玄関がごちゃごちゃしていると家全体が散らかっているようにみえます。出さない収納でスッキリ気持ちのいい玄関にしましょう。【解説】村越克子・笠原恭子
著者のプロフィール
村越克子(むらこし・かつこ)
編集会社勤務を経てフリーライターとして生活情報誌を中心に家計・家事・家族関係などをテーマに執筆活動を続ける。主著に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』『いつのまにかお金がなくなる人のための今度こそ貯金ができる方法』(永岡書店)。
笠原恭子(かさはら・きょうこ)
出版社勤務を経てフリーランスに。面倒くさがり屋でもできる工夫生活の楽しさに目覚め、片づけ・収納ほか、さまざまな家事のアイデアについての記事を執筆。著書に『リメイクッキング』(しょういん)。
本稿は『汚い部屋から今度こそ絶対抜け出す本』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。
玄関収納のコツ
玄関は「出さない」収納
人が来たときに、まずはじめに見られるのが玄関。ここがごちゃごちゃしていると第一印象が悪くなり、家全体が散らかっているように思われることも。
でも1人暮らしの部屋の下駄箱は小さくての靴が入りきらず、玄関のたたきいっぱい靴だらけ、なんていう事態に陥っている人も多いはず。ちょっとした片づけワザを使って、スッキリ気持ちのいい玄関に変身させてしまいましょう。
ふだん履かない靴は別の場所に移動
玄関の収納スペースといえば下駄箱。よく履く2、3足以外の靴を全部ここにしまうことができれば、たたきも広々スッキリと片づくはず。でも下駄箱は小さい上靴が多くてこれ以上入らない……。そんなときは、下駄箱のなかをもう一度点検しましょう。
買ったきり忘れている流行遅れの靴、以前はお気に入りだったけどくたびれてもう履かない靴など、ぞろぞろ出てきませんか? できれば即刻処分したいものですが、ムリなら紙袋などに放り込んでガムテープで封をして、「靴 処分可」などと書いてとりあえずは押し入れの奥などに移動させるのがおすすめです。
これでかなりの空きスペースができたはずですが、それでもスペースが足りない場合は、あまり出番のない冠婚葬祭用の靴、ブーツやサンダルなどシーズンオフの靴なども別の場所に移動させる必要があります。
これらの靴を入れる容器は、衣類用の透明な引き出しケースが便利。紙箱からすべて出して引き出しケースにしまって、そのまま押し入れに入れておきます。透明で中身が見えるので、必要なとき迷わずすぐに取り出せます。
下駄箱の棚板はCDケースを使う
棚の間隔が広い下駄箱の場合、棚板を増やすワザで収納力は倍増します。方法は簡単。不用になったCDケースを棚の両脇に2枚ずつ立てて両面テープで貼りつけ、それを支えに板を渡せばいいのです。棚板のサイズを測ってからDIY店に出向き、その場でちょうどいい寸法にカットしてもらいましょう。
CDケースの高さがあれば、5センチヒールの靴まで十分に入ります。どんな靴かひと目でわかるように、靴の先を前にして入れるのがコツです。
「Z型ホルダー」なら収納力2倍に
もっとお手軽なところでは、100円ショップなどで売られている、左右の靴を上下交互にして収納するZ型の靴用ホルダーを使うのもおすすめ。1足を上下に入れられるので、すき間が消えて収納力が2倍にアップします。
ホルダーは2個セットで使うのがコツ。表側によく使う靴を入れ、裏側にシーズンオフの靴を入れれば、わざわざラックを外に出さなくても出し入れでき、「ホルダーに入れるのが面倒で、たたきに靴が散らばった」を防ぎます。
手作りの棚に靴や帽子を並べる
