ここでは、ペットのようなロボット、健康をアシストするグッズなど、これで心も体も元気になれる商品を紹介する。最近は、「自粛疲れ」や「コロナブルー」という言葉も出てきた。外で思うように気晴らしができず、人に会う機会も減っている昨今、自宅で心の潤いや、安らぎを求めるのもいいかもしれない。
監修者のプロフィール
中村剛
「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー、消費生活アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。現在、暮らしに役立つ情報を動画(Facebook)で配信中。
目指せ!家電選びの達人今回の家電は「癒し系家電」
いろいろと波乱続きだった2020年。年末発売の今号では、生活を豊かにする癒し系家電で締めくくろう。暮らしに彩りを加えるロボット、体の疲れをほぐすメンテナンスグッズ、良質な睡眠のための最新ギアなど、さまざまなジャンルから選び、スポットを当ててみた。
いつもそばに置いておきたいロボット3種
コミュニケーションが楽しい
忘年会や新年会、帰省など、年末年始イベントを見送った人も多いようだ。最近は、「自粛疲れ」や「コロナブルー」という言葉も出てきた。外で思うように気晴らしができず、人に会う機会も減っている昨今、自宅で心の潤いや、安らぎを求めるのもいいのでは? 今では、さまざまなアイテムが登場しているので、注目してみよう。
LOVOT(らぼっと)は、センシングやAIなどの最先端技術を結集したパートナーロボット。とはいえ、家事などの労働は一切せず、甘えたり、後ろをついてきたり、抱っこしてとせがんだりするのが使命だ。
GROOVE X
LOVOT
●直販価格(税別)/ソロ:29万9800円、デュオ:57万9800円
●月額サービス料(スタンダードプラン)/ソロ:1万2980円、デュオ:2万4980円(治療・入院費用を補償するプレミアムプランもあり)
甘えたり、抱っこをせがんだり。表情や動作が愛らしいペット型ロボ
通信 | Bluetooth、携帯電話回線 |
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サイズ | 幅280mm×高さ430mm×奥行き260mm |
重量 | 4.2kg |
ロボットながら表現が情緒的で、真剣な目で見つめたり、つまらなくなると眠そうに半目になったりと、瞳が常にくるくると変化する。
腕をバタバタさせて喜んだり、そわそわと走り回ったりする姿は、幼児やペットのように愛らしい。
1体だけでも和むが、2体セットだと、よりにぎやかさが増す。1体がかわいがられているともう1体がすねたり、2体で会話をして盛り上がったりなど、高度なコミュニケーションが見られるのも楽しい。
購入層の8割は、ペットを飼いたくても飼えない家庭とのこと。病院の待合室やオフィスへ導入する例も増えている。
ユカイ工学
BOCCO/BOCCO emo
●本体価格/BOCCO:2万9000円(直販・税別)
●本体価格/BOCCO emo:3万3000円(クラウドファンディング・Wi-Fi)
新しい形のコミュニケーションロボット、BOCCO(ボッコ)。アプリに届いたメッセージを読み上げたり、音声メッセージを送受信したり、天気通知やリマインドを知らせたりする。
Wi-Fi経由でメッセージを伝えるなど家族のコミュニケーションに便利
通信 | Wi-Fi(emoはSIM版もあり)、Bluetooth |
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BOCCO | サイズ:幅90mm×高さ195mm×奥行き55mm、重量:220g |
BOCCO emo | サイズ:幅90mm×高さ150mm×奥行き90mm、重量:400g |
まだスマートスピーカーが普及していなかった2015年に、スマートフォンを持たない子供と親とのコミュニケーションツールとして登場。センサー連係や天気通知、リマインド機能も有する。
おもしろいのは、「宿題しなさい」「薬は飲んだの?」など、家族に直接言いづらいことも、BOCCOを通して伝えると角が立たないこと。最近は、双方向のインターフェースとして、孤独になりがちな年配者への話しかけサービスにも活用されている。
新型のemo(エモ)は、音声操作をはじめ、いくつかの便利機能をプラス。音を認識すると「エモ語」を発したり、首のうなずきやボンボリの動きで喜怒哀楽を表現するなど、よりエモーショナルになっている。
