5G対応の新しいiPhoneが販売開始となり、Androidも5G対応端末が続々登場と、スマホは新製品ラッシュ。また、キャリアや料金プランも新展開が相次ぐ。ここでは、キャリアの通信料金値下げと、サブブランド&楽天の大容量プラン、eSIMについて解説していこう。
携帯料金はもっと下がる!? 現在のプランと料金を確認しよう
キャリアの通信料金値下げ
2020年9月に就任した菅義偉首相は、官房長官だったときから携帯料金の値下げに積極的で、日本の携帯電話料金は海外に比べて高く「4割ほど値下げする余地がある」と明言している。大手3キャリアは、相次いでこの要望に答えるプランの導入を発表している。
これまでも、携帯電話キャリアは、端末料金と通信料金の分離、解約違約金の値下げ、端末代金の割引額を上限2万円に制限するなどの施策を実施してきた。2019年6月にドコモが開始した「ギガホ」など、各社の現行プランは、従来プランより最大4割安くしたプランだ。
すでに新規加入を停止している旧プランを契約している人は、現行プランに変更すると支払い額が安くなる可能性がある。特に、家族で同じキャリアを利用している場合は割引額が大きいので、確認してみるべきだ。
●自分の料金プランと料金を確認しよう
【ドコモの場合】
■2015年9月以降の例(料金は税抜き)
項目 | プラン名称 | 月額料金 |
---|---|---|
基本料 | カケホーダイ ライトプラン (スマホ/タブ) |
1700円 ※1回5分以内の通話無料 |
データ通信 | ベーシック パック |
2900〜7000円 (1G〜20Gバイトまでの段階別プラン) |
インターネット 接続料 |
spモード | 300円 |
合計(5Gバイトの場合) | 7000円 |
↓
■2019年10月以降の例(料金は税抜き)
プラン名称 | 月額料金 | 備考 |
---|---|---|
ギガライト | 2980〜5980円 (1G〜7Gバイトまでの段階別プラン) |
|
通話料 | 20円/30秒 | 1回5分以内の通話無料オプションは、月額700円 |
合計 (5Gバイト の場合) |
5680円 ※5分以内の通話無料オプションも含む |
◀︎通話オプションありでも1300円値下げに! |
総務省が大手キャリアにさらなる値下げを求めるべく、発表したのが「アクション・プラン」。
eSIM(イーシム・・・物理的なカードは使わず、端末にデータとして書き込まれるSIMのこと。カードの送付が不要なので、オンラインで手続きを完了させることも可能)の普及や、携帯会社を変えてもキャリアメールを使い続けられるようにすることも求められている。
ただし、これらの施策が料金の値下げにつながるかどうかは未知数だ。
●総務省のアクション・プラン概要
1 | わかりやすく納得感のある料金・サービスの実現 ・通信料金と端末代金の分離 ・「頭金」など誤解を与える表記の是正 |
2 | 事業者間の公正な競争の促進 ・格安SIM事業者へのデータ接続料や音声卸料金の低減 |
3 | 事業者間の乗り替えの円滑化 ・MNP手続き料金や過度な引き止めの見直し ・固定と携帯のセット割引など、過度な囲い込みの見直し ・キャリアメールの持ち運びの検討 ・eSIMやSIMロック解除の促進 |
ワイモバイル、UQが相次いで20Gバイトの大容量プランを発表!
サブブランド&楽天に注目!
