愛くるしい見た目と人懐っこい性格で人気のペット、文鳥。最近文鳥の雛を飼い始めたライターが、雛の飼育のためにあつめたアイテムをご紹介します。ペットショップの店員さんのおすすめに従ってアイテムを揃えたら、「意外と必要なかったもの」「別のものと代用できたもの」があり、意外な結果になりました。これから飼育を考えている人は参考にしてみてください。
文鳥の雛をお迎えしました
まるっこいフォルムが可愛い文鳥は、数ある鳥の種類の中でも人気の高いペット。比較的飼いやすく、人懐っこい性格をしていると聞いていたので、筆者も長年飼うのが夢だったのですが、どうせ飼うなら雛から飼って手乗り文鳥にしたい!という思いから、なかなか購入に至らず…。コロナ禍で雛を取り扱っている都内ペットショップに行くことも難しく、半ばあきらめていたところに、近所のペットショップで取り扱いがあるのを発見。満を持してお迎えすることが叶いました。
この記事では、実際に文鳥の雛の飼育に必要なアイテムを中心に紹介していきます。
文鳥の雛の飼育を始める際に
アイテムを紹介する前に、文鳥の雛の飼育を始める際にすべきことや気をつけるべき点をご紹介していきます。
雛を入荷しているペットショップを探す
まず、ペットの文鳥を手乗り文鳥として育てたい場合、雛の状態で購入して飼育する必要があります。よって、文鳥の雛を取り扱っているペットショップを探さなければなりません。
小鳥を取り扱っているペットショップであっても、文鳥の雛がいるとは限らないので、もし購入する意思がある場合は、事前にペットショップに問い合わせてみるのが間違いないでしょう。また、問い合わせた場合も取り置きは基本的にできないと考えておきましょう。よって、ペットショップに行く直前か、早くとも前日に問い合わせるのがおすすめです。
また、文鳥の「雛」がペットショップに出回るのは、文鳥の繁殖期である秋〜春までの半年間。この時期を過ぎると、文鳥の雛は市場に出回らなくなるため注意が必要です。
ペットショップの店員さんにしっかりヒアリング
運よく雛に巡り合えたあとは、そのペットショップの店員さんにきちんとその雛についての情報や健康状態を確認しておきましょう。生まれた時期や性別は明確にわからないことも多いですが、特に生まれた時期に関しては大まかでも情報があれば飼育のヒントになるのでよく確認しましょう。
ちなみに、筆者がお迎えした雛は性別不明、4月生まれという情報しかありませんでした(笑)。しかし、ひとり餌や水浴びを始めさせるタイミングの指標になりました。
飼育に関する書籍を1冊は用意しよう
文鳥の飼育に関する情報はインターネットでもかなりたくさん得られます。しかし、間違った情報を鵜呑みにしてしまう心配もある上、間違った情報であるかどうかを逐一確認するのは手間です。よって、1冊は文鳥の飼育について体系的に解説した本を購入するのをお勧めします。
飼育のために購入したアイテム
文鳥の雛をお迎えするにあたって、必要なアイテムをアレコレ調べていたのですが、実際に店員さんに話を聞きながら揃えたら、「これは要らなかったんだ!」「こんなもので代用できるんだ!」という発見がありました。以下は、筆者が実際に集めたアイテムを紹介します。
ケージはまさかの「虫かご」
まず驚いたのが、雛を飼育するケージについて。事前にあれこれケージの種類については調べていたのですが、ペットショップの店員さんから「雛のうちは保温性重視なので虫かごとかでいいです」と言われて驚きました。
うちの雛はお迎えして3日くらいで元気に飛び回るようになってしまい、この虫かごは1週間弱くらいしかケージとして使っていないのですが、もうすこし幼い雛の場合は、しばらく虫かごがケージとして代用可能です。ヒナが成長してからも動物病院に行く際のキャリーにもなりますし、ケージを掃除する際に一時的に入れておくこともできるので、ひとつあると便利です。
温度計とヒーターは必須!
