食器洗浄機の普及はイマイチ進んでいませんが、導入するデメリットより遥かに上回るメリットがあります。使えばわかるのですが、とにかく便利。夏になると心配になる食中毒のリスクも減らします。シロカの食器洗浄機は工事が不要で設置場所を選ばないタンク式。今回は従来モデルから進化した同社の「アドバンスシリーズ」をご紹介します。
便利なのに普及が遅れている「食洗機」
「ロボット掃除機」「食器洗浄機」「ドラム式洗濯機」。この3つは、時短家電や3種の神器と言われる家電です。女性の社会進出を課題にあげる政府なら、補助金を出すくらいは当然やっても良いと思えるほど家事の時短効果は、それだけ確かなもの。ところが不景気なため、普及はかなりゆっくり。さらに、困ったことに独身女性の住まいは手狭なことが多い。このためこれらの家電の置き場所も問題となります。
なかでも一番普及が遅れているのが、食器洗浄機(食洗機)です。しかし、使ってみるとすごく便利なことがわかります。楽、清潔、節約の3拍子揃った名家電と言えるでしょう。
戸惑いがあるのは置き場所。そして工事ですね。日本は建造物を改良して価値を高める発想がなく、すぐスクラップ&ビルドしたがる国民です。地震が多い国なので、不変ということがないからでしょうね。それは置いておくとして、工事を嫌がる家主は非常に多いですね。光ケーブルを入れるのにも許可がいる契約になっているところすらまだある様です。時代について来られないわけです。
それは置いておくとして、食洗機を取り付けるときは、水道工事(給水、排水)が必要です。これも食洗機の導入を妨げている要因です。
その中で、好調なのが、「タンク式食洗機」。給水をホースではなく、カップで行います。手間といえば手間なのですが、全体からすると微々たるもの。今回は、その最新モデル「シロカ 食器洗い乾燥機アドバンスシリーズ」を紹介します。
デメリットを上回る食洗機のメリット
食洗機に対して、いろいろな文句を言う人がいます。よく言われるデメリットは大きく2つですね。1つは、全部の食器に使えないこと。もう1つは、汚れが落ち切らない場合があることです。
双方とも事実です。しかし、どんどん問題は小さくなっています。まず食器。陶芸家が口あたりまで考えて作った作品だと、傷む可能性はあります。しかし家庭でも洋食が当たり前になった今、ほとんどの食器は箸だけでなく、スプーン、フォーク、ナイフとの共存を考えています。つまり強くなっているのです。
またこのご時世ですからね、日本の窯元も輸出を視野に入れています。海外は食洗機使用が当たり前ですから、日本の窯元もどんどん適性を高めています。
次に、汚れですが、こちらは改良に、改良を重ねています。10回使っても1枚も出ないことも多いです。このため、短所より長所の方が、余程目立ちます。
一番大きいのは、やはり手間が省けることです。楽です。加えていうと下げるときに食洗機に入れてしまえばシンクが汚れることもありません。漫画、アニメで表現される、シンクにお皿がゴッチャリなんてないです。片付けは面倒ですが、その中の1つに、「量が多くて時間がかかるなぁ」と思っているうちに面倒になり、洗い物を溜めてしまう、ますます面倒になる、という負の連鎖がありますが、それにはなりません。自堕落を防御できる家電でもあるわけです。
また極めて衛生的です。「手」洗いでないので、科学の力を最大に使います。まずは温度。人肌以上
の温度で洗うと、脂が液体化されます。次に洗剤はアルカリ性。手洗い用の洗剤は、アルカリ性でも、手を痛めないほどに極々弱くなければなりません。つまり洗浄力は弱いのです。それに加えて、多くの人はお湯ではなく、水を使います。洗浄力はますます落ちます。
つまり、手洗いは理にかなっていないのです。このため差が出るの水道代。水道代が年々高くなる昨今。お湯はヒーターで沸かした方が、安いのです。
加えて、強アルカリ性はウイルス、黴菌を退治します。梅雨の季節は、食中毒が起きやすい。予防のためにも是非欲しい家電と言えるでしょう。