ソフトバンクとKDDIが相次いで、サブブランドにデータ容量20Gバイトの新料金プランの導入を発表した。これは、携帯電話料金の国際比較の基準が20Gバイトだったことに合わせたもの。
ソフトバンクのサブブランド、ワイモバイルは12月下旬から新プラン「シンプル20」を開始する。月額4928円で20Gバイトまでデータ通信が使えて、10分以内の国内通話も話し放題というもの。20Gバイトの超過後も最大1Mbpsで通信できることもメリットだ。同プランは、ソフトバンクの大容量プラン「メリハリプラン」(9328円)より4割以上安い。
KDDIのサブブランド、UQモバイルも2021年2月以降に、20Gバイトまで使える新プラン「スマホプランV」を開始する。月額4378円で、20Gバイトを超過した場合でも最大1Mbpsで使える。auブランドの使い放題プラン「データMAX 4G LTE」は8415円なので、やはり4割以上安い。UQモバイルのプランには通話定額が含まれていないぶん、ワイモバイルよりも安くなっているが、通話定額のオプションを追加すると同等になる。
なお、楽天モバイルは、月額3278円で楽天回線が使い放題、国内電話もアプリ利用でかけ放題となり、サブブランドよりも割安。楽天回線のエリア外ではKDDI回線につながり、5Gバイトまでしか使えないという制約はあるが、超過後でも最大1Mbpsで通信できる。行動範囲が楽天回線エリアになっている人は、試してみる価値はあるだろう。
●ワイモバイル、UQモバイル、楽天モバイルの料金比較
【ワイモバイル】
プラン名称 | 高速データ 通信容量 |
月額料 | 備考 |
---|---|---|---|
スマホ ベーシック プランS |
3Gバイト (13ヵ月間は 4Gバイト) |
2948円 (2〜7ヵ月めは 2178円) |
1回10分までの通話が無料 |
スマホ ベーシック プランM |
10Gバイト (13ヵ月間は 13Gバイト) |
4048円 (2〜7ヵ月めは 3278円) |
|
スマホ ベーシック プランR |
14Gバイト (13ヵ月間は 17Gバイト) |
5148円 (2〜7ヵ月めは 4378円) |
|
シンプル20 ※2020年12月 下旬提供開始 |
20Gバイト | 4928円 |
【UQモバイル】
プラン名称 | 高速データ 通信容量 |
月額料 | 通話料 |
---|---|---|---|
スマホ プランS |
3Gバイト (2〜14ヵ月めは 4Gバイト) |
2178円 | 22円/30秒 (オプションで「月最大60分まで通話定額:550円」「1回10分間かけ放題:770円」「通話し放題:1870円」を選択可) |
スマホ プランR |
10Gバイト (2〜14ヵ月めは 12Gバイト) |
3278円 | |
スマホ プランV ※2021年2月 以降提供開始 |
20Gバイト | 4378円 |
【楽天モバイル】
プラン名称 | 高速データ 通信容量 |
月額料 | 通話料 |
---|---|---|---|
Rakuten UN-LIMIT V ※5G通信も 追加料金なし |
楽天回線 データ無制限 ※KDDI回線は 5Gバイトまで |
3278円 ※300万人限定で 1年間無料 |
22円/30秒 (「Link」アプリ利用時はかけ放題) |
eSIMや5G、通話し放題など、安いだけじゃない個性派格安SIM
格安SIMがおもしろい!
大手キャリアから借りた回線を利用する格安SIMはデータ通信料が安く、数百円から利用できるプランから選べる。しかし、最近はサブブランドや楽天モバイルが注目を集めることが多く、存在感が薄れがちだ。その中で、健闘する個性派事業者を紹介しよう。
まずIIJは、月額165円で維持でき、使いたい容量のデータをオンラインで購入できるeSIMを提供。nuroモバイルは、月額330円から利用できる「お試しプラン」を用意。日本通信の「合理的かけほプラン」は月額2728円で電話がかけ放題になる(データは3Gバイトまで)。さらに、LinksMateは月額550円の「5G回線オプション」を用意し、格安SIMでもいち早く5G接続を提供中だ。
●日本通信
ドコモ回線を利用し、専用アプリ不要で音声定額を実現。ヤマダ電機グループの店舗でも取り扱いを開始。
●LinksMate
ゲーマーをターゲットにした格安SIM。ドコモの5G回線を利用できるオプションを提供している。
●IIJmio
老舗のインターネットプロバイダーによる格安SIM。ドコモの回線を使ったeSIMを唯一提供中。
※価格は記事作成時のものです。
■解説/村元正剛(ITライター)