデルより優れている点として、記録メディアのダブルスロット構成や、犬や猫の瞳を検出する「動物AF」の搭載などが挙げられる。
撮影機能では上位機との差はあるものの、基本仕様などは十分なレベル。フルサイズ一眼のビギナーに限らず、多くの入門ユーザーが快適に使うことができるだろう。
おすすめ度…A
エントリー機ながら上位モデルの基本機能を踏襲。ボディも、軽量で堅ろう
ココが〇
上位機譲りの堅ろうな安心ボディ。高品位な電子ファインダーや動物対応のAFシステムも良好。新標準ズームとの軽快な組み合わせもいい。
ココが✖️
高速連続撮影が約4.5コマ/秒と遅め。AFエリアモードに、他社のようなゾーン系モードがない。4K動画がフルフレームではない。
※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C-」までの9段階評価になっています。
※価格は記事作成時のものです。
解説/吉森信哉 (フォトグラファー)