タンク式食洗機のメリットとは
タンク式のメリットは設置場所が自由なことがあります。ただし、どこでもいいというわけではありません。排水を考慮しなければなりません。シンクの排水口より高い位置で、排水パイプを上手く固定して、汚れた水を流してやる必要があります。これ、きちんとしないと、ニオイの元になることがありますので、気をつけていただきたいポイントです。
それ以外は快適です。約10Lの水を入れるのは、たかが10L、されど10Lという感じ。10Lも?と思われる女性も多いでしょうが、重さ的には全然たいしたことがないのです。天面の給水口もそれなりの大きさを持っていますのでこぼしにくくはなっていますが、10Lも入れているうちに、溢してしまうことがあるのです。
しかし、最新のアドバンスシリーズにはこぼれない工夫がされています。
水を入れたあとは洗剤を入れて、待つだけ。勝手にきれいにしてくれます。
シロカの食洗機は、昨年のモデルもテストしていますが、問題ありません。私は、毎食後でなく、ある程度洗い物を溜めては洗うスタイルでやってみましたが、汚れは全て落ちました。実に大したものです。ちなみに設置は、シンク横にエレクター棚を高さに気をつけて作り、そこに設置しました。使い勝手もよく、排水もOK。とても使いやすいです。
2モデルから選べるアドバンスシリーズ
シロカは、現在ベーシックシリーズとアドバンスシリーズがあります。シリーズと名はついているものの、ベーシックシリーズは1モデルです。こちらは、昨年からのモデルが含まれます。アドバンスシリーズは、UVモデルとドア開き自動乾燥モデルの2モデル。2021年モデルです。
UVモデルは子持ち世帯におすすめ
UVモデルは、中にUVライトが取り付けられた衛生に配慮したモデルです。まず、お湯洗いされた時点で、99.9%除菌されます。UVはその状況をキープするために取り付けられています。そこまで神経質にならなければならない状況はあるのでしょうか?
ありますね。例えば、新生児、乳児用のミルク道具などがそうです。熱湯消毒したにせよ、それを確実にキープする術は、普通の家庭は持ちません。特に一番初めの子どもは勝手がわからず、右往左往します。しかし、UVモデルがあれば、哺乳瓶も手をかけずにきれいにできますし、その清潔さをキープすることが可能です。
またUV機能だけでも使えます。マスクなどちょっとしたものなら、除菌が可能です。ただUVの性質上、直接照射されていないところ、当たっていないところは、消毒できません。これは日焼けするのを防ぐために、日陰に入るのと同じです。
使い勝手が控除したドア開き自動乾燥モデル
ドア開き自動乾燥モデルは、食器洗浄が終わったあと、扉が開き、中の水分を外に出し乾かすことができるモデルです。
食器を乾かすのにはヒーターを使うモデルもあります。が、ほとんどの場合は、洗浄後時間があるので自然乾燥に任せることが多いです。ただ扉を閉め切ったままだと、湿度が高く、乾燥しにくい。このため、洗浄終了後自動で扉を開けます。これはヨーロッパのメーカーでは、基本採用されている機能。すこぶるメジャーな機能です。タンク式の食洗機は、入門用ということもあり、ベーシックモデルには、この機能は付いていません。ちょっとした機能ですが、使い勝手は断然よくなります。
最後に
食洗機は夏場だからこそ導入をおすすめしたい家電!
乾燥方式:送風
標準使用水量:約6L
洗浄方式:回転ノズル噴射式
最大消費電力:726W/740W
先ほども書きましたが、タンク式の食洗機は、入門用の意味合いもあります。しかし、食器洗浄機は水モノ家電。確実な品質が要求されます。シロカの食器洗浄機は、1ヶ月以上、毎日の様に使用・テストしましたが品質十分。水トラブル他、トラブルはありませんでした。
しかし安価でも食洗機があるとないとでは大違い。楽で、安心です。特に食中毒が多くなる夏場、導入検討をお勧めします。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。