スマホの便利な機能の一つにカメラ機能がある。アプリを起動してシャッターボタンを押すだけで手軽に高画質な写真や動画が撮れるので、スマホを使い始めて写真を撮る機会が増えた人も多いだろう。しかし、高性能ゆえに使いこなせていない人も多い。ここではスマホカメラの一歩進んだ使い方を紹介しよう。
ちょっとした一手間をかければカメラの使い勝手が向上
写真を撮る際、構図を考えるのに役立つのが「グリッド」だ。撮影画面に表示される補助線のことで、グリッドを意識すると水平な写真や、収まりのいい構図の写真が撮れる。iPhoneの場合は、「設定」アプリの「カメラ」の王目からグリッドのオン・オフを設定できる。Androidの場合は「カメラ」アプリの設定画面で表示の切り替えが可能だ。
▶グリッドを表示して構図を意識
iPhone
(1)iPhoneは「設定」アプリで「カメラ」→「グリッド」をオンにする。
(2)画面に格子状の補助線が表示され、構図を考えやすくなる。
Android
日の丸や三角形などのグリッドもある
Androidの機種によっては、さまざまな種類のグリッドが選べる。
もう一つ、構図で意識したいのは「画角」だ。iPhone11以降のiPhoneや一部のAndroidでは広角カメラを搭載しており、画面で見えている構図よりもさらにワイドな画角で撮影することができる。超広角が生かせる風景写真や集合写真などで活用してみるといいだろう。
▶広角で撮るには全画面表示にする
iPhone
(1)iPhoneは「設定」アプリで「カメラ」をタップ。
(2)iPhone11以降には「フレームの外側を表示」という項目があるのでオンにする。
Android
「全画面表示」で広角撮影できる
Androidはカメラを起動して「設定」アイコンをタップ。「全画面表示」などの項目をオンにすると広角で撮影できる。
ロック画面から素早く起動してシャッターチャンスを逃さない
大半の人がスマホにロックをかけているだろう。急いで写真を撮りたいときに、ロックを解除してカメラアプリを起動していると、シャッターチャンスを逃すかもしれない。だが、ロック画面を見ると、カメラのアイコンがあることに気づくはず。このアイコンを使えば、素早くカメラを起動できる。
iPhoneは、カメラアイコンを左にスワイプ、もしくはタッチして押さえたままにしてから指を離すとカメラが起動する。Androidは、カメラアイコンを上や左にスワイプしよう。一部の機種では、シャッターボタンを長押しすることで起動できる。
▶ロック画面からカメラを起動
iPhone
カメラアイコンを左にスワイプする
iPhoneはロック画面でカメラのアイコンを左にスワイプする。
画面右上を下方向にスワイプしてコントロールセンターを表示し、カメラのアイコンをタップする方法でも起動できる。
Android
カメラのアイコンをスワイプして起動
Androidの場合はカメラのアイコンを上や左にスワイプすれば起動できる。
フラッシュは「オフ」にしておくのが鉄則!
被写体を明るく撮影したいとき、ついフラッシュを使いがちだ。逆光の場合はフラッシュを使って撮影すると、被写体がはっきり写るので効果的だが、暗い室内などで使うと写りがイマイチになる場合がある。
フラッシュをオンにして撮影すると、被写体のディティールは鮮明だが雰囲気が台なしになりがち。
また、予期せずフラッシュが光って周囲に目立ってしまうこともある。そうならないためにも、ふだんはフラッシュをオフにしておこう。
▶なるべく自然光で撮影しよう
iPhone
iPhoneの場合は、撮影画面でフラッシュのアイコンをタップして「自動」と「フラッシュオフ」を切り替えることが可能。
Androidの場合は、撮影画面に表示されたフラッシュのアイコンをタップして、オン/オフを切り替えるが、機種によっては撮影画面の「設定」アイコンをタップして操作する場合もある。
まずは自分が使っているスマホのカメラの設定方法を確認してみよう。
Android
Androidは撮影画面上部のフラッシュのアイコンをタップして切り替える。
手ブレ対策などにも有効。セルフタイマーを活用しよう
スマホのカメラにはセルフタイマー機能がある。セルフタイマーは集合写真で使うことが多いが、薄暗い場所での撮影や、自撮りをしたいときなどにも役立つ。手ブレの原因はシャッターボタンを押したときにスマホが動いてしまうことにある。セルフタイマーを使えば、カメラを両手で固定したまま撮影できる。さらに、iPhoneはセルフタイマーで撮影すると、連写したうえで写りのいい写真を選んでくれる。
▶集合写真以外でもセルフタイマーが便利
iPhone
iPhoneは撮影画面上部の三角矢印をタップ。画面下部の時計のアイコンをタップして時間を選ぶ。
Android
(1)Androidは撮影画面で「設定」を開き、「セルフタイマー表示」をオンに。操作方法は機種により異なる。
(2)画面上部にある時計のアイコンをタップして、セルフタイマーの時間を設定しよう。
iPhoneは「Live Photos」ならシャッター音が小さい
飲食店や美術館などの静かな場所では、写真撮影のマナーが求められやすい。iPhoneで撮影がOKでもシャッター音が気になるなら、「Live Photos(ライブ フォト)」を使おう。シャッターボタンを押す前後1・5秒の動きと音を記録できる撮影モードで、通常よりもシャッター音が小さい。
ただし、Live Photosで撮影すると、ファイルサイズが大きくなるので要注意。
▶「Live Photos」は必要なときだけオンにする
iPhone
(1)撮影画面右上の二重丸のアイコンをタップしてオン・オフを切り替える。詳細メニューからも設定可能。
(2)Live Photosで撮影した写真だけをアルバムで確認することもできる。
iPhoneユーザーは「Microsoft Pix」に注目せよ
マイクロソフトが提供する「Microsoft Pix(マイクロソフト ピックス)カメラ」は、写真や動画、パノラマ撮影などに対応したカメラアプリだ。フィルターや色調補正などの編集機能も搭載している。iPhoneユーザーにとってこのアプリが魅力的なのは、写真や動画などすべてのモードが無音撮影に対応している点だ。また、ドキュメントスキャナー機能もあるので、書類などを読みやすく補正して保存することもできる。
▶無音撮影や書類スキャンに対応
(1)撮影時にシャッター音が鳴らない。フィルターや編集機能も充実している。
(2)ドキュメントスキャナー機能を使えば、書類などを読みやすく撮影・補正して保存できる。
◆解説/今西絢美(ライター)
◆イラスト/中山昭(絵仕事 界屋)