荷造りのためのロープワークでたいせつなのは始端止めです。末端をどう結ぶかも重要ですが、いくら末端をしっかり結んでも途中がユルユルだと荷造りの意味がありません。荷造りの始めに始端止めをやるとやらないのとでは、作業のスムーズさや仕上がりに大きな差がつきます。使用するロープはやわらかい素材のほうが縛りやすく、細いロープを二重三重に掛けたほうがいいでしょう。
本稿は『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
イラスト・写真:出典/西東社
荷造りで使うロープワークのポイント
キャンプや釣り、船などのロープワークは「結び目」をどう作るかが最大のポイントで、目的に応じた結び目を正確に作れればいいのですが、荷造りのためのロープワークは少し違います。
もちろん末端をどう結ぶかも重要ですが、いくら末端をしっかり結んでも途中がユルユルだと荷造りの意味がありません。ロープやひもが荷物にしっかりとかかった状態をくずしてはいけないのです。
そこでたいせつになってくるのが始端止めです。荷造りの始めにこれをやるとやらないのとでは、作業のスムーズさや仕上がりに大きな差がついてしまいます。同じようにロープ交差部の処理も「しっかり縛る」ためのポイントになります。
ここでは、荷物へのロープの掛け方を紹介します。使用するロープやひもの太さは荷物によって違いますが、やわらかい素材のほうが縛りやすく、太いロープ1本よりも細いロープを二重三重に掛けたほうが確実だということを覚えておきましょう。
荷物を縛る
始端止め、末端の結び方など、日常的にロープを使用しての荷造りはあまりありませんが、覚えておいて損はないです。
▼始端の止め方(1)
(1)ロープを荷物に掛けてしめ、角の部分で端を元側に掛ける。
(2)端をひと巻きして強く引き、元側を荷物にもう一度巻く。
(3)端を止めたまま、荷物にロープを掛けていく。
(4)完成 端が元側で押さえられるのでゆるむことはない。
本稿は『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
▼始端の止め方(2)
(1)荷物にロープを2回巻き、2回目で端を元側の下に通す。
(2)端と元側を強く引いてしめる。
(3)完成 荷物の角を利用するのがコツだ。
▼末端の結び方(1)
本結び(リーフ・ノット)
(1)一方の端をもう一方の上から下へ通すように巻きつける。
(2)同じ端をもう一度もう一方に巻きつける。
(3)両端を引いてしめる。
(4)完成 あまり強固な結び方ではないので、結び目をしめた後、両端を元側にそれぞれ「ひと結び」してもいい。
▼末端の結び方(2)
片解き本結び(スリップト・リーフ・ノット)
(1)一方の端をもう一方の上から下へ通し、折り曲げて小さなループを作る。
(2)もう一方の端でループの上から下へひと巻きする。
(3)ループと端を引いてしめる
(4)完成 「片はな結び」ともいい、ループの端を引けば簡単にほどける。
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なお、本稿は書籍『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。本書は、ロープとひもの結び方が「全200」も解説・収録されています。イラスト図解で結び方の工程が見やすく、写真で完成イメージがわかりやすくなっています。基礎知識、アウトドア、荷造り、園芸、防災・緊急時からロープのメンテナンスまで、さまざまな場面で役立つ結び方が網羅されていて、もしものときのために持っておくと安心の一冊です。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※(1)「【釣りで使う糸の結び方】糸と糸を結ぶ・チチワを作る・ルアーを付ける」の記事もご覧ください。