新型コロナ禍でディスク用のクリーニングスプレーを使う機会も増えた。同じような成分(アルコール)を使っている除菌スプレーは、CDやDVDのクリーニングスプレーの代用になるのだろうか。読者からの質問に、専門家がわかりやすく解説してくれた。
消毒用の除菌スプレーはCDなどにも使える?
読者からの質問
新型コロナ禍で、自宅にてCDやDVDを鑑賞することが増えました。ディスク用のクリーニングスプレーを使う機会も増えましたが、同じような成分(アルコール)を使っている除菌スプレーは、CDやDVDのクリーニングスプレーの代用になりますか?(I.Iさん 栃木県 79歳)
編集部:
この質問は、フリーライターの福多利夫さんに聞きましょう。
専門家の回答
専門家:
「そういう工夫、私も好きです。市販されているCD・DVDクリーナー液(クリーニングスプレー)の成分を調べてみると、アルコールと界面活性剤というパターンが多いようですね。アルコールではないものの、アルコールに近い溶剤(イソパラフィン系溶剤)を採用している製品もあるようです。アルコールが含まれているという点では、CD・DVDクリーナー液と除菌スプレーは共通していますね。
CD・DVDクリーナー液がディスクをクリーニングする仕組みは、アルコールや界面活性剤で、ディスク表面の汚れや油膜を溶かして浮かし、それをクロスで拭き取るということです。これと同じことが除菌スプレーでできて、かつCD・DVDの盤面に悪い影響が出なければいいわけです」
編集部:
うまく行きますかね?
専門家:
「CD・DVDクリーナー液のアルコール濃度がわからないのはいったん無視して、除菌スプレーにアルコール以外に何が入っているかが問題ですね。除菌スプレーがアルコールと水だけでできていればいいですが、肌を保護するローションの類が入っていると、ディスクの表面にローションがコーティングされてしまうので、クリーニングとしては逆効果ですね。
そして、除菌スプレーのアルコール濃度が気になります。除菌スプレーのアルコール濃度は50~80%程度だと思いますが、これはCD・DVDクリーナー液より高濃度なのではないかと思います。クリーニングに適したアルコールの濃度がわからないので、除菌スプレーをディスク表面に塗布するのは、ちょっと怖いですね。
どうしても試したいなら、雑誌の付録のDVDなど、不要になったディスクで実験するといいでしょう。まあ、リスクを冒すよりは、100円ショップで買える安いCD・DVDクリーナー液を使ったほうが安心だと思います」
編集部:
クリーニング液を使わなくても、クロスで拭くだけでも、けっこうきれいになりますしね。ありがとうございました!