ここ最近、音声を使ったSNSや配信サービスが急速に利用者を増やしている。「クラブハウス」をはじめ、「ツイッター スペース」や「mocri(モクリ)」、「Voicy(ボイシー)」、「zatsudan(ザッツダン)」、「VOOX(ブークス)」、「Artistspoken(アーティストスポークン)」を詳しく解説する。
音声SNS・配信
ここ最近、音声を使ったSNSや配信サービスが急速に利用者を増やしている。中でも米国から上陸した「クラブハウス」は、招待された人しか使えないという点が注目されて話題を集めた。また、「ツイッター」にも音声で会話を楽しむ「ツイッター スペース」という機能が登場。今後、「フェイスブック」も音声SNSを提供することを発表している。
そのほか、音声ブログを配信できる「Voicy(ボイシー)」や、各界の専門家によるトークを聴くことができる「zatsudan(ザッツダン)」「VOOX(ブークス)」などにも注目したい。
クラブハウス
クラブハウス
月額料金:無料
当初はiPhoneユーザーのみだったが、Androidスマホにも対応して今後に注目
今年、急速に人気が拡大した「クラブハウス」は、音声による会話が楽しめるSNSアプリ。招待された人のみが登録できるのが特徴で、当初はiPhoneユーザーのみが使える仕様だったが、5月からは米国から順次、Androidユーザーにも対応を開始している。参加するとほかの友人を招待できる仕組みで、最初は5枠が用意されている。
サービスの中では、参加者が会話をするための「ルーム」が作成されていて、そこに入って各ルームの会話を聴いたり会話に参加したりできる。知り合いや気になるユーザーをフォローしておくと、そのユーザーがルームを作成するとアプリ上で確認できる。芸能人や著名人が開くルームもあるので、いろいろなルームをのぞいてみるといいだろう。
トップ画面では現在進行しているルームが表示される。タップすると入室でき、ルーム内の会話を聴くことができる。
画面の上にある虫眼鏡のアイコンをタップすると、ユーザーやルームの検索が行える。気になる人をフォローしておくといい。
自分が作成したルームにスピーカーとして友人を招待することができる。指名した人とだけ非公開でルームを作ることも可能だ。
注意したいのは自分のプロフィール設定。フルネームの変更は1回のみである点と、いつ誰に招待されたかが公開される点だ。誰の招待を受けるかは慎重に判断したい。
ツイッター スペース
ツイッター スペース
月額料金:無料
文字で盛り上がったら音声会話にチェンジ!最大11人で会話できるツイッターの新機能
最大11人が発言できるツイッターの新機能「スペース」は、現在、スマホでのみ利用することができる。
自分がフォローしている人がスペースを開始すると、ホームのタイムライン上部に表示される。初期設定ではスピーカーとして招待したアカウントのみが発言できる仕様だが、これを「全員」に変更することも可能。会話中はリアクション絵文字を使ったコミュニケーションも図れる。
ツイッターのユーザーで自分のツイートを非公開にしているアカウントではスペースを作成することはできないが、ほかのアカウントのスペースへの参加はできる。
スペースの開催中は画面上部にルームのアイコンが表示される。それをタップして、「聞いてみる」をタップするとリスナーになれる。
スペースを開始するには、「ツイート作成」アイコンを長押しして、いちばん左にあるスペースのアイコンをタップする。
mocri
mocri
月額料金:無料
一人、黙々とではなく、ほかの人と一緒に作業を進めることで効率をアップさせる
絵を描いたり、勉強したりといったパーソナルな作業を、誰かと一緒に行うことでダラダラするのを防ぐ「作業通話」という文化がある。そんな作業通話を手軽に楽しめるのが「mocri(モクリ)」。パソコンのブラウザーとスマホアプリで利用できる。
利用にはアカウントの作成が必要で、メールアドレスのほか、ツイッターアカウントでも登録できる。最大20人が参加できる「フリースペース」は、常に開放されたトークルームで、好きなタイミングで参加できる。特定の人とだけ会話したい場合は、最大6人の招待した人だけが入れる「ルーム」を作成するといい。
