【キッチン収納のコツ】使い勝手を考えた実用的な収納方法 シンク下や引き出しの整理整頓術はコレ!

暮らし・生活・ペット

キッチン収納は使い勝手を考えた収納にすると便利です。使用頻度の高いモノは出しっぱなし収納、出したままでは雑然と見えるモノは放り込める収納など、生活感があふれるモノを「飾りながら」収納&片づけるワザをマスターしましょう。【解説】村越克子・笠原恭子

著者のプロフィール

村越克子(むらこし・かつこ)

編集会社勤務を経てフリーライターとして生活情報誌を中心に家計・家事・家族関係などをテーマに執筆活動を続ける。主著に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』『いつのまにかお金がなくなる人のための今度こそ貯金ができる方法』(永岡書店)。

笠原恭子(かさはら・きょうこ)

出版社勤務を経てフリーランスに。面倒くさがり屋でもできる工夫生活の楽しさに目覚め、片づけ・収納ほか、さまざまな家事のアイデアについての記事を執筆。著書に『リメイクッキング』(しょういん)。

本稿は『汚い部屋から今度こそ絶対抜け出す本』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。

キッチン収納のコツ

使い勝手を考えた収納

狭いスペースにたくさんの食品、食器、 調理グッズや保存容器が集まるキッチン。モノをムダなく使いこなすためにも、使用頻度の高いモノは「一番よく使う場所」に「出しっぱなし」にすると便利。生活感があふれるモノを「飾りながら」収納&片づけるワザをマスターしましょう。

ただし、出したままでは雑然と見えるモノは、シンクやガス台の下の棚や吊り戸棚、引き出し、カゴなど、見えない場所にポンポン「放り込める」収納スペースを作るのが正解。

見た目にこだわりつつも、ストレスをためずに片づけられるワザを、できるところから少しずつ試していけばOK。キッチンが徐々に使いやすくなって、お料理がもっと楽しくなることうけあいです。

よく使うキッチンツールやカトラリーは立てて出しっぱなしに

おたまや菜箸、フライ返し、木べらなど、毎日使うキッチンツールを引き出しにしまうと、出したりしまったりが面倒。縦長の入れ物に立てて、出しっぱなしにした方がラクチンです。

ただし、あまりたくさん立てると、ごちゃごちゃして取り出しにくくなるので注意。どれもふだん使うモノが1〜2個ずつあれば十分です。使いやすさはもちろん、見た目のいいモノ、テイストの合うモノを選びましょう。

毎食使う箸やスプーン、フォークといったカトラリーも、立てて出しっぱなしがラク。使うモノだけを厳選して陶器のカップなどに立てておき、食事のたびにそのままテーブルに移動。食事が終わったら入れ物ごとキッチンに運び、洗ったらまたそこに戻す、を繰り返せば、使い勝手バツグンです。

立てる容器の選び方ですが、缶やプラスチック製のモノはカトラリー入れにはいいのですが、キッチンツールを立てると上部が重くなって倒れてしまいます。陶器など、重さのあって安定感のある入れ物がおすすめです。

予備のカトラリー類は透明ジッパー袋にひとまとめにして、引き出しなどに入れておくと、「かさばらずに収納」&「必要なときすぐに取り出せる」を両立できます。

スパイスや調味料はおそろいの瓶に移して

お料理好きな人のキッチンには、スパイスや調味料などがついつい増えてしまいがち。ふだんの料理に積極的に使いたいのなら、しまい込まずにまとめてガス台の近くに出しっぱなしにしておく方が便利です。

でも、瓶の色やデザインがバラバラだと、出しっぱなしにしたときに雑然と見えがち。おそろいのシンプルなボトルを買ってきて、スパイスや調味料の中身を移して使えばスッキリ。100円ショップにもシンプルなキャニスターが売っています。数週間で使いきれる量だけ瓶に入れ、残りは冷蔵庫に保存すれば、色や香りもキープできます。

ローリエやトウガラシなど、見栄えのするスパイスは、粉モノスパイスより大きめのゆったりサイズのキャニスターに入れて並べれば片づいた印象に。フタの色がシックで余計な飾りのついていないシンプルなジャム瓶などを再利用してもいいでしょう。直接瓶にシルバーのマジックで「basil」などと名前を書きこめば、ラベリングも完了。使うときにも迷いません。

おそろいの缶で統一感が生まれスッキリ。ラベルを貼ればカンペキ
イラスト/えのきのこ

ガス台周りの壁に棚やフックをつけて出しっぱなしに

キッチンツールや、スパイスや調味料など、ガス台周りで出しっぱなしにしておきたいものはたくさん。でも、そのまま並べたのでは場所ふさぎになるので、ガス台周りの壁の高さを上手に利用して収納する工夫をしましょう。

壁につけられる奥行きの狭いラックや小さな棚をプラスすれば、スパイスや調味料をずらりと並べるのにぴったり。

ステンレス製のネットやポールを壁に取りつけて、S字フックでキッチンツールを吊るしておけば、料理をしながらすぐ手を伸ばして使えるので便利。木製やステンレス製など、素材・形がおそろいのツールを吊るせば、出しっぱなしでも雑然としません。

