小学校の英語必修化にあたり、幼児期から子供に英語に触れさせたいと考える親が増えている。英会話教室に通うのも良いが費用が心配だし、コロナ禍で接触機会の多い習い事を見直す家庭もある。そこで、自宅で気軽に英語と触れ合える、「動画による英語学習」に注目が集まっている。筆者の子育て経験をもとに、世界最大級の人気動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」の数ある番組の中から、英語でも子どもが楽しんで見ていた番組を中心に紹介する。
Netflix(ネットフリックス)とは
Netflixとは、定額800円(月額)の契約で見ることができる動画配信サービスだ。料金プランの違いは、画質と視聴可能台数であり、最低料金800円で全作品を視聴可能。
2020年末時点で、全世界での契約数が2億人を突破。オリジナル作品を制作し、その作品がアカデミー賞を受賞するなど、ストリーミングサービスにとどまらない、今話題の世界有数の映像制作会社だ。
子供の英語学習にNetflixがおすすめな理由
数ある動画配信サービスの中でも、Netflixを選んだ理由は以下の点だ。
・海外アニメの種類が豊富で、Netflixオリジナル作品も多数あり、品質が高い。
・英語音声だけでなく、英語字幕を表示できる作品も多数ある。
・1つのアカウント内に、複数のユーザー登録が可能なので、親用と子ども用のトップ画面の切り替えが簡単。
・キッズ設定により、未就学児~小学生までの子どもの年齢に適した作品だけを表示させることが可能。また、個別に選択した作品を表示させないという設定も可能。
幼児もハマったおすすめ動画
筆者には、未就学児の2人の子どもがいるが、ほぼ毎日Netflixで英語版、日本語版の両方の番組を視聴している。その中でも、子ども心をとらえ、かつ、親としても安心して見せることができる番組を紹介する。毎回登場するお決まりのフレーズがあると、英語がわからなくても、話の展開を把握しやすいため、番組選びのポイントとしてお勧めだ。
(1)パウ・パトロール
人間の男の子RYDER(日本語版では、ケント)と個性豊かな子犬たちからなる「パウ・パトロール」が、様々なトラブルや事件を解決する。世界160か国以上で放送され、日本でもテレビ東京系で放送中の人気アニメ。男の子向けアニメ?と思いきや、女の子のパウ・パトロールもいるし、基地となるパウ・ステーションには、仕掛けがいっぱいで、男女問わず夢中になる。キャラクターの声ははっきりとした明るい声で、比較的ゆっくり話すため、英会話としても聞きやすい。
・英語音声:〇
・英語字幕:〇
・1エピソード:23分(2話分)
・作品URL:パウ・パトロール
▼作品のキーフレーズ
RYDER: No job is too big, no pup is too small. PAW Patrol to the Lookout!
この一言がパウ・ステーションに集合する合図だ。
全員集合すると、リーダーのチェイスが一言。
CHASE: Ready for action, Ryder, sir.
その後、パウ・ステーションで作戦会議をする。そして、
RYDER: PAW Patrol is on a roll!
この言葉でいよいよ出動!
▼子どもが繰り返し見たおすすめエピソード
・がんばれ!うみがめのあかちゃん
・ゆきやまでパウ・レスキュー
(2)ツリーハウスたんていだん
かわいいクマの兄妹トビーとテリーが、事件が起きると探偵に変身。タブレットPCとむしめがねを手に、森の仲間たちと一緒に事件を解決する。「夏にふる雪」「魚はなぜ飛ぶ」「おばけだ!」など、自然や科学に関連した事件が起こることが多く、大人でも見ていて勉強になる。
・英語音声:〇
・英語字幕:〇
・1エピソード:24分(2話分)
・作品URL:ツリーハウスたんていだん
▼作品のキーフレーズ
“Sounds like we’ve got a case. Will you excuse us?”
“To the treehouse!”
この言葉で、トビーとテリーは探偵の拠点となるツリーハウスへ移動する。
“There always is, little brother. There always is.”
“Let’s do this.”
と言うと、探偵の姿に変身する歌が流れる。
▼子どもが繰り返し見たおすすめエピソード
・むらさきの池
・丸太のひっこし
(3)ロボカーポリー
平和な町ブルームズタウンで起こる様々な出来事をレスキューチームの少女ジンとパトカーや消防車、救急車などのレスキューカーが協力して解決する。自動車からロボットに変形できるということも子どもの心をつかむポイント。ちょっとしたウソや自分勝手な行動のために危ない目にあうエピソードが多く、社会のルールや道徳も学べる。
・英語音声:〇
・英語字幕:〇
・1エピソード:13分
・作品URL:ロボカーポリー
▼作品のキーフレーズ
“Emergency!”と叫ぶ声が聞こえたら、レスキューチームが出動する合図だ。
▼子どもが繰り返し見たおすすめエピソード
・ぼくのかざぐるま
・ブルームズタウンへようこそ
(4)スーパーウィングス
主人公ジェットと仲間の変身ロボットたちが、世界中の子どもたちに荷物を届けながら、様々なトラブルを解決していく。ジェットがお届け物をする世界各国の文化や特徴を子どもは自然と感じることができる。例えばオーストリアに行く回では、音楽が有名な国だとわかるし、インドネシアに行く回では国技であるバドミントンがテーマになっている。子どもが話しているので、英語を話す速度もゆっくり。
・英語音声:〇
・英語字幕:〇
・1エピソード:12分
・作品URL:スーパーウィングス
▼作品のキーフレーズ
“It’s fly time!”
この言葉で、主人公ジェットが、世界中の国へ向けて飛び立つ。
お届け先の国でピンチがおとずれると、仲間のスーパーウィングスを呼ぶ。
“It’s time to call the Super Wings!”
▼子どもが繰り返し見たおすすめエピソード
・とっても特別なお届けもの パート1・2
・バルセロナの巣箱
(5)おさるのジョージ
NHKのEテレでも放送中の人気アニメ。知りたがり屋のかわいいこざるジョージが、身の回りへの好奇心からすぐに騒動を引き起こしてしまう話。日本語版アニメや絵本でジョージに親しんでいる子どもは、英語でも抵抗なく見ることができる。主人公のジョージが話せないので、状況描写のナレーションが入る。口語だけではないのが特徴だ。
・英語音声〇
・英語字幕〇
・1エピソード:23分(2話分)
・作品URL:おさるのジョージ
▼子どもが繰り返し見たおすすめエピソード
・ひっくりかえって9
・しむー!(歯医者の話)
まとめ
英語を理解できない子どもが、最初から英語の番組を集中して見続けるのは難しい。最初は、10分程度で集中が途切れてしまうかもしれないが、徐々に耳が訓練されると、その時間が長くなっていく。無理にずっと見せるのではなく、日本語版と英語版の両方を見せると、子どもはストーリーを理解しながらみることができるので有効だと筆者は感じる。英語の勉強をさせたい!と強く思わずに、親子で一緒に楽しんで見る程度が、長く続けられるコツではないだろうか。
◆小嶋彩葉(編集ライター)
医療系広告代理店の勤務を経て、編集兼ライターとして独立。現在は、子育て・映画・ふるさと納税関連記事などを中心に執筆活動を行う。また、2児の母として、育児に奮闘中。