【レコードプレーヤーの選び方】注目モデル10選!国内・海外メーカーの特徴と主要ラインアップ

レビュー

モノを選ぶ場合にはまず商品知識が必要。どんなタイプがあり、グレードはどうなっていて、どんなメーカーが作っているのか……。レコードプレーヤーの場合は、ブランドごとの伝統やポリシー、特徴的な技術、そして主要な製品ラインアップを知ること。ここでは国内海外の人気9ブランドの特徴と主要ラインアップ、そして注目モデルを紹介しよう。

DD方式なら、デノン、テクニクス、ティアック

デノン

DP-1300MKII 19万6020円 ダイレクトドライブ
DP-500M 9万6800円 ダイレクトドライブ
DP-450USB 6万8200円 ベルトドライブ
DP-400 5万3900円 ベルトドライブ
DP-300F 4万700円 ベルトドライブ
DP-200USB 2万8600円 ベルトドライブ
DP-29F 1万4300円 ベルトドライブ
主要ラインアップ ※2021年8月上旬現在・価格は実売価格例

まず、国内メーカーから。アナログ全盛の時代から長く続けているのが、110年の歴史を持つデノン(旧デンオン)だ。局用の大型ターンテーブルや、その流れをくむ高級機を歴代手がけてきたが、現在のラインアップは上記のとおり。

デノンはテクニクスと並び、ダイレクトドライブ(DD)方式の元祖だが、DDタイプとしてはDP-13
00MKIIと弟分のDP-500Mをリリース。その下はベルト駆動の入門機で、「買ってきてすぐにレコードが聴ける」というコンセプト。カートリッジ、フォノイコライザー内蔵機で固め、今流にUSB搭載機も用意している。

テクニクス

SL-1000R/
SP-10R
160万円/
88万円
ダイレクトドライブ
SL-1200G 36万3000円 ダイレクトドライブ
SL-1200GR 16万2800円 ダイレクトドライブ
SL-1500C 11万円 ダイレクトドライブ
SL-1200MK7 9万9000円 ダイレクトドライブ
主要ラインアップ ※2021年8月上旬現在・価格は実売価格例

テクニクスは、パナソニックのオーディオブランドだ。2014年に復活。アナログプレーヤーではダイレクトドライブのDJ用プレーヤー、SL1200シリーズが先行して登場。いろいろなバリエーションがある。

続いて、最高峰のSL-1000RとアームレスのSP-10Rが発売され、マニアものけぞったものだ。エントリーモデルとしては、SL-1500Cの人気が高い。

ヤマハ

GT-5000 66万円(B)/
88万円(BP)
ベルトドライブ
MusicCast
VINYL 500
6万9540円 ベルトドライブ
TT-S303 4万3190円 ベルトドライブ
主要ラインアップ ※2021年8月上旬現在・価格は実売価格例

ヤマハといえば、往年の名機、GT-2000だろう。その“GT思想”を現在に受け継くのが、フラッグシップのGT-5000だ。DD型から正統派のベルトドライブへと進化。重量級プラッターを正弦波で正確に駆動し、圧倒的な静けさを得たバランス伝送対応機だ。

そのほかは、ベルト駆動の入門クラスで、MusicCastに対応したネットワークターンテーブルとシンプルなフォノイコライザー内蔵型とがある。

ティアック

TN-5BB 18万4800円 ベルトドライブ
TN-4D 6万9800円 ダイレクトドライブ
TN-3B 5万2180円 ベルトドライブ
TN-400BT 5万5000円 ベルトドライブ
TN-400S 3万2780円 ベルトドライブ
TN-350 3万1980円 ベルトドライブ
TN-280BT 2万5540円 ベルトドライブ
主要ラインアップ ※2021年8月上旬現在・価格は実売価格例

ティアックは、プロ用録音機などを広く手がける総合オーディオメーカーだ。レコードプレーヤーは比較的近年の参入で、ベルトドライブとDDを使い分けている。主に入門~中級クラスをカバー。トーンアームに専門メーカー、サエクとコラボしたナイフエッジ型を採用しているのが注目だ。

TN-5BBは新たにトップグレードの位置づけとなる製品で、この価格帯でバランス出力を搭載しているのが大きなポイント。一方、TN-4Dはスリムでスタイリッシュな新世代モデルだ。近年、アナログに力を入れており、単品のフォノイコライザーなども投入した。