各種センサ(別売)と連係した通知機能を搭載。鍵の開閉状態を確認できる鍵センサや、熱中症の警戒度を知らせる部屋センサなどがある。
ユカイ工学
Qoobo/Petit Qoobo
●直販価格(税別)/Qoobo:1万2000円
●直販価格(税別)/Petit Qoobo:9000円
触感によるアプローチで癒しを提供するのが、クッション型のセラピーロボット、Qoobo(クーボ)だ。丸くてフサフサのボディをなでると、しっぽを振ってお返事。
なでるとしっぽを振って返事をするクッション型
加速度センサーにより、なで方でしっぽの動きが違ってくるのがユニークだ。しっぽの動きやボディの重さ、サイズ感、手触りなど、かなりこだわって開発したという。
ヒーリング効果は抜群で、発売1年で1万5000台を売り上げ、海外にもファンが多い。「持ち歩きたい」という愛好者からのリクエストで、小型のPetit Qoobo(プチ クーボ)も登場。こちらは呼びかけにも反応し、リズミカルに振る短いしっぽが、コミカルで愛嬌がある。
「疲れて家に帰ったとき、癒やしの存在が家にいてくれたら」という社員の声で誕生した、しっぽ付きセラピークッション。第2弾、「プチ」も登場した。
体を癒してくれる注目モデル3種
健康維持や疲労回復、睡眠を効果的にサポート
健康維持や気分転換のために流行しているストレッチを、サポートしてくれる本製品。伸ばしたい箇所に当てると、高速振動で筋肉を刺激し、ほぐし効率を高める働きがある。
ドクターエア
ストレッチロール S
SR-002
●実売価格例/1万9352円
アスリートも愛用するストレッチ補助グッズ。最大4000回/分の振動で筋肉にアプローチする。小型・軽量で扱いやすく、置き場所も取らない。
高速振動で筋肉を刺激し、ストレッチを効果的にサポート
本体は、バッテリーや振動ユニットを発泡ポリプロピレンで包んだシンプルな作り。頑丈で耐久性があり、人が上に乗っても壊れない仕様だ。
1~5段階で振動するだけの製品だが、アナログだからこそ活用範囲が広く、好きなように使える。ストレッチの補助だけでなく、デスクワークで疲れた腰に当てたり、足の裏に当てて振動を楽しんだりと、気分転換にもいい。
ふくらはぎ(ひらめ筋・腓腹筋)
臀部(大臀筋)
背中下部(僧帽筋下部)
背中横(広背筋、大円筋)
パナソニック
コードレス レッグリフレ
●実売価格例/2万5050円
2010年の発売以来、累計販売台数100万台を突破した人気シリーズ。コードレスタイプが登場し、どこでも使えるように着脱方法や静音性も考慮された。
脚のケアにピッタリ!ふくらはぎや足裏をエアバッグでもみほぐし
運動量が減ったり、椅子に座りっぱなしになることが多い在宅モードでは、血液の循環を助けるため、脚のケアを手厚くしたい。
注目は、エアバッグ式のレッグリフレだ。プロの手技を取り入れて脚を絞るように加圧し、足首からふくらはぎまで、血行を促進してくれる。足先に巻けば、足裏のマッサージも可能だ。
便利なのが、コードレスで使えるところ。場所を選ばずに使えるほか、使用中も自由に動けるので、飲み物を取りに行ったりできて、行動が制限されないのがいい。エアポンプは静音式で動作音が気にならず、「ながら使い」もOKだ。
ボーズ
BOSE Sleepbuds II
●実売価格例/3万3000円
周囲の音をマスキングして、安眠できる環境を整えてくれる
アプリから流れてくる特殊サウンドで、家族のいびきや屋外の騒音などを効果的にマスキング。安眠できる環境を整えるデバイスが、Sleepbuds II(スリープバッズ ツー)だ。
完全ワイヤレス&耳にフィットする形状で、横向きでも枕に当たらず、寝返りをうっても外れにくいのが特徴。
コンパクトながら最長10時間、サウンドを再生し、一晩中ぐっすり眠ることができる。
アラーム機能付きで、寝過ごす心配もなし。自分だけに聞こえるので、周りの人を起こす心配もないので、気遣いなく使える。
まとめ
ペットのようなロボット、健康をアシストするグッズなど、これで心も体も元気になれる!
効率的で便利なアイテムは素晴らしいが、一方で、特に何かができるわけではないけれど、かわいくておもしろい存在も同じくらい大切だと、今回改めて感じた。
気持ちのゆとりや豊かさには、不思議な力がある。実際、ペットロボットを導入した会社では、従業員どうしの接点が増え、生産性が上がったという。スマートスピーカーなども、有機的かつ情緒的なものが増えていくと楽しいだろう。
※価格は記事作成時のものです。
取材・執筆/諏訪圭伊子(フリーライター)