「毎日」鍋と「たまにしか」鍋をいっしょに置かない

鍋やフライパン類をガス台やシンクの下に収納している人は多いと思いますが、毎日使う鍋やフライパンなどは扉を開けて取り出す、という手間がやはりおっくう。特に、たまにしか使わない鍋やフライパンと重ねて収納していると、出すのにもしまうのにもイライラしてしまいます。

ならば、使う頻度によって「住所」を変えましょう。たまにしか使わないものはガス台やシンクの下でいいのですが、毎日使う鍋やフライパンだけ1個ずつ、外に出してしまえばいいのです。

ガス台前の壁にフックをつけて吊るしたり、ガス台からひょいと振り向いたところにあるオープンラックなどにさっと入れられるスペースを作るなど、ちょっとの工夫でぐんと使いやすくなります。

食器棚は「白」と「色つき」で分けるとスッキリ

食器棚のなかがごちゃついて見える最大の原因は、いろいろな色の食器が混ざっているから。食器の質感や大きさ、高さが違っていても、食器の色をそろえて並べれば、統一感が出てスッキリ見えます。

たとえば、一番目につく段は透明なグラス類やガラスの食器だけにして、その上の段はふだんよく使っていてお料理も映える白系、一番下の段には色つきの食器などと、おおざっぱなルールで並べるだけでもOK。

この場合もびっちり詰め込まず、ゆったり並べれば、ふだん使いの食器もちょっとスタイリッシュに見えます。

引き出しはざっくり放り込むのに最適。カゴでも作れる!

オープン棚を収納に使う場合、棚板の高さを全部同じにする必要はまったくありません。一段だけ高さを狭めて、ぴったりサイズの浅くて平らなカゴ数個を入れて引き出せるようにしましょう。

引き出しのないオープンラックに、放り込み収納もOKの引き出し機能がプラスされ、グンと使いやすくなります。さらに、見た目の変化がついてオシャレ度もアップ。

形や大きさの違う小皿類や予備のカトラリー類、お弁当用の小物、ふきんなどを、種類別にざっくり分けて収納するのに重宝します。

すべての引き出しにいえることですが、あまり細かく分類したり、ぎゅうぎゅうに詰め込むとかえって使いにくくなるので注意。「1つの引き出しに1ジャンル」を目安に、ゆったり放り込む収納にしておけばストレスなく使えます。

ワイン木箱も「放り込む」収納に大活躍

酒屋さんで1箱500円程度で分けてもらえるワイン木箱は、キッチンの収納グッズとしてもとても優秀。置いておくだけでさまになり、しかもたっぷり入るので、じゃがいもなど冷蔵しない野菜、缶詰、おやつやストック食品をまとめてざっくり入れておくのにぴったりです。

ただしぎゅうぎゅう詰めだと、探しにくく取り出しにくいので、7割収納を厳守するのがコツ。なかでモノを動かせるくらいのゆったり収納にします。

ワインの木箱は床にじか置きして重ねるだけでも絵になりますが、オープンラックの下段で引き出し代わりに使うのも便利です。ひと手間プラスして、底面に市販のキャスターを取りつければ、引き出すのがラクになり、より使いやすくなります。

同じタイミングで使う仲良しさんはひとまとめに

朝食は洋食だったらパンとコーヒーとフルーツヨーグルト、和食だったらごはんとみそ汁と、サラダを添えた目玉焼きなど、だいたいパターンが決まっている、という人は、使う食器をひとまとめにしてカゴやトレイにまとめておくと便利。忙しい朝に、食器棚の前であれとこれ、などと迷わずに、全部まとめてサッと取り出せます。

また、ティーポットとカップ&ソーサー、シュガーポットとスプーンなども、ひとまとめにしておきましょう。食器棚のなかにトレイやカゴごと引き出せるように入れてもいいし、カウンターに出しっぱなしにしてもOK。クロスをかけておけばホコリも気になりません。

冷蔵庫内でも、ひとまとめテクは応用できます。パンにつけるジャムやバターをまとめた「洋食セット」、ふりかけやのり、梅干しなどをまとめた「和食セット」など、カゴやトレイにまとめて入れておくとラクです。

おしゃれな洗いカゴなら食器はしまわなくてもOK

食器を洗った後、洗いカゴにふせたまま次に使うまで出しっぱなし。毎日何度も使うコップやマグカップなら、これが一番ラクです。

ただし、やっぱり雑然としているし、なんとなく無精な感じが気になる、という人も。だったら、洗いカゴを思い切ってチェンジ! アイアン製で脚のついたフルーツカゴなどを、洗いカゴがわりに使ってみましょう。入れ物のビジュアルがいいと、洗いっぱなし、置きっぱなしでもなんとなく片づいているように見えるから不思議。ナチュラルカラーのクロスを下に敷けば、水受けトレイのかわりにしっかり水を吸い取ってくれます。濡れたクロスはそのまま台拭きとして1回使ってから洗濯機で洗えばOK。

