【AirTag(エアタグ)】Appleの落とし物タグは子供やペットに使える?使い方や仕組み、他社製品との違いを解説

レビュー

Appleから新しく発売された落とし物を探せるデバイス「AirTag」。設定方法や仕組み、落とし物の探し方、他社の落とし物タグとの違いなどを解説します。

AirTagとは

紛失物をiPhoneから探せるアイテム

4月末にAppleから発売された「AirTag」は、財布やカバンなどに入れておくことで、持ち物を紛失した場合にiPhoneから探すことができるアイテム。

少し厚みのあるコロンとした形状で、500円玉より一回り大きいくらいのサイズ。表面にはAppleのロゴが刻まれています。

シルバーの部分は電池交換用の蓋になっている。

また、反対側の白い面には、オンラインストアで購入するときに、イニシャルや絵文字を刻印することも可能です。

この面には好きな文字を4文字まで刻印できる。

1個3800円で、4個セットは1万2800円。コイン電池1個で駆動し、雨に濡れたり、うっかり水たまりに落としたりといった程度であれば影響を受けずに使える「IP67等級」の防水性能を備えています。

AirTag本体にはストラップなどを通す穴は開いていないため、カバンや鍵などに付けて使いたい場合は、別売りのアクセサリーを購入する必要があります。ただしApple純正品は、ポリウレタン製の「AirTagループ」が3800円、革製の「AirTagレザーキーリング」が4500円と少々高価。

Apple製品の場合、発売から少し経つと、さまざまなメーカーから対応アクセサリーが発売されるのが常なので、それを期待して今回は本体のみを購入しました。

AirTagの設定方法

AirTagを使うには、まずiOSを最新状態にアップデートしておく必要があります。iPhoneの「一般」→「ソフトウェアアップデート」の画面に「iOS14.5」と表示されていれば、AirTagを利用可能な状態です。

初期設定の方法は非常にシンプル。本体の絶縁フィルムを引き抜いて、iPhoneに近づけるとセットアップ画面が表示されます。

AirTagを近づけるだけで、自動で設定画面がポップアップする。

選択肢の中からAirTagに付ける名前を選べばiPhoneと紐付けられた状態になり、設定は完了。

この名前は後から変更することも可能。

設定済みのAirTagは、iPhoneの「探す」アプリ内の「持ち物を探す」から現在地を確認できます。

「探す」アプリに新たに追加された「持ち物を探す」タブから管理できる。

AirTagの仕組み

落とした場所がわかるといっても、AirTagが単独で現在地を発信しているわけではありません。AirTagは、「近くにあるiPhoneとBluetoothで通信して、iPhoneの位置情報を使って現在地を記録する」仕組みになっています。

つまり、外出先でAirTagを落とし、自分のiPhoneから離れた状態になっても、その場所を通る他の人のiPhoneがセンサー代わりとなって、AirTagの現在地を知らせてくれるのです。

このような説明を聞くと、自分のiPhoneが知らない誰かのAirTagを探すために使われることや、自分のAirTagが他人のiPhoneと接続することに不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、実際に通信されるのは暗号化された情報で、「AirTagを探すのに誰のiPhoneが使われたのか」といったことは一切わからない構造になっています。

落とし物の探し方

では実際に、iPhoneからAirTagを探してみましょう。「探す」アプリの「持ち物を探す」で、登録したAirTagの名前をタップすると、詳細画面が表示されます。

近くのものを探す

家の中で紛失した可能性が高い場合などは、「サウンドを再生」からAirTagを鳴らして探すことができます。すぐに見つかりそうな場合などは、これがもっともシンプルな方法です。

ボタンをタップすれば、AirTagから音が鳴り始める。

さらに、iPhone11シリーズやiPhone12シリーズを使っている場合は、より詳しい場所を特定することも可能です。「探す」をタップすると矢印と距離が表示され、その方向にiPhoneを近づけると距離がだんだん短くなっていき、至近距離まで案内してくれます。

室内を少しずつ移動して、距離を縮めていくことで場所を特定できる。

前日に着ていた服のポケットに財布を入れたままだったり、クッションの下にカギがもぐり込んでいたりと、「家の中にあるのは分かっているけれど、どこなのか特定できない」という場合に重宝する機能です。