それでも収納スペースが足りない、という人には、手作りの靴棚がおすすめです。靴の高さに合わせて両側にレンガを積み、DIY店でカットしてもらったちょうどいい幅の板を渡すだけでできるから簡単。積むレンガの数を調節すれば高さのある靴も収納できるので便利です。しかも片づけは靴を棚に乗せれば終了! 置くだけだからラクチンです。最近は一般的なレンガ色以外にホワイトやニュアンスのあるアースカラーなど、いろんな色のレンガが出ています。板も含め、玄関のインテリアカラーに合う色を選びましょう。よりスッキリ見せたいなら、上から布をかけて目隠しするのもおすすめです。
棚の一番上の段にはカゴを置き、よくかぶる帽子や、冬ならマフラーや手袋などの指定席にすれば、放り込むだけで片づけ完了。玄関に置いておくと便利な雑貨がおしゃれにしまえます。
靴の箱を改造する
買ったときに靴が入っていた紙箱を重ねて収納に利用している人もいると思います。それも1つの方法ですが、箱のままだと何が入っているかわからないし、下の段のモノはいちいち箱を出して靴を取り出すという手間が面倒。
そこでおすすめなのが、靴の箱の改造です。箱の側面のどちらか一方に上から縦にはさみを入れて底辺にも切り込みを入れます。観音開きになるようにしたら、内側に折り込んでテープでとめるだけ。
フタが靴を置く台になるようにくるりとひっくり返し、開いた口から靴を出し入れすればいいのです。これなら箱を重ねても下の靴を簡単に取り出せます。
レンガを靴置場に
すぐ履かない靴をしまって広々したはずなのに、いつのまにか靴が出しっぱなしになってしまう。そんなときは玄関にレンガを2個ずつセットにして並べ、そこをよく履く靴台に決めましょう。ここだけしか靴を置かないと決めれば、いつもスッキリした玄関をキープできるようになります。しかもレンガの上に置いただけですが、不思議と雰囲気のいいスペースになります。
靴箱の「扉の裏」を活用
玄関を出ようとした瞬間に「あ、ティッシュ忘れた」なんてこと、よくありませんか? 扉を開くタイプの靴箱の場合、扉の裏にフックをつけて数段つながっているウォールポケットを吊るしてみましょう。ここをポケットティッシュなどの置場にすると、出がけにさっと取り出せて重宝します。外でティッシュをもらったときなどに、帰ったらすぐしまえるのも便利。冬には使い捨てカイロをストックしておくのもよいかもしれませんね。
カギも玄関に置いておきたいモノの1つ。よく見えるところに吊るすと不用心な気もするので、これも靴箱の扉の裏の一番取り出しやすい位置に住所を作ってみましょう。ウォールポケットの1段をカギ専用にして放り込めるようにしてもいいし、フックに吊るしてもOK。これで、カギを忘れたと言って部屋まで戻って探すこともなくなります。
来客用スリッパはふたつきカゴに
来客用のスリッパはお客様が来ない限り玄関ではじゃまモノ。でもいざというときすぐ使えるように、ふたつきのおしゃれなカゴに放り込んで玄関に置いておきましょう。カゴの上にランチョンマットなどを敷き、花やアロマキャンドルを飾れば、ディスプレイスペースに早変わりです。
玄関にハシゴ?これが便利!
雑貨店などで、アンティーク調や白く塗られたハシゴが売られていたら、これを玄関の上がり口の壁に立てかけて収納に使うのもおすすめ。
カサの柄をそのままヒョイとかけられるし、S字フックをプラスすれば、買い物バッグや折りたたみカサ、帽子、コートなど、ゴチャつきがちなものをひっかけて収納できます。置くだけで特別な時間もかからず、スッキリ省スペース。これこそラクチンな「飾る収納」のお手本です。絵になるハシゴを選ぶことと、ひっかけすぎないことがスッキリ見せるコツです。
POINT
お客様の第一印象を左右する玄関はスッキリが大原則。靴はなるべく外に出さない工夫を!
なお、本稿は『汚い部屋から今度こそ絶対抜け出す本』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※(7)「キッチン収納のコツ」はこちら