4Gから参入した楽天モバイルは、後発だからこそ完全仮想化を実現できたといっていいだろう。しかし、ネットワークの堅牢性については、先行するキャリアに劣ることを指摘する人もいる。筆者自身、楽天モバイルがサービス開始前に開催した説明会では、仮想化のメリットとして『たとえ通信障害が起きても、クラウドからの制御ですぐに復旧できる』といった説明を受けたが、実際には、一部エリアで一定時間使えなくなる通信障害も発生している。

楽天の「仮想化クラウドなんとか」とは何?

読者からの質問

楽天モバイルの「完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワーク」は、従来の携帯電話技術とどう違うのでしょうか? 私も楽天モバイルと契約し、実際に使い始めましたが、特に問題はありません。将来的に、他キャリアもそうなるかなど、業界の流れも教えてほしいです。(I.Sさん 東京都 69歳)

編集部:

これは、ITライターの村元正剛さんに聞きましょう。

専門家の回答

専門家:

「楽天モバイルは事業開始当初から、世界で初めて完全に仮想化されたネットワークを運用していることをアピールしています。その『完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワーク』の仕組みについて説明するには、多くの専門用語を使う必要があり、非常に難しいので、ここでは避けます。わかりやすく端的にいえば、基地局の設備をシンプルにして、ネットワークを管理・運用するあらゆる作業をクラウド(オンラインでの遠隔操作)で行うといったものです。

従来から携帯電話事業を展開している大手3社は、長い年月をかけて全国に基地局を設置しました。その基地局には、ただアンテナを立てているだけではなく、複数の専用機器も設置されています。通信障害などのトラブルが発生した場合は、基地局のメンテナンスが必要になることもあります。一方、楽天モバイルの仮想化されたネットワークでは、基地局に設備は少なく、ネットワークを運用する設備にも、専用ではなく汎用の機器を用いています。それによって、大幅なコストダウンを実現し、それが通信料金にも反映されています。

ただし、先行する大手3社が、まったくクラウドの技術を使ってないというわけではありません。各社は、専用機器を用いる従来の技術に加えて、部分的にクラウドの技術も使っているのが現状です」

編集部:

将来的にはどうなりますか?

専門家:

「5Gに入った通信業界は、すでに次の6Gに向けた通信技術の研究・開発に着手しています。筆者が取材で知る範囲では、ネットワークを効率よく利用するために、クラウドの重要度はますます高くなりそうです。同時に、専用機器を用いた盤石なネットワークの優位性について説明を受けることもあり、それを生かす技術の研究も続けられています。

4Gから参入した楽天モバイルは、後発だからこそ完全仮想化を実現できたといっていいでしょう。しかし、ネットワークの堅牢性については、先行するキャリアに劣ることを指摘する人もいます。筆者自身、楽天モバイルがサービス開始前に開催した説明会では、仮想化のメリットとして『たとえ通信障害が起きても、クラウドからの制御ですぐに復旧できる』といった説明を受けましたが、実際には、一部エリアで一定時間使えなくなる通信障害も発生しています。安全に、安心して使えるかどうかは、まだしばらく様子を見る必要があるでしょう」

編集部:

楽天モバイルは、確かに料金が安いので私も注目していますが、まだ乗り替えるまでには至っていません。様子を見ておきます。

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