音声だけでなく、テキストや写真のやり取りも可能。投稿した内容は最大24時間保持される。
「ルーム」は最大6人で作るグループ部屋のこと。入室すると、メンバーにだけ通知が届く。
Voicy
Voicy
月額料金:無料
雑談や対談など500以上のコンテンツがそろう。有名人や大手メディアも利用
芸能人や著名人による音声ブログ「Voicy(ボイシー)」は、ちょっとした雑談や対談など500以上のコンテンツがそろう。また、ニュースや企業が運営するコンテンツもあり、日々の情報収集に役立つものも多い。Voicyで配信できるのは、審査に通過した人だけなので、何らかのプロが配信していることが多い。無料でありながら一定のクオリティが保証されているのがこのサービスの強みだ。また、有料課金をすると独自コンテンツも楽しめる。
詳細ページでは、何分何秒で何の会話をしているかがわかる目次が用意されていて、必要な箇所だけを聴ける。
パソコンだけでなくスマホアプリでも利用できる。バックグラウンド再生に対応するので、ながら聴きがしやすい。
月額料金を支払って「プレミアムリスナー」になると、人気ブロガーの限定コンテンツが聴ける。
ZATSUDAN
ZATSUDAN
月額料金:1500円
政治、経済などのプロフェッショナルの雑談や対談からアイデアをもらおう
政治、経済など専門性を持った人物を中心とする配信者が集まる「ZATSUDAN(ザッツダン)」は、2021年4月に正式リリースされたばかりのサービスだ。プロフェッショナルの雑談が楽しめ、月額1500円で聴き放題となっている。
配信者が一人で話すだけでなく、対談をするコンテンツもあり、各コンテンツに「いいね!」やコメントができる。質問を投稿することも可能なので、配信者とのコミュニケーションも図れる。
現在、配信者は16名とまだまだ少なく、仕掛け人である堀江貴文氏のコンテンツが中心なので、今後配信者が増えることに期待したい。
パソコン、スマホアプリで利用可能。初回は1週間無料で利用でき、無料期間後は月額1500円。
再生速度は標準、1.25倍速、1.5倍速、1.75倍速、2倍速が選べる。「いいね!」やコメントもできる。
VOOX
VOOX
月額料金:無料
さまざまなプロが音声コンテンツを提供。1話当たり約10分なのでスキマ時間に最適
スキマ時間をインプットに充てたい忙しいビジネスパーソンに向けて作られた「VOOX(ブークス)」。アカデミアからビジネスの最前線まで、さまざまなプロフェッショナルがオリジナルの音声コンテンツを提供している。各エピソードは1話当たり10分程度なので、リモートワークの合間などの時間を有効活用できる。
コンテンツは「リラックスするとき」「パワーを補充するとき」といった分類で探したり、タグで探したりすることもできる。本サービスは2021年2月に登場したばかりなので、今後の配信者のラインアップ拡充に期待。現在は全コンテンツが無料で楽しめる。
ホーム画面では全配信者が紹介されている。アカウントを作成すると、複数端末で利用可能になる。
再生アイコンをタップすると再生が始まる。気に入ったエピソードはブックマークに登録しよう。
Artistspoken
Artistspoken
月額料金:300円
ビジネスや自己啓発の音声メディアに飽きている人に使ってほしいのが、「Artistspoken(アーティストスポークン)」。配信者はさまざまな領域で活躍するアーティストで、ミュージシャンや歌舞伎役者、プロレスラーなど個性的なラインアップとなっている。現在は60人のアーティストが参加しており、年齢層も幅広い。アーティストに「レター」を送り、直接感想を伝える機能もある。
コンテンツは無料のものと有料のものがあり、アーティストごとに課金される仕組み。月額300円を支払うと「フォロー」できるようになり、すべてのコンテンツが聴けるようになる。
無料の音声のみを楽しむ場合は会員登録が不要だが、アーティストをフォローするには会員登録と課金の手続きが必要。
「レター」ボタンをタップすると、アーティストにコンテンツの感想や質問を投稿できる。
※価格は記事作成時のものです。
■解説/今西絢美(ライター)、友納一樹(ライター)