2020年8月のフィッシング詐欺報告件数は2万件を超え、6600件ほどだった1月に比べ、3倍以上の急増だ。コロナ禍によりネットショッピングの利用が増え、それをねらった詐欺も増えているという状況だ。SMSによる不在通知は、すべて詐欺と考えて間違いない。
毎日のように起こるネットがらみの事件。注目の事例を紹介するとともに、その対策も解説していこう。
■解説者のプロフィール
福多利夫(ふくた・としお)
デジタル関連のフリーライター。インターネット以前のパソコン通信時代からのネット民。家電製品協会認定の家電総合アドバイザーでもある。
あなたもねらわれている!?
ネットの“アブない”事件簿
ネットショッピングが詐欺にねらわれている!
フィッシング詐欺が猛威をふるっている。フィッシング対策協議会によると、2020年8月のフィッシング詐欺報告件数は2万件を超え、6600件ほどだった1月に比べ、3倍以上の急増だ。コロナ禍によりネットショッピングの利用が増え、それをねらった詐欺も増えているという状況だ。
■フィッシング対策協議会が何度も注意喚起!
手口で多いのは、宅配業者の名前で不在通知のSMSが届き、記載されているURLをタップすると、宅配業者のサイトが表示される。これは巧妙に作られた偽サイトで、ここに個人情報やクレジットカード情報を入力すると、カードが不正使用されて金銭的被害が出るというもの。
■ショッピングサイトからのSMSは詐欺だ!
そのほか、アカウントの更新手続きや未払い請求、商品発送の連絡など、最初にアプローチしてくる方法には、いくつかのバリエーションがある。しかし、メッセージにURLが記載されていて、それをタップ(クリック)すると偽サイトに誘導されるという手法は共通している。
かつては、文面の日本語がたどたどしいとか、メッセージの送信者名が本物と微妙に異なるといったアラもあったのだが、現在では本物と見分けがつかないことも多い。ただし、宅配業者の不在通知がSMSで来ることはないので、反応しないこと。もしタップしてしまっても、個人情報やカード情報を入力しないことが大切だ。
処方箋
SMSによる不在通知は、すべて詐欺と考えて間違いない。宅配業者や通販サイトからSMSやメールで通知が来ても、記載されているURLをタップするのは厳禁。いつも利用しているブックマーク、または宅配業者や通販業者の専用アプリを使って確認する癖をつけたい。
今回のネットのアブない事件簿
「配送の連絡を装うSMSは罠! 」
SMS(ショートメール)やメールで、配送業者の名前で、「届け物があったが、不在だったので持ち帰った」旨のメッセージが届いた。
連絡先とされるURLにアクセスし、配送業者のものとそっくりなサイトに個人情報やクレジットカード番号などを入力したら、情報が盗まれて金銭的被害が出た。
■解説/福多利夫
■イラスト/早川修