オーディオテクニカ

AT-LP7 9万4980円 ベルトドライブ
AT-LPW50PB 5万4780円 ベルトドライブ
AT-LP60XBT 1万9880円 ベルトドライブ
AT-LP60X 1万3360円 ベルトドライブ
AT-LP3 3万2780円 ベルトドライブ
主要ラインアップ ※2021年8月上旬現在・価格は実売価格例

オーディオテクニカは、1962年にカートリッジの専業メーカーとしてスタート。1967年には独自のVM型カートリッジを開発し、アナログにゆかりのあるブランドだ。近年は、ベルトドライブ方式のレコードプレーヤーにも注力している。

上位のAT-LP7、カジュアルなAT-LP60Xなどのラインアップがあり、自社製のカートリッジを搭載している。

ソニー

PS-HX500 4万3310円 ベルトドライブ
PS-LX310BT 2万6180円 ベルトドライブ
主要ラインアップ ※2021年8月上旬現在・価格は実売価格例

ソニーは、デジタル接続が特徴的。PS-HX500は、DSDでパソコンにレコード音源を保存可能。LX310BTはブルートゥース機能を備える。

個性豊かな海外ブランドなら、この三つに注目

レガ

Planar10 71万5000円~ ベルトドライブ
Planar8 36万3000円~ ベルトドライブ
Planar6 18万7000円~ ベルトドライブ
Planar3 mk2 10万4500円~ ベルトドライブ
Planar2 mk2 8万2500円 ベルトドライブ
Planar1 mk2 4万6200円 ベルトドライブ
主要ラインアップ ※2021年8月上旬現在・価格は実売価格例

ここからは、海外ブランド。お国柄によって、個性豊かなターンテーブルがそろう。レガは、40年以上の歴史を持つアナログメーカーだ。ダイナミックバランスのアームからカートリッジまでメイドインUKにこだわり、「硬く、軽く、スタイリッシュ」をコンセプトとする。

Planar10はシリーズの最高峰で、そのノウハウを下位モデルに展開。mk2にバージョンアップされている。

プロジェクト

XTENSION12RS 73万1500円 ベルトドライブ
XTENSION9TA 41万8000円 ベルトドライブ
X2 16万8300円 ベルトドライブ
X1 10万8900円 ベルトドライブ
CLASSIC EVO 20万6300円 ベルトドライブ
主要ラインアップ ※2021年8月上旬現在・価格は実売価格例

プロジェクトは、音楽の都・ウィーン生まれ。1991年、CDの全盛期にあえてアナログに参入したブランドだ。

XTENSION12RSは中核シリーズXラインの最上位で、選別品のACモーターを採用。中堅ベルトドライブ機のX1、X2や、1970年代へのオマージュとしてシックな外観のCLASSIC EVOの人気が高い。

エリプソン

OMEGA 100 CARBON 10万7800円 ベルトドライブ
OMEGA 100 RIAA 9万4600円 ベルトドライブ
OMEGA 100 8万3600円 ベルトドライブ
主要ラインアップ ※2021年8月上旬現在・価格は実売価格例

パリ郊外に本拠を持つ老舗メーカー、エリプソン。日本上陸は最近のことで、手軽な価格帯ながら、デジタル制御の自社製モーターやカーボンアームを使った性能の高さ、優れたデザイン性が特徴だ。

カートリッジが付属したコンプリート型のOMEGA 100。フォノアンプ内蔵の同100 RIAAがあり、さらに上位のマニアライクな同100 CARBONが人気上昇中だ。

注目レコードプレーヤー図鑑ティアック「TN-4D」

実売価格例:6万9800円
ダイレクトドライブ MM型付属
回転数:33 1/3・45 フォノイコ内蔵
USB出力(48kHz/16bit)

●サイズ/幅420mm×高さ117mm×奥行き356mm●重量/6.1kg
※カラーは、ウォルナット(写真)、ピアノブラック

クラスを超えた音質で、長く使い続けられる一台

スリムでスタイリッシュな、ティアックの新世代プレーヤー。薄いボディを実現できたのは、この価格帯では珍しいダイレクトドライブ方式を採用したからだ。

もう一つのアドバンテージは、サエクとコラボしたトーンアームの搭載である。オーディファンなら見逃せないナイフエッジを可動部に採用。感度のよさに定評がある。アームの操作はすべてマニュアルだが、アームリフターやアンチスケーティングなど、精度の高い動きが特徴だ。

