茶碗蒸しや温泉卵は、材料はほとんど卵だけですし、自分で作ればコストパフォーマンスも高くて美味しいことはわかっています。しかし、どちらも火加減や温度調整を間違えると、かなり簡単に失敗してしまう料理です。そのため、つい出来合いのものを買ってきてしまうのですが、100均の専用調理器を使えば、ほぼ失敗知らず、とても簡単に茶碗蒸しや温泉卵が楽しめます。そんな100均の専用調理器を紹介しましょう。
執筆者のプロフィール
齋藤千歳(さいとう・ちとせ)
元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1カ月かけて北海道を一周するなどしている。
ダイソー・茶わん蒸し器
茶碗蒸しは好きだけれど作ったことはない
溶いた卵とだし汁を混ぜて具材と一緒に容器に入れ、蒸し上げれば茶碗蒸しが出来上がる、ということを知っている方は多いでしょう。筆者も実は知っていました。そして、茶わん蒸しは好きです。しかし、1人分や2人分といった量の茶碗蒸しを作るために、蒸し器を出したり、卵をこしたりといった作業が割に合わない。それなら出来合いのものを買ってきた方が楽だと思っていたわけです。
しかし、ダイソーで見つけた「おうちで手作り! レンジでかんたん!! 茶わん蒸し器」(以下、「茶わん蒸し器」)は、卵1つと水、そして白だしを入れ、レンジで2分加熱するだけで(具材は入れられませんが)茶碗蒸しが完成するといいます。余計な洗い物も出ず、こんなに簡単でコストパフォーマンスもいいなら、ぜひ家で作ろうと「茶わん蒸し器」を購入しました。税込110円です。
商品パッケージ
ダイソーの茶わん蒸し器は、レンジで2分するだけで茶碗蒸しができるといいます。こし器も付いているようです。
商品の外観
見た目は、プラスチック製の蓋付きカップ。「茶わん蒸しの器」と言われれば、まあ、そう見えなくもありません。でも、蓋には細い穴があいています。
フタとこし器
ふたを外すと、卵をこすための網状のパーツが取り付けています。写真左側がこし器、写真右側がフタです。こし器とスリットの入った蓋が、茶碗蒸しを美味しく仕上げるポイントなのでしょう。
茶碗蒸しを作る
卵、水、白だしを混ぜる
卵1つ、水100ml、白だし小さじ2杯をよく混ぜます。自宅に白だしがなかったので、めんつゆを入れてしまいました。
こし器を通して卵液を流し入れる
こし器を通して、茶わん蒸し器本体に、混ぜた卵液を流し入れます。こし器を使うことで、滑らかな舌触りに仕上がるようです。
500Wの電子レンジで約2分
こし器を外して本体に蓋し、500Wの電子レンジで約2分加熱。これだけで茶碗蒸しが完成します。
予想以上のクオリティに驚く
電子レンジから出した「茶わん蒸し器」の中には、予想以上に滑らかな茶碗蒸しが出来上がっていました。
茶碗蒸しというと、面倒なうえに火加減を間違えるとスが入るなどの失敗が多く、なかなか作る気の起こらない卵料理でした。しかし、「茶わん蒸し器」を使うと、驚くほど簡単です。卵液をこし器を通すというひと手間のおかげか、予想以上に仕上がりもなめらかです。
加熱の問題なのか、具材は入れられないので、別途調理してあとから上にのせることになるようですが、筆者は「素茶碗蒸し」で十分満足できました。
火加減については、卵や使用する水の温度などにも影響を受けるようです。取り出して中身を確認し、火の通りが甘いようなら、10〜20秒ずつ再加熱すると適度な加熱ができるようです。あともう少しといった程度なら、蓋をしたまま少し蒸らしてみるのもよいでしょう。
何かもう一品ほしい時の副菜にもお手軽ですし、フタが外れやすく穴があいているという問題を解決すれば、お弁当にも使えるでしょう。非常に満足です。
セリア・温泉たまご器
商品パッケージ
セリアで購入した「本格 温泉たまご器」(以下「温泉たまご器」)税込110円。シンク内で熱湯を注ぐだけ、約13分で温泉卵ができるというユニークな商品です。
商品の外観
温泉たまご器をシンクの中に置き、卵を入れて熱湯を注ぐと、徐々にお湯が流れ出していき、13分後に温泉卵ができる仕組み。
お湯が流れ出る底
注いだ熱湯が少しずつ流れる、底の部分。この仕組みが、温泉たまご器の最大のキモと言えるでしょう。
温度計もキッチンタイマーも電子レンジも不要
温泉たまご器を初めて見たとき、「世の中には頭のいい人がいるなあ」と感心したわけです。
カレーやうどんを食べるとき、温泉卵が1つあると、ちょっと豪華な気持ちになります。しかし、温泉卵に仕上げるためには、加熱する微妙な温度と加熱時間を、しっかり管理する必要があります。ほかの料理をしながら温泉卵を作ると、固くなりすぎたり加熱が足りなかったりと、筆者は失敗を繰り返していました。
ところが、この温泉たまご器は熱湯を注ぐだけ。あとはお湯がなくなるまで待つだけですから、ある意味失敗のしようがないわけです。
料理の合間にお湯を注いでおくだけで、トッピングやもう一品としての温泉卵が完成するなんて、夢のようです。当然こちらも即買いしました。
温泉卵を作る
シンクに温泉たまご器を配置
注いだ熱湯が底から徐々に流れ出る仕組みなので、キッチンのシンクなどに配置する必要があります。
卵を入れて熱湯を注ぐ
温泉たまご器の中に卵を2つ入れ、基準線まで熱湯を注ぎます。あとは、お湯がなくなるまでの約13分間待つだけです。
生卵よりもちょっと豪華な気持ちになれる
本当にお湯を入れて待つだけで、温泉卵が完成しました。びっくりするくらい簡単に、かなり本格的な温泉卵ができます。
温泉卵はある意味、生卵を少し加熱しただけの料理です。しかし、なぜか筆者の中では、生卵よりも高級なイメージがあります。旅館の朝食に出てくる印象が強いからでしょうか。
そのため、カレーやうどん、丼ものなどに温泉卵をトッピングすると、生卵を乗せた時よりも豪華な気分になれます。また、温泉卵なら、だし汁をかけてネギやゴマを散らすだけで、副菜の一品として十分通用します。生卵だと、そうはいきません。
温泉卵は温度調整と時間管理が面倒で、どうしても食べたい時は既製品を買うことが多かったのですが、温泉たまご器があればお湯を注ぐだけで簡単にできます。電子レンジも使いませんし、鍋やコンロも必要ないので、他の調理を邪魔することなく作れるのも魅力でしょう。とてもおすすめです。
まとめ
火加減の難しい卵料理は専用調理器具がおすすめ
茶碗蒸しや温泉卵に限らず、オムレツや卵とじなど卵料理は火加減が命です。絶妙な火加減で仕上げるには、多くの経験や技術が必要になります。素人がそれを習得するのはかなり難しいですし、実際面倒すぎるわけです。 そこで今回紹介した 「茶わん蒸し器」や「温泉たまご器」といった専用の調理器具を使えば、プロ並みの火加減とはいかないまでも、確実に失敗しないで調理を行うことができます。しかも100均で買えば、ほとんどの場合税込110円。ある意味、数回使えば元が取れると言えるでしょう。最近の100均の専用調理器は予想以上にレベルが高いので、ぜひ多くの方にチャレンジしてもらえればと思います。