ナビダイヤルとは、NTTコミュニケーションズが企業向けに提供しているサービス。一つの電話番号で、全国各地にあるサービス拠点に企業の都合で任意に接続できる。通話料金は発信者負担。ここでは、なぜナビダイヤルがドコモのカケホーダイの対象外なのかを解説する。
ナビダイヤルは、なぜカケホーダイ対象外?
読者からの質問
NTTコミュニケーションズのナビダイヤルについて。ドコモとNTTコミュニケーションズは、グループ会社なのに、なぜナビダイヤルがドコモのカケホーダイの対象外なのか、理解できません。これは一体どういうことなんでしょうか?(I.Tさん 東京都 80歳)
編集部:
この質問は、フリーライターの福多利夫さんに聞きます。ナビダイヤルの説明からお願いします。
専門家の回答
専門家:
「ナビダイヤルは、NTTコミュニケーションズが企業向けに提供しているサービスです。一つの電話番号で、全国各地にあるサービス拠点に企業の都合で任意に接続できるというものです。通話料金は発信者負担となっており、発信場所がどこであっても、着信するサービス拠点がどこであっても、電話料金に差が出ないように、企業側が決めた統一料金となっています。そのため、電話をかけると「ナビダイヤルでおつなぎします。この通話は、○秒ごとに△円の通話料金でご利用いただけます」という案内音声が流れます。
企業側としては、不動産コストや人件費が安い地域にサービス拠点を置くことでコストを下げることができるうえ、通信コストも下げられるというシステムになっているわけです」
編集部:
これがカケホーダイの対象から外れているんですよね。
専門家:
「そうです。カケホーダイはご存じのように、ドコモのスマホのサービスで、契約している人は、一部の例外を除いて、どこに電話をかけても(発信しても)通話料は発生しないというものです。
一部の例外とは、海外での発着信、『WORLD CALL(ワールド コール)』『188』『104』などの特番、衛星電話/衛星船舶電話、0570や0180などの他社接続サービスとなっています。この0570がナビダイヤルですね。他社接続サービスとなっていますから、同じグループ内であっても、ドコモにとってNTTコミュニケーションズは他社扱いということになっているわけです。
ナビダイヤルがカケホーダイの対象から外れている理由は、二つあると考えられます。
一つは、ナビダイヤルで設定されている○秒ごとに△円という通信料が、純粋な通話料金ではなく、契約している企業側のコストを含めて決められた金額である可能性があることです。ナビダイヤルで発生した料金をドコモ側が受け持つのは通信料以上の負担になるわけです。
もう一つは、ナビダイヤルの発信抑制効果にあります。ナビダイヤルに電話をかけようとした人は、有料ということで電話をかけることをためらう心理が発生します。ナビダイヤルをカケホーダイの対象にすると、その効果が薄れてしまうのです」
編集部:
国内企業全体のコスト削減意識と、ドコモの負担減が最大の理由でしょうね。世知辛い話です。