【Wi-Fiの基本】モバイルデータ通信との違いは?どんなメリットがある?

ガジェット

そもそもWi-Fiとは、ワイヤレスでデータ通信をやり取りするための「無線LAN」規格の一種。複数の機器を相互につないで「ホームネットワーク」を構築でき、スマホをリモコン代わりにして家電を操作したり、レコーダーで録画した番組をほかの部屋のテレビで鑑賞したりと、便利な使いみちがすでに現実のものとして提供されている。

スマホやパソコンを快適にネットにつなぐための仕組みがWi-Fiだ

Wi-Fiを利用する機会がますます増えている

リモートワークやギガスクールの導入などで、大人も子供も家庭でパソコンやスマホを使うことが当たり前に。もはやWi-Fi環境は必須となりつつある。

スマホやパソコンの普及によりインターネット環境自体はすでに社会インフラとして定着した感もあるが、さらなる快適さをもたらしてくれるのが「Wi-Fi」だ。

そもそもWi-Fiとは、ワイヤレスでデータ通信をやり取りするための「無線LAN」規格の一種で、異なる端末でも相互にワイヤレスで接続が可能なように策定された共通規格を示す。

つまり、異なるメーカーの端末どうしでもWi-Fiに対応さえしていれば、何ら支障なくワイヤレス通信を構築できるというわけだ。

ほかにもWi-Fiのメリットは多数あるが、とりわけ注目したいのがキャリアの「モバイルデータ通信」を利用せずにネットに接続できるという点だ。

最近は、高解像度の動画配信が増えたこともあって、以前と比べてデータ通信量がかさみやすい。スマホで大容量のデータ通信プランに加入していたとしても、油断していると瞬く間に上限に達してしまう。

その点、Wi-Fiなら自宅の固定回線経由でインターネットに接続できるため、上限を気にせずデータ通信を利用することが可能。しかも、有線LANと違ってめんどうな配線の必要もないうえ、ワイヤレスだから当然、ネットに接続したまま部屋の移動もできる。

気になる速度面も、最新ルーターなら4803MbpsのWi-Fi通信に対応したモデルもあるので、光回線を利用しているなら、ギガビット超えのワイヤレス通信を実現することも可能だ。

Wi-Fiはメリットがたくさん

Wi-Fiを使えば利便性がアップするだけでなく、スマホのデータ通信を使わなくて済むため、余計な出費も抑えられる。

Wi-Fiルーターを用意するだけで誰でも簡単に導入することができる

Wi-Fiを導入するには、まず前提として光回線やCATVなどのインターネット回線が自宅にあることが条件。

そのうえで子機となるスマホやパソコンをWi-Fiに実際につなぐには、親機となる「Wi-Fiルーター」と呼ばれる通信機器を用意する必要がある。基本的にはこの二つの条件を満たせば、Wi-Fi環境を構築することができる。

ルーターにはさまざまな製品があるが、最新規格の「Wi-Fi 6」対応モデルでも数千円程度から購入可能。ただし、通信速度や同時接続時の安定動作にこだわるなら、高性能なモデルを選びたい。

Wi-Fiルーターの設置方法は、基本的には固定回線用のONU(光回線の信号をデジタル信号に変換する装置。Optical Network Unitの略)やホームゲートウェイとつなぐだけだ。

この際、いくつかの設定が必要となるが、簡単に済ませたいなら自動設定機能を搭載したWi-Fiルーターを購入したほうがいい。設定が終わったら、あとはスマホやパソコンのWi-Fi設定からWi-Fiルーターに接続すればOKだ。

ルーターをつなげば簡単に導入できる

インターネット光回線の終端装置であるONUやホームゲートウエイにWi-Fiルータをつなぐことで導入できる。

OnePoint自宅にインターネット回線がない人は、まず光回線などを導入する必要がある

上でも触れたように自宅でWi-Fiを利用するには、基本的にはインターネット回線が必須となる。

最近は、動画配信やビデオ会議、ギガスクールといったように高速通信や大容量のデータ通信が求められるケースが増加していることを考えると、自宅に敷く回線はギガビット級の通信速度を誇る「光回線」を選ぶのが最良といえる。

光回線にはさまざまなサービスがあるが、地域によって加入できる事業者が異なる点に注意したい。

参考までに主な光回線事業者を下の表にまとめてみたが、提供エリアが広いのはやはり大手キャリアでもあるNTTとau、ソフトバンクのサービス。料金や最大速度はほぼ横並びになるが、いずれも同キャリアのスマホ契約があればセット割引が利く。料金面を重視するなら、スマホの契約キャリアと合わせるのも手だろう。

光回線各社のサービス提供エリア

回線業者 サービス名 提供エリア
NTT東日本/西日本 フレッツ光 東日本/西日本
KDDI au光 東海、関西、沖縄を除く全国
ソフトバンク ソフトバンク光 NTT東日本/西日本が提供するエリア
ソニーネットワーク
コミュニケーションズ
NURO光 北海道、関東、東海、関西、中国、九州
オプテージ eo光 関西圏

スマホやパソコンだけじゃない!Wi-Fiがあるとこんなに便利

電気に水道、それにガスといったライフラインは私たちの生活に欠かすことのできない生命線であるが、今やWi-Fiもその一つになりつつある。少々大げさに聞こえるかもしれないが、周囲を見渡せばそうした変化の兆しは否応なしに視界に飛び込んでくる。

スマホやパソコンはいうに及ばず、最近ではテレビやHDDレコーダーといったAV家電の多くがWi-Fi機能を標準搭載。白物家電はいまだ途上だが、エアコンや照明など、多種多様な製品ジャンルでWi-Fi採用が急速に進んでいる。

Wi-Fi搭載のメリットは多数あるが、中でも生活を一変させるインパクトを持つのが複数の機器を相互につないで「ホームネットワーク」を構築できる点だ。

例えば、情報機器やAV家電、白物家電を親機のWi-Fiルーターにつないでワイヤレスネットワークを構築し、スマホをリモコン代わりにして家電を操作したり、運転状況を確認したりすることも可能。

ほかにもレコーダーで録画した番組をほかの部屋のテレビで鑑賞したり、スマホの写真をテレビで再生したりなど、ホームネットワークならではの便利な使いみちがすでに現実のものとして提供されている。

身の回りにあるWi-Fi対応機器

Wi-Fiを搭載した家電は「IoT家電」や「スマート家電」とも呼ばれ、ネットを介してさまざまな機能を利用可能。最近では、さまざまな製品ジャンルで急速に採用が進んでいる。

スマホを使ったネットワーク操作に抵抗がある人もいるかもしれないが、アマゾンの「Echo」シリーズなど、スマートスピーカーを介した音声操作に対応した家電製品も増えてきている。

しかも、最近ではTP-Linkの「Deco Voice X20」ようなスマートスピーカー搭載の高性能Wi-Fiルーターまでも登場。話しかけるだけで家中のあらゆる家電を、スムーズにコントロールできる時代が到来しつつあるのだ。

家じゅうの家電を音声でコントロールすることも可能

TP-Link
Deco Voice X20
実売価格例:2万7800円

最大1201Mbpsのワイヤレス通信を実現したメッシュWi-Fiルーター。最新のWi-Fi6規格に対応するほか、Amazon Alexa対応のスマートスピーカーを本体に搭載する。

※価格は記事作成時のものです。
■解説/篠原義夫(ガジェットライター)

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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