カートリッジも格上で、アメリカの名門、SUMIKOのMM型Oysterを標準搭載している。

現代プレーヤーらしく機能も豊富。フォノイコライザーを内蔵するほか、パソコンと接続可能なUSB B端子も備える。フォノイコライザーのオン/オフは、背面スイッチで切り替え可能。

クラスを超えた音質で、長く使い続けられるモデルだ。

注目レコードプレーヤー図鑑ティアック「TN-5BB」

実売価格例:18万4800円
ベルトドライブ MM型付属
回転数:33 1/3・45・78

●サイズ/幅450mm×高さ148mm×奥行き351mm●重量/10.5kg

文句なしの高音質で、ハイエンド入門にふさわしい

ティアックのトップエンドとなる最新モデルで、DCモーターによるベルトドライブ方式。

同社では最も高価だが、この価格でフォノバランスに対応したことが、まずトピックだ。出力にXLR/RCAという二つの端子を備え、将来、MCカートリッジにてバランス伝送(S/Nがよく高音質)へと発展できるマニアライクな仕様だ。

トーンアームは、サエクとコラボのナイフエッジ型サポート。S字ユニバーサルで、オルトフォンのMM型、2M Redがあらかじめ装着されており、すぐに再生できる。なお、MM型は構造的にバランス伝送できないことを知っておこう。

ボディは人工大理石とMDFのコンビで、アクリルプラッターとのコントラストが美しい。高さ調整可能なトーンアームには、光センサーによるオートリフトアップ機構を搭載。内部配線材は、PCトリプルCだ。

文句なしの高音質で、ハイエンド入門にふさわしい。

注目レコードプレーヤー図鑑デノン「DP-500M」

実売価格例:9万6800円
ダイレクトドライブ MM型付属
回転数:33 1/3・45

●サイズ/幅450mm×高さ170mm×奥行き370mm●重量/10.1kg

スピード感と力感のあるアナログらしい堂々たる表現

デノン伝統のダイレクトドライブを採用した入門プレーヤーだ。

DP-500Mは、上級機DP-1300MKIIに続くセカンドクラス。コンパクトながら33センチの大径アルミダイキャスト製ターンテーブルを搭載。シックな木目が印象的な高剛性キャビネットは重量感があり、合わせて約10キロだ。

そのサウンドも、スピード感と力感のあるアナログらしい堂々たる表現を楽しませる。

トーンアームはスタティックバランスのS字型。アナログ入門層をターゲットにしているため、MMカートリッッジを標準装備する。出力は4.5ミリボルトと高めに設定され、組み合わせるアンプの自由度も高い。

アーム構造やクオーツサーボのダイレクトドライブ方式など、基本は1300MKIIと共通で、操作フィーリングや質感も準ずるもの。コスパの高さが人気のポイントだ。

このクラスのモデルとしては上質感・高級感が抜群である。

注目レコードプレーヤー図鑑オーディオテクニカ「AT-LP7」

実売価格例:9万4980円
ベルトドライブ VM型付属
回転数:33 1/3・45 フォノイコ内蔵

●サイズ/幅450mm×高さ157mm×奥行き352mm●重量/8.3kg

MM型のよさを引き出したクリアでナチュラルな音調

自社製のVM型カートリッジを装備し、エントリープレーヤーを積極的に展開するオーディオテクニカ。中でも集大成的なトップモデルとして力を入れているのが、このAT-LP7だ。

見た目の印象どおり、高剛性かつ耐磨耗性に優れたPOM樹脂製プラッターを採用したベルトドライブ方式のマニュアルプレーヤーだ。

プラッター厚は20ミリ。一方、ボディは40ミリ厚MDFを中心としたソリッドな構造となっており、大型インシュレーターが支えている。

トーンアームは、高さ調整のできるJ字型ユニバーサルで、アナログ全盛の1960~1970年代の設計を継承。これはアルミ製で、同じくアルミ製のヘッドシェルが装着されている。

