釣りで使うロープワークとは、いわゆる「仕掛け作り」のことです。仕掛け作りでたいせつなポイントは「結びの正確さ」です。釣りの場合は細くて滑りやすい糸を水中で使うという特殊な条件がつくので、正確さの重要性はより大きくなります。多くの方法がありますが、糸どうしをつなぐ、チチワを作る、スプールに道糸を結ぶ、ルアーをつけるなど、比較的簡単にできる結び方をご紹介します。
本稿は『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
釣りで使うロープワーク
釣りで使うロープワークのポイント
釣りで使うロープワークとは、いわゆる「仕掛け作り」のことだ。多くの方法があるが、ここでは糸どうしをつなぐ、チチワを作る、スプールに道糸を結ぶ、ルアーをつけるなどから比較的簡単にできる結び方をピックアップして紹介する。
仕掛け作りでもっともたいせつなポイントは「結びの正確さ」だ。ほかのロープワークでも正確さはもちろん必要だが、釣りの場合は細くて滑りやすい糸を水中で使うという特殊な条件がつくので、正確さの重要性はより大きくなる。いいかげんな結び方をしていると簡単にほどけてしまうし、たとえほどけなくても不正確な結び方や用途に合わない結び方が原因で糸が切れるというケースもよくあるのだ。
「正確に結ぶ」には、知識の幅を広げるよりもひとつの結び方を徹底的に練習したほうがいい。糸と糸をつなぐ、針にハリスをつけるなど用途別に1種類ずつ結び方をマスターすれば仕掛けは作れる。手が自然に動いて正しく結べるようになってから、同じ用途の新しい結び方を覚えていけばいいのだ。
糸どうしをつなぐ
摩擦が少ないので、強固に結ぶには巻き数を多くして糸の接触面積を広げる結び方になる。
▼チチワを作る
二重8の字結び(ダブル・フィギュア・エイト・ノット)
(1)糸の端をふたつ折りにして、二重の輪を作る。
(2)二重の輪を1回ひねって8の字型にする。8の字の交差部を指で押さえ、ループ部を輪の下から通す。
(3)ループ部と元側を引いてしめる。
(4)完成 最後に余分な端をカットして完成。応用範囲の広い基本の結び方。
▼糸と糸を結ぶ
電車結び(ユ二・ノット)
(1)糸の両端を重ね、一方で輪を作る。
(2)輪ともう一方の糸の両方に端を3~4回巻きつけてから輪をしめる。
(3)(1)~(2)の手順をもう一方の糸でも行う。
(4)両方の元側を左右に引いてふたつの結び目をくっつけ、余分な端をカットする。
(5)完成 「二重テグス結び」と同じ要領だが、実際の釣りでは巻き数が多くて強固なこの結び方が使われる。
本稿は『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
▼スプールに道糸を結ぶ
(1)リールのスプールに糸を掛ける。
(2)端を元側に4~5回巻きつける。
(3)端をスプール側の輪Aにくぐらせ、戻して輪Bを通す。
(4)完成 元側を引いて結び目をしめる。余分な端をカットして完成。
▼ルアーをつける(1)
フリー・ノット
(1)「止め結び」した糸をルアーに通し、端を結び目にくぐらせる。
(2)元側を引いて結び目をしめる。
(3)端で元側にもう一度「止め結び」をする。
(4)端を引いて結び目をしめる。
(5)完成 ルアーをややソフトにコントロールするための結び方だ。
▼ルアーをつける(2)
サルカン結び(クリンチ・ノット)
(1)ルアーに糸を通し、端を元側に5~6回巻きつける。
(2)端を戻してルアー側のひとつ目の輪に通す。
(3)端をAの輪に通す。
(4)端と元側を引いて結び目をしめて、余分な端をカットする。
(5)完成 ロッドやラインの動きをルアーにストレートに伝える結び方だ。
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なお、本稿は書籍『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。本書は、ロープとひもの結び方が「全200」も解説・収録されています。イラスト図解で結び方の工程が見やすく、写真で完成イメージがわかりやすくなっています。基礎知識、アウトドア、荷造り、園芸、防災・緊急時からロープのメンテナンスまで、さまざまな場面で役立つ結び方が網羅されていて、もしものときのために持っておくと安心の一冊です。詳しくは下記のリンクからご覧ください。