プロバイダーとは、NTTなどが提供する光回線をインターネットにつなぐ接続事業者のこと。契約しているプロバイダーに不満を抱いている場合は、他社への乗り替えも検討しよう。ここでは、主要なプロバイダーの系列(経営母体)と特徴を解説する。また、メアドが残せる各社のコースなども知っておくといい。
速度は? 料金は? サービスは?
プロバイダーを乗り替えるといいことがある? 何が変わる?
プロバイダーとは、NTTなどが提供する光回線をインターネットにつなぐ接続事業者のこと。契約しているプロバイダーに不満を抱いている場合は、他社への乗り替えも検討しよう。
プロバイダーの乗り替えで期待できる効果にはいくつかあるが、やはり通信速度は気になるポイント。回線自体が同じであれば、プロバイダーを替えても速度は変わらないとされている。
しかし、「バックボーン」と呼ばれる基幹回線の帯域は事業者ごとに異なる。バックボーン帯域にゆとりがあるプロバイダーでは、混雑時間帯でも速度が落ちにくく、安定した通信が可能だ。
最近では、「IPoE」と呼ばれる高速かつ安定した次世代通信方式も登場。速度にこだわるなら、これらの条件を満たすプロバイダーを選んだほうがいい。
料金面で不満がある場合は、月額基本料の安さに加え、割引制度が充実しているプロバイダーを選ぶといいだろう。特に、契約を光コラボにすると、スマホなどとのセット割引が手厚くなる傾向にある。
●プロバイダー乗り替えの目的と選び方
通信速度の安定
バックボーンが強い、IPoEに対応するプロバイダー
費用を安くする
月額基本料が安く、割引制度が充実しているプロバイダー
サービス面の手厚さ
オプションの豊富さやサポート体制に定評のあるプロバイダー
プロバイダーによって、意外と差があるのがサービス面。便利なオプションの種類や、顧客サポートがしっかりしたところを選びたい。もちろん、企業としての信頼性も大きなポイント。やはり大手の系列のほうが、通信設備やサービスの拡充にも期待ができる。
●主要なプロバイダーの系列(経営母体)と特徴
プロバイダー | 系列 | 特徴 |
OCN | NTT | 国内最大級のプロバイダーで、強靭なバック ボーンが強み。有料のプレミアムサポートも 用意されている。 |
So-net | ソニー | 「So-net光プラス」では、プレイステーション 関連の特典もあり。自社の光回線「NURO光」 にも対応する。 |
Yahoo!BB | ソフトバンク | スマホとのセット割、PayPayなどと連係した オプションサービスが充実。主流は光コラボ の「SoftBank光」。 |
BIGLOBE | KDDI | フレッツ光に加え、数多くの回線に対応。光 コラボの「ビッグローブ光」ではキャッシュ バックが手厚い。 |
ぷらら | NTTドコモ | 光コラボの「ぷらら光」「ドコモ光」が主流。 契約時の特典が手厚く、dポイントのプレゼン ト企画もある。 |
プロバイダーを選びやすい回線事業者は?
フレッツは選択肢豊富、auはまずまず、NUROはSo︱net一択になる
契約先の光回線事業者によって、選べるプロバイダーは異なる。
フレッツ光の場合は、選択できるプロバイダーの種類が豊富。OCN、BIGLOBE(ビッグローブ)などの有名どころはもちろん、地域密着系の小規模なプロバイダーまで幅広い。
auひかりの場合は、自社の「au one net(エーユーワンネット)」に加え、「@nifty(アットニフィティ)」「ASAHI(アサヒ)ネット」「BIGLOBE」など大手のプロバイダーからも選択可能だ。
一方、NURO光、eo光などは回線事業者自らがプロバイダーとなっているので、ほかは選べない。また、光コラボの場合も、基本的には事業者自身がプロバイダーになる。ただし、「ドコモ光」は例外で、多くのプロバイダーから選ぶことが可能だ。
●主な光回線と対応プロバイダーの例
タイプ | 光回線 サービス |
プロバイダー |
光回線 (光コラボ含む) |
フレッツ光 | OCN Yahoo!BB So-net BIGLOBE ぷらら @nifty GMOとくとくBB DTI ASAHIネット |
auひかり | So-net GMOとくとくBB BIGLOBE au one net @nifty ASAHIネット DTI |
|
光回線 (プロバイダー 一体型) |
NURO光 | So-net |
eo光 | eo光 | |
BBIQ | BBIQ | |
スマホ キャリア系 光コラボ |
ドコモ光 | @nifty ぷらら DTI BIGLOBE OCN など |
ソフトバンク光 | ソフトバンク光 |
月額数百円程度で継続利用可能!
プロバイダーを乗り替えたいけど、メールアドレスを変えたくない!
プロバイダーから付与されたメールアドレスは、解約すると当然使えなくなる。しかし、自営業者やフリーランスなど、仕事用のアドレスとして使っている場合、変更で支障が出ることも多い。
また、ショッピングサイト、SNSなど、会員登録用のアドレスとして使っている場合は、各サイトで変更手続きが必要だ。煩雑さなどを考えると、メールアドレスだけは残したいという人も多いだろう。
実は、主要プロバイダーの多くでは、月額数百円程度でメールアドレスだけを残せるコースがある。これらのコースに契約を変更すれば、ほかのプロバイダーへ乗り替えたあとも、同じアドレスを使い続けることが可能だ。気になる人はぜひ検討してみよう。
●メアドが残せる各社のコースの例
プロバイダー | コース名 | 月額料金 |
So-net | モバイルコース | 220円 |
OCN | バリュープラン | 275円 |
BIGLOBE | ベーシック | 220円 |
TikiTiki | メールアドレスコース | 385円 |
@nifty | @nifty基本料金 | 275円 |
ぷらら | ぷらコミ0 | 220円 |
au one net | メール専用コース | 550円 |
Toppa! | メールプラン | 385円 |
DTI | Ubicプラン | 220円 |
ASAHIネット | 電話料込みコース 【K1プラン】 |
330円 |
BB.excite | BB.exciteメール | 418円 |
ODN | メールコース | 220円 |
@TCOM | メールコース | 330円 |
hi-ho | ちょこっとコース | 220円 |
WAKWAK | WAKWAK メール専用 コース |
220円 |
シナプス | シナプス・シンプル | 308円 |
※価格は記事作成時のものです。
■解説/宮下由多加(ITライター)