かちっとした、すきのない設計だ。MM/MC対応の本格的なフォノイコライザーも内蔵しており、発展性の点でも申し分ない。

MM型のよさを引き出したクリアでナチュラルな音調。最上位らしい完成度だ。

注目レコードプレーヤー図鑑テクニクス「SL-1500C」

実売価格例:11万円
ダイレクトドライブ MM型付属
回転数:33 1/3・45・78 フォノイコ内蔵

●サイズ/幅453mm×高さ169mm×奥行き372mm●重量/9.9kg

シンプルながら高級感あるルックス。コスパも最強

テクニクスといえば“元祖DD”だけに、このSL-1500Cもダイレクトドライブ方式だ。

シンプルながら高級感のあるルックスと、明快なキレ味を見せるサウンドは10万円プレーヤーとは思えない。DJモデルの1200シリーズとは一味違う、音楽リスナー向けのエントリーハイエンドである。

上位機で培われたコアレス・ダイレクトドライブ・モーターなどの技術を投入してクラスを超える高音質を実現。ターンテーブルはアルミダイキャスト製で、裏にはデッドニングラバー(鳴き止め)を貼り付けた2層構造というこだわりを見せる。

0.7秒で起動するスピーディな感触は、ベルトドライブ機では味えないもの。トーンアームは高さ調整ができ、カートリッッジはオルトフォンの2M Red付き。フォノイコライザー内蔵なので、購入してすぐ聴けるのも好ましい。

ライン出力端子も備え、発展性まで考慮されたコスパ最強モデルだ。

注目レコードプレーヤー図鑑レガ「Planar3 mk2 Red With Elys2」

実売価格例:12万1000円
ベルトドライブ MM型付属
回転数:33 1/3・45

●サイズ/幅447mm×高さ117mm×奥行き360mm●重量/6.0kg
※カラーは、レッド(写真)、ブラック、ホワイト

レコードから音楽を力強く、色彩感豊かに引き出す

英国レガ、Planarシリーズの代表的な中堅アナログプレーヤーで、mk2にバージョンアップ。「Advanced EBLT」と呼ばれる新世代の駆動ベルトを採用する。

ラインアップとしては、本体は白、黒、赤の3色で、それぞれカートリッジの有無が選べ、50ヘルツ/60ヘルツ各対応版がある。上の写真は、MM型カートリッジElys2付きのレッドモデルだ。

プラッターはガラス製。シャフトとアームを細長いアルミプレートで連結するなど剛性を高めた設計で、薄型のボードと組み合わせ、エレガントに仕上げている。

出力ケーブルは背面から直出し。電源はACアダプターでDC24ボルトを供給するタイプ。その電源スイッチが、ボード左手前の裏面に隠されているのにも英国の粋を感じさせる。

すっきりとした音の伸び方で、低音域は格別にスムーズ。コストパフォーマンスがよく、レコードから音楽を力強く、色彩感豊かに引き出せるモデルだ。

注目レコードプレーヤー図鑑プロジェクト「X2」

実売価格例:16万8300円
ベルトドライブ MM型付属
回転数:33 1/3・45・78*
※78回転はベルトの掛け替えで対応可。

●サイズ/幅460mm×高さ150mm×奥行き340mm●重量/16kg

より雄大かつ立体的に安定度を高めたサウンド

ウィーン発、プロジェクトのおしゃれなプレーヤーだ。このX2はスタンダードクラスで、兄弟モデルにX1がある。

いずれも、高精度な回転を得るDCドライブ/ACパワージェネレーターによるベルトドライブ方式。アクリル製ターンテーブルやカーボンアルミ複合のストレート型アームなど両機の見た目は似ているが、X2は各部を格上げし、高性能を目指している。

MDFのボディやメインプラッターも厚く、より丈夫になった。トーンアームはアルミ二重構造+ダンピング材にて固有共振を徹底排除。アーム自体も太く長く9インチに仕上げて、付属のカートリッジはオルトフォンの2M Silverとこだわりを見せる。重量は、X1の2倍以上の16キロだ。

