ここでは、自動配送サービスの主な実験例として神奈川県藤沢市・パナソニックと神奈川県横須賀市・楽天に加えて、東京・高輪ゲートウェイの無人宅配ロボ「デリロ」を紹介する。ロボットが買い物支援や宅配などで活躍する日が来るのも、そう遠くはなさそうだ。
ロボットが自宅まで荷物を届けるサービスが続々実験中!
通販サービスの利用増加や人手不足に起因する物流危機が深刻だ。特に、運送業者の配送拠点から個人宅までの最終区間である「ラストワンマイル」に大きな課題を抱えている。
この問題の解決策として期待されているのが「自動配送サービス」だ。自動運転技術を搭載したロボットが、買い物や宅配の荷物を自宅まで届けてくれるもので、さまざまな自治体や企業が実証実験を進めている。
●自動配送サービスの主な実験例
パナソニックは、神奈川県藤沢市で実証実験を実施中だ。フェーズ1では、自社開発の自動走行ロボットを公道で走行させて、技術検証と課題抽出を完了。2021年2月から3月のフェーズ2では、このロボットを利用した無人配送を技術面とサービス面から検証し、新サービスの開発につなげていく予定だ。
神奈川県藤沢市
パナソニック
住宅街向け配送サービスの実証実験
2021年2月~3月(予定)
住宅街の公道をロボットが走る!
楽天は、神奈川県横須賀市で実証実験を実施中。この実験では、同じくパナソニック製のロボットを使用し、市内の住宅地で公道走行させ、障害物への対応などを検証。その後は、エリア内の住民から実際に注文を受け、スーパーから商品を無人配送することも予定されている。
神奈川県横須賀市
楽天
商品配送サービスの実証実験
2020年12月14日~
スーパーから自宅までロボットがお届け!
宅配ロボット「デリロ」を開発するZMPは、2020年8月に、東京・高輪ゲートウェイ駅前で蕎麦を無人デリバリーする実証実験を行った。デリロは、日本郵便が2020年10月に実施した公道走行実証実験でも使われている。
東京・高輪ゲートウェイ
ZMPなど
無人宅配ロボ「デリロ」
2020年8月12日~16日に実施
今後、自動配送サービスの実用化に向けては、自動走行の技術向上に加え、法制度などの環境整備も課題となる。ただし、政府では自動配送サービスを成長戦略実行計画に盛り込んでおり、早期の法改正を目指している。ロボットが買い物支援や宅配などで活躍する日が来るのも、そう遠くはなさそうだ。
TEXT●加藤 肇(フリーライター)