雛の飼育は温度管理が重要で、適温が28℃~30℃程度となっています。雛はちょっとした温度変化にも敏感で、これを下回ると体調を崩してしまうこともあるので要注意です。よって、温度計とヒーターは必ず用意しましょう。
温度計は百均等で安く購入可能ですが、温度が正しく測れないこともあるようだったので、爬虫類の飼育に使われる温度計を購入しました。
ヒーターはケージの下に敷くタイプから、ケージの中に入れて文鳥が寄り添えるようになっている「寄り添い型」と呼ばれるタイプ、電球タイプと様々なものがありますが、虫かごは下からの温度が伝わりやすいので下に敷くタイプを購入しました。
その他ケージに入れたもの
虫かごケージには、止まり木とバードマットを入れました。ただ、バードマットは虫かごの下に敷き詰めるとフンが目立にくく、掃除がしづらいので、取り換えるだけで掃除ができるペットシーツを使っている人も多いようです。ただ、店員さんはあれこれ試してみた上でこのバードマットが一番使い勝手が良かったとのことでした。
飛び始めた頃から普通のケージへ
飼育を始めて数日後、想定より早く雛が元気に飛びまわるようになり、(家に慣れはじめた安心感もあったのでしょう)虫かごケージでは窮屈そうだったので、急いで通常のケージを購入しました。といっても、すぐにこちらのケージに移したわけではなく、日中の気温が高い間は通常のケージ、夜は虫かごケージと使い分けをしつつ、徐々に慣らしました。
このケージ購入に合わせ、保温と羽・バードマットの飛び散り防止になるケージカバーも購入しました。今うちにいる文鳥は換毛期なのですが、このカバーをしていないと羽が部屋中に舞い散ります。ちょっと風が冷たい日の保温にもなりますし、本当に買って良かったアイテムです。
会社員にはペットカメラは必需品
これは必須ではありませんが、外出時に文鳥の様子を確認するためにペットカメラも購入しました。筆者は在宅勤務で基本的には自宅で仕事をしているのですが、たまに出社で家を留守にすることがあるため、そうした日はペットカメラで様子を確認するようにしています。
ペットカメラは種類によっては録画や暗闇でも撮影できる機能がついており、外出時だけでなく、夜に文鳥を寝かせている部屋に設置して、きちんと寝ているかどうかや、温度が寒すぎないかを確認できるので、思いのほか役立つアイテムでした。家を空けることが多い方には本当におすすめのアイテムです。
餌はさし餌が中心
文鳥の雛は、生後30〜50日くらいまでひとり餌ができないので、ふやかしたあわ玉を飼い主が直接食べさせてあげる必要があります。その行為を「さし餌」といいます。
さし餌の必須アイテム
さし餌は、給餌器のなかであわ玉をお湯でふやかし、パウダーフードをいれたものをスポイトにいれて雛の口の中に直接いれていきます。このさし餌が雛飼育の最初の鬼門ではないでしょうか。最初はなかなか上手にあげられず苦戦しましたが、3日目くらいから片手でスムーズにあげられるようになりました。実践あるのみです。
あわ玉・パウダーフード
さし餌には通常、あわ玉やパウダーフード、青菜(小松菜が一般的)などを混ぜますが、ペットショップの店員さんによるとミックスフードを代用しても良いとのことだったので筆者はそちらを購入しました。パウダーフードは、最初は国産のものを使っていたのですが、動物病院の先生のおすすめでケイティという海外のブランドのものに変えました。
あわ穂
雛がさし餌からひとり餌に移行するために、あわ穂を使います。これを適当なサイズに切ってケージの中に入れておくだけで雛が餌を啄む練習になります。
慌てて買う必要がないもの
餌入れ・水入れ
さし餌をしているうちは餌入れ・水入れはほとんど必要ありません。雛が飛行し始めてひとり餌への移行がはじまり、虫かごケージから普通のケージに移る頃に用意し始めるので大丈夫です。また、ケージにもとから餌入れと水入れが付属していることも多いので、用意する必要がない場合もあります。
おもちゃ
雛を楽しませてあげるためにあれこれとおもちゃを買ってしまいそうになりますが、店員さんによると「ケージの中が楽し過ぎると外に出てくれにくくなる」「幼いうちは買ってもうまく遊んでくれないことも多い」とのことでした。よって、筆者が最初に購入したのは止まり木のみ。最近はケージの中で活発に遊ぶようになったので、ブランコやミラーなどのおもちゃも追加しました。
バードバス
小鳥は成鳥になると水浴びをします。本に「飛行を始めたら水浴びの練習をさせましょう」と書かれていたので、慌ててバードバスを購入してしまったのですが、動物病院の先生からは「まだ成長途中なので水浴びは必要ない」と言われたため、まだ結局使えていません。
雛それぞれの成長段階が異なるので、水浴びの練習は発育に合わせて始めましょう。「いつから始めればいいのかタイミングがわからない!」という時はネットの情報を鵜呑みにせず、動物病院の受診をおすすめします。
飼育で気をつけたこと・困ったこと
温度管理はかなり気を遣う
雛は成鳥と比較して、かなり温度変化に敏感とのことだったので、ケージ内の温度はかなりシビアに気を使いました。雛をお迎えしたのが5月だったので、20度を下回る日はほぼなくなっていましたが、ケージ内の温度が28〜30度を保てるよう、ケージ用のヒーターは基本的には付けっぱなしにしていました。文鳥はもともとインドネシア原産の暑さに強く寒さに弱い鳥なので、冬場に買い始めた場合は、エアコン等の空調機器の温度にもかなり気を遣わなければならないようです。
さし餌を食べてもらうのがひと苦労
雛を飼育する上で本当に困ったのが、うちに来た初日にまったく餌を食べてくれなかったこと。今となっては「環境の変化で萎縮していたのだろう」と冷静に思い返せるのですが、身体の弱い雛がまる1日食事を取らないと弱ったり死んでしまったりするリスクが高まると聞いていたので、さし餌を全然食べようとしてくれなかった時はとても焦りました。(雛がさし餌を食べてくれないことを夢に見るほどノイローゼ気味になっていました笑)
しかし、あまり構いすぎるのも雛にとってストレスになってしまうので、心配でしたが初日は遠くでそっと見守ることに徹しました。
ただ、次の日の朝にはお腹が空いたのかすこしずつ食べてくれるようになり、3日目にはもりもりとすごい勢いで食べるようになりました。これから飼育を始める人には、初日にさし餌を食べてくれない時も必要以上にあせらず、干渉せず、そっと見守っておけば次の日には食べてくれるかもと思っておいて欲しいです。
まとめ
雛の飼育は、温度管理やさし餌など、成鳥よりもずっと手をかける必要があります。この記事で紹介した必須のアイテムはあくまで一例。それぞれの雛の発育ペースに合わせて使うアイテムを変えていく必要があるので、実際に飼育する際は、必ずペットショップの店員さんに聞いたり、動物病院の先生に相談するようにしてください。