【5G回線とは】4Gとの違いや対応エリアの現状 今さら聞けない疑問にお答えします!

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5Gは、高速・大容量、低遅延、多端末接続を売りにした最新の通信方式。ただし、サービス開始から1年近くがたつが、三つの特徴のうち、実現しているのは「高速・大容量」のみ。例えばドコモは、4Gだと1.7Gbpsが上限だが、5Gだと現時点で4.2Gbpsまで速度が向上する。実験では、20Gbpsを超える速度も出ており、今後の高速化も期待できる。

5Gって、今ある4GやLTEと何が違うの?

▶5G回線の特徴は、圧倒的なスピードにある

5G対応のスマホが、一気に広がり始めている。5Gは、高速・大容量、低遅延、多端末接続を売りにした最新の通信方式。ただし、サービス開始から1年近くがたつが、三つの特徴のうち、実現しているのは「高速・大容量」のみ。例えばドコモは、4Gだと1.7Gbpsが上限だが、5Gだと現時点で4.2Gbpsまで速度が向上する。実験では、20Gbpsを超える速度も出ており、今後の高速化も期待できる。

4Gと5Gはここが違う!

4G
(LTE)
5G
遅い
(最大1.7Gbps程度)
最大
通信速度
速い
(最大20Gbps程度)
広い エリア 狭い
いわゆるプラチナバンド
(700M~900Mヘルツ)
を含み、つながりやすい
周波数
帯域
ミリ波(27G~30Gヘル
ツ)と呼ばれる超高速通
信が可能な帯域を含む

ここまでの速度が出るのは、5Gが4Gより高い周波数(3.7Gヘルツ帯、28Gヘルツ帯など)を利用するためだ。ただ、電波は高ければ高いほど、直進性が強くなり、エリアを広げにくくなる。そこで、より低い4G用の周波数を5Gに転用して、エリア拡大のペースを上げていく動きも広がっている。auやソフトバンクがこの手法を使って、2022年3月までに、人口カバー率を90%まで上げる予定だ。一方、ドコモは、本来の5G周波数帯から広げる方針だ。

キャリア別5Gサービス内容の違い

キャリア ドコモ KDDI(au) ソフトバンク 楽天モバイル
割当
周波数帯
(4G向け周波数の転用)
3.7GHz帯
4.5GHz帯
28GHz帯
3.7GHz帯
28GHz帯
(700MHz帯、3.5GHz帯)
3.7GHz帯、
28GHz帯
(700MHz帯、
1.7GHz帯、
3.4GHz帯)
3.7GHz帯
28GHz帯
人口カバー率
(2021年度末)
55% 90% 90% 未発表
受信時
最大速度
4.2Gbps 4.1Gbps 3.0Gbps 2.8Gbps

5Gにすると4Gが使えなくなるの?

▶4Gは、まだまだ現役で使える

5Gスマホに買い替えると、4Gが使えなくなると思っている人もいるが、これは誤解。現状では、ドコモやauのように、3Gは利用できない端末はあるものの、4Gと5Gの両方を利用できるため、エリアが一気に狭くなる心配はない。そもそも、現行の5Gは、NSA(ノンスタンドアローン)と呼ばれる方式で、基地局と端末の接続制御に4Gの電波を使っている。仕組みとしてはまず4Gにつながるため、5Gのみの端末はありえないというわけだ。3大キャリアでは4Gの人口カバー率が99%を超えているため、安心して利用することができる。

3Gサービスは終了予定

4Gよりさらに1世代前の3G回線も健在で、最も早いauでも2022年まで、ドコモは2026年、ソフトバンクは2024年まで利用できる。

ドコモ
2026年3月

au
2022年3月

ソフトバンク
2024年1月

楽天モバイル
3Gサービスなし

対応エリアはどうなっている?自宅の近辺で5Gは使える?

▶各社のエリアマップを確認しよう

エリアを確認するには、各社が公開しているエリアマップを見るのが手っ取り早い。エリアは、周波数帯別や速度別に色分けされており、ある程度、速度の目安にもなる。ただし、エリアマップはあくまでシミュレーションに基づいて作られたもので、必ずしもそこに行けば5Gでつながるとは限らない。特に、その特性上、ビルの中に電波が届かないといったケースは十分考えられる。屋内対策がしっかり取られていなければ、屋外からの電波をつかむのは難しい。

それどころか、ミリ波のように高い周波数帯の場合は、建物などの陰に入るだけで、電波をつかめないこともある。逆に、屋内に対応するためスポット的に5Gの基地局が置かれているようなケースもあるため、エリアマップだけでは、どこでつながるかは一概にいえない状況だ。

ドコモ、5Gのエリアマップ

▲2021年1月末

地点リストのみだったドコモも、5Gエリアを公開するようになり、2021年夏までの予定エリアも表示。現状はスポット中心の展開だが、2021年4月以降、都市部を中心にエリアは急拡大する見込みだ。

▲2021年4月末予定

一方で、auやソフトバンクは4G用の既存周波数帯を5Gに転用し始めている。転用の周波数はこれまでの5Gより低いため、速度は望めないが、建物など、中まで浸透しやすい。

キャリア別の5Gエリア展開計画

ドコモ
2022年3月末までに2万局の基地局を整備
2023年3月末までに人口カバー率70%超

au
2022年3月末までに5万局の基地局を整備
2022年3月末の人口カバー率90%超

ソフトバンク
2022年3月末までに5万局の基地局を整備
2022年3月末の人口カバー率90%超

楽天モバイル
2021年3月末までに47都道府県でサービス開始(基地局整備計画は未定)

5G向けの魅力的なサービスはある?

▶5Gならではのサービスはまだ少ない

5Gの開始に合わせ、大手キャリア各社は動画やAR/VRコンテンツを拡充している。
例えば、ソフトバンクは「5G LAB(ラボ)」でVR(仮想現実)、AR(拡張現実)の動画やクラウドゲームを提供。KDDIも「smash.(スマッシュ)」などの動画サービス、ドコモは、クラウドゲームや8KVRのライブ映像などを提供する。VRグラスなどの周辺機器も展開され、KDDIは、スマートグラスの「NrealLight(エンリアルライト)」を発売。ドコモも、周辺機器のレンタルサービスを開始。ただ、Wi-Fiや4G接続時でも利用できるものがほとんどで、5Gならではのサービスはまだまだ少ない。

5Gサービスを展開中

ドコモ
“docomo 5G”として「新体感ライブ CONNECT」などを提供

au
“みんなの5G”として「smash.」「バーチャル渋谷」などを提供

ソフトバンク
動画、ゲームなどのコンテンツ配信サービス「5G LAB」を提供

KDDIは、5Gスマホと連係して大画面が楽しめるスマートグラスを発売。

●解説/石野純也(ジャーナリスト)

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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