落とした場所を地図上で確認

次に、「駅に忘れ物をした」というシチュエーションを想定して、AirTagの入った財布を駅のコインロッカーに入れてその場を離れてみました。

AirTagを入れた財布をコインロッカーに預け、1kmほど離れた場所へ移動した。

下の地図は、AirTagの近くから離れて15分ほど経ったときの画面。住所の下に表示されているのが「最後にiPhoneとAirTagが通信した時間」ですが、「2分前」となっています。これは、2分前に近くを通った他人のiPhoneに検知されているということを意味しています。

近くをiPhoneが通るたびに、位置情報が更新されていく。

この仕組みによって、紛失してから時間が経ってしまっても、AirTagの最新の場所を確認することが可能になります。

「紛失モード」を使う

地図上の場所を探しても落とし物が見あたらないときや、地図上の場所にすぐに探しに行くことができない場合などは、「紛失モード」に切り替えることで、AirTagを拾った人に自分の連絡先を伝えることができます。

「紛失モード」では、AirTagを拾った人に助けを求めることができる。

「紛失モード」の「有効にする」をタップして、連絡先の電話番号を入力。誰かがAirTagを見つけた場合に、スマホの上部をかざすことで、電話番号とメッセージを見ることができる状態になります。

AirTagを拾った人が自分のスマホをかざすと、登録しておいた連絡先が表示される。

なお、この連絡先表示機能は、iPhoneだけでなくNFCに対応したAndroid端末にも対応。AirTagを見つけた人がこの紛失モードのことを知っていれば、電話番号を確認して連絡してくれる可能性があります。

また、「検出時に通知」をオンにしておけば、誰かのiPhoneが近くを通ったときに、自分のiPhoneにその位置の通知を受け取ることもできます。

他の人のiPhoneによってAirTagが検出されたときに、その位置が通知される。

子どもやペットに使える?

コンパクトで外観もおしゃれなので、AirTagを子どものカバンやペットの首輪につけて現在地確認に使いたいと考える方もいるかもしれませんが、残念ながらそのような使い方には適していません。

AirTagは、相手の知らないうちに荷物の中にしのばせて居場所を追跡するといった、不正な使い方を防ぐための対策として、持ち主のスマホから一定時間以上離れた状態で動いている場合に、音を鳴らす仕様となっています。そのため、人や動物の追跡に使うことはできず、あくまでも物につけて使うためのアイテムとなります。

他の落とし物タグとの違いは?

なお、AirTag以外にも、落とし物を追跡できる製品は以前から販売されています。「Tile」「Mamorio」などがその代表格でしょう。

左が「Tile Mate」、右が「Mamorio」

これらの落とし物タグも基本的な仕組みはAirTagと同じですが、大きな違いは位置の検出に使われるスマホの数にあります。TileやMamorioの場合、「そのメーカーの落とし物タグを使っている人のスマホ」だけがタグを検出できますが、AirTagの場合は、「すべてのiPhone」を検出に使うことが可能。

検出に使うスマホの数が増えれば、それだけ正確な位置を確認しやすくなります。つまり、「落とし物をより正確にすばやく探せる」点が、他社製品と比べたAirTagの強みといえます。

一方で、これらの製品にはAirTagにはない利点もあります。たとえば、Tileシリーズには、電池交換のできる「Mate」や、カード型の「Slim」、裏面にシールのついた「Sticker」など複数のモデルが用意されていて、目的に応じて選ぶことができます。

Mamorioにも複数のモデルがラインナップされており、スタンダードなモデルは長さ約3.5cmととてもコンパクト。カラーバリエーションも豊富です。

また、AirTagは現状ではAndroidユーザーは利用できないため、Androidユーザーもこれらの従来の落とし物タグが選択肢となります。

まとめ

Appleから登場した「AirTag」は、持ち物に付けておくことで、紛失時に地図上に場所を表示して探すことのできる落とし物タグ。室内など近くで紛失した場合は、音を鳴らしたり方角や距離を調べたりして探すことも可能です。また、拾った人に自分の連絡先を伝える「紛失モード」や、AirTagが見つかったときに通知する機能なども搭載。

iPhoneユーザーなら簡単に利用できるので、大事なものを管理するためのツールとして、導入してみてはいかがでしょうか?

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