ふたがロールアップ式になっているブレッドケースにクロスを敷き、洗いカゴとして使うのもおすすめ。出し入れも簡単だし、インテリアになじまない食器も丸ごと隠せます。

派手なお菓子袋はふたつきカゴに

コンビニやスーパーに行くたびに、ついつい買ってしまうスナック菓子。でも、原色系の派手なパッケージが多く、出しっぱなしにすると一気に雑然とした雰囲気に。買い物袋から取り出したら、すぐふたつきのカゴに直行させましょう。ドサッと入れてふたをするだけで、生活感のあるパッケージを隠しながらたっぷり収納できます。

開封した袋は口の部分をくるくる丸めて目立つクリップでしっかりはさみ、上の方に置いておきます。ひと手間かけるなら、カゴのふた部分に太いゴムを2本かけ、そこに開封済み袋をはさんでおけば、食べ忘れを防げます。

ストック食品は種類別にジッパー袋にまとめてから収納

乾物などの食品はついしまいっぱなしになったり、同じモノを何個も買って、賞味期限切れなどでムダにしてしまいがち。

必要なときにすぐ取り出せるよう、「ストック食品」専用のカゴや箱を用意してざっくり収納するのがおすすめですが、問題は使いかけの小さな袋などがなかにうずもれて、行方不明になってしまうこと。そこで、おすすめなのが、大きめの透明ジッパー袋です。

「わかめとひじき」「だし類」というようにジャンル分けして名前を書いてカゴに収納しておけばそこが立派な「住所」。探すのもラクだし、在庫も一目でわかります。使い切ってからっぽになってしまっても、そのジッパー袋は入れっぱなしにしておきます。「あ、ないな」と気づいたときに、補充すればいいのです。

同じタイミングで使うモノをセットにしておくと準備がラク
イラスト/えのきのこ

お米を引き出しケースに収納

お米を炊くのって面倒くさい。そう思う原因の1つに、米びつやフタつきのケースからお米を取り出すのが大変だからという理由、ありませんか?

(1)入れ物を棚などから取り出し、(2)フタを開ける。この手間を省くために、衣類などを収納する引き出し型のクリアケースに入れるという方法があります。片手でさっと引き出して、もう片方の手でパッとお米を量ることができてラクチン。しっかりした作りのモノなら、虫も寄せつけません。

シンクの扉裏にウォールポケットをかけて小物入れに

シンクやガス台下の戸棚の扉の裏は意外な穴場。扉が閉まるサイズのウォールポケットをフックで吊りさげると、アルミカップ、ばらん、ソース入れなどのお弁当小物一式など、こまごましたキッチン小物をしまうのに重宝します。

スーパーなどでもらってくるレシピカードを、魚、肉、卵……などと食材別に分類して入れておくのにもおすすめ。今夜のおかずが一発で探せます。

吊り戸棚に、たまに使うモノを用途別ひとまとめ収納

高いところにあって取り出しにくい吊り戸棚は、ふだんよく使うモノを入れるのは避け、たまに使うモノだけを用途別にしまう場所にしましょう。

キッチン用品だけに限定する必要はありません。たとえば、「パーティ」とラベリングした箱を作って、紙皿や紙コップ、ナプキン、同じタイミングで使うテーブルクロス、メニュー表に使う紙なども一緒に入れれば、準備がラクになります。クリスマスに飾るオブジェをクリスマス用食器といっしょにしまってもOK。使うときに箱ごと取り出せばいいので、ぎっしり入れてもかまいません。

棚のサイズにぴったり&高さのある取っ手つきの収納カゴを100円ショップなどで手に入れれば、踏み台なしで取り出せて使いやすさ倍増です。

シンクの下はふだん使わない重くてかさばるモノ置場に

カセットコンロやホットプレート、土鍋や大きめの耐熱容器など、使うとき以外はかさばってじゃまですよね。でも、だからといって、吊り戸棚や食器棚の上などを指定席にするのは、落下の可能性を考えると危険です。

おすすめの指定席はシンク下。ここなら、重くてもラクに取り出せます。ただし、入れ方にはコツがあります。箱の出し入れ口を内側に折り込んで、箱を立てて置くのです。箱が仕切りになって、すっと取り出せます。

POINT
よく使うモノは出しっぱなし収納。使い勝手を最優先!

なお、本稿は『汚い部屋から今度こそ絶対抜け出す本』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。

汚い部屋から
今度こそ絶対抜け出す本
▼これまでどうやっても部屋を片づけられなかった人のために、絶対片づく方法を徹底紹介。▼常に足の踏み場がないくらい部屋が散らかっている、という最低レベルの人でも挫折しないよう、限りなくハードルの低い解説で構成。▼「これならできる! 」と必ず思える、使える一冊です。

※(6)「部屋の片付け・収納のコツ」はこちら

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