現行のテレビとBDレコーダーは外付けのHDDに番組を録画できる。しかし、接続したHDDを他の機器と接続しても録画番組の再生はできない。これは著作権保護の仕組みで、不正なコピーを防ぐためだ。専門家に詳しく解説してもらった。
HDDに録画した番組を別の機器で見るには?
読者からの質問
テレビ番組を外付けHDDに録画していますが、録画した機器でしか視聴できないことを最近知りました。テレビやレコーダーが故障したあとも録画した番組を見るには、どうすればいいのでしょうか?(S.Tさん 福島県 33歳)
編集部:
この質問は、AVライターの鳥居一豊さんに聞きます。
専門家の回答
専門家:
「現行のテレビとBDレコーダーは外付けのHDDに番組を録画することができますが、接続したHDDを他の機器と接続しても録画番組の再生はできません。これは著作権保護の仕組みで、不正なコピーを防ぐためのものです。テレビやレコーダーが故障などで使えなくなった場合、使っていた外付けHDDの番組の再生もできなくなり、これを回避する方法はありません。
そのため、接続した外付けHDDに保存した番組を、その後もずっと再生できるようにするには、テレビやレコーダーが故障しても、修理して使い続けるしかありません。テレビを買い替えたら、録画した番組はあきらめるしかないのです。
対策としては、録画に使ったものとは別の機器と接続しても、保存済み番組の再生ができる規格、SeeQVault(シーキューボルト)に対応したHDDを使用する方法があります。すでに録画済みの番組をダビングすることもできるので、将来的なことを考えると、SeeQVault(シーキューボルト)に対応したHDDを使うといいでしょう。ただ、テレビやレコーダーによってはSeeQVaultに対応していない製品もあるので、取扱説明書などで確認しましょう。なお、4K放送はSeeQVault規格でフォーマットされたHDDには番組を保存できず、保存できるのは2K放送の番組のみになります」
編集部:
なるほど。2K放送ならSeeQVault対応のHDDに保存すれば、それをほかの機器に接続しても再生できる。でも、4K放送はその対象にはならない、ということですね。
専門家:
「そういうことです。なので、4K放送なら、BDレコーダーで録画し、BDメディアに保存しておくのが最良の選択。4Kチューナーを搭載した機器が必要ですが、これなら2K放送も4K放送もBDに保存できます。 基本的に、HDDは一時保存のための記憶装置で、長期間の保存には適していません。長期間の保存を考える場合は、BDなどの光学ディスクへの保存が最善策。テレビやBDレコーダーの故障だけでなく、外付けHDD自体の故障もありえますので、大事な番組は光学ディスクに保存したほうがいいでしょう。
それに、外付けHDDからBDへのダビングは大量の番組となると手間がかかるので、後でまとめてやろうと思うと大変です。HDDの故障は突然起こることも多いので、大事な番組は、録画後になるべく早くBDへ保存しておくことをおすすめします」
編集部:
了解しました。ありがとうございます!
◆イラスト/はやし・ひろ