プロジェクトらしい、ナチュラルで品位のいい質感をベースにしつつ、より雄大かつ立体的に安定度を高めたサウンドだ。本体は3色から選べ、買い替えにもおすすめしたい。

注目レコードプレーヤー図鑑エリプソン「OMEGA 100 CARBON」

実売価格例:10万7800円
ベルトドライブ MM型付属
回転数:33 1/3・45・78

●サイズ/幅450mm×高さ120mm×奥行き380mm●重量/5.8kg

マニアライクな仕上がりで、カーボンの採用が特徴的

フランスはエリプソンのベルト駆動式プレーヤーだ。

OMEGA 100 CARBONは、OMEGAシリーズの最上位機として登場。ベーシックモデルを基にマニアライクに仕上げたもので、CARBONの名のとおり、キャビネットとトーンアームがカーボンで、プラッターがスチールという組み合わせが個性的だ。

ベース部トップにカーボンをコーティングしたスチールプレートを追加。その紋様が独特で、これによって、本体の微振動を分散吸収する仕組みである。

33 1/3、45、78回転の3スピード対応で、最先端のデジタル周波数制御により、モーターの高い回転精度を得ている。さらに、モーター部に組み込まれたサスペンションなどの高度な仕組みは、さすがは小型モーターの製造を手がけたエリプソンだ。付属カートリッジはオルトフォンの2M Red。

10万円クラスの価格で、この音のクオリティはお買い得だ。

注目レコードプレーヤー図鑑ヤマハ「TT-S303」

実売価格例:4万3190円
ベルトドライブ MM型付属
回転数:33 1/3・45 フォノイコ内蔵

●サイズ/幅450mm×高さ136mm×奥行き368mm●重量/4.8kg

本体の質感がよく、透明でオープンなサウンドが魅力

ヤマハのハイファイコンポーネントにマッチする、シンプルで正統的なデザインのベルトドライブ式プレーヤーだ。

キャビネットは高密度MDFによるリジッドなもの。グロス塗装は質感よく艶やかに輝き、価格以上の高級感がある。

インシュレーターは、防振性に優れたエラストマー(高分子)を内部に採用。アルミダイキャスト製のプラッターを高トルクのDCモーターで回転させ、静粛かつ正確なトレース性能を獲得している。

トーンアームはアルミパイプのストレート型で、MM型のカートリッジが付属する。感度の高いストレートアームの特性を生かした、透明でオープンなサウンドが魅力だ。

内蔵のフォノイコライザーは、JRC(新日本無線)製のオペアンプによるハイクオリティなもの。フォノダイレクト出力も備えるので、手持ちのコンポに合わせてレコード再生システムが組めるという発展性もうれしい。

注目レコードプレーヤー図鑑ソニー「PS-HX500」

実売価格例:4万3310円
ベルトドライブ MM型付属
回転数:33 1/3・45 フォノイコ内蔵
USB出力(192kHz/24bit、DSD5.6MHz)

●サイズ/幅430mm×高さ104mm×奥行き366mm●重量/5.4kg

レコードをDSDフォーマットでデジタル保存できる

USB B端子を装備し、パソコンを使ってレコードの音をハイレゾ品位で録音・保存できるソニーのレコードプレーヤーだ。PCMだけでなく、DSDでも保存できるのがポイント。

押さえておきたいのが、レコードプレーヤーとしての基本性能が高いことだ。シックなデザインのベルトドライブ方式で、剛性の高いMDFキャビネットや高精度なボールレスベアリング構造を持つスピンドル、さらに、プラッターなど細部にまでこだわりが見える。

シェル一体型のストレートアームはアルミ製で振動を生むことがない。MM型カートリッジ付属、フォノイコライザー内蔵と、役立ち機能が満載だ。

音楽のジャンルを選ばず、ナチュラルかつスムーズなアナログ再生で、操作性も上々。デジタル録音にもぜひトライしたい。5.6MヘルツDSDに対応した専用ソフトも用意されている。この内容でこの価格なのだから、断然お買い得だ。

レコードに役立つアクセサリー注目カタログ

アナログ再生は、アクセサリーの使い方一つで、よくも悪くもなる。ターンテーブルシートやスタビライザー、各種の除電アイテムなどなど。おすすめの人気製品を紹介しよう。

レコードを押さえるスタビライザー

ティグロン
BFA-CLAMP
実売価格例:4万4550円

ドイツ製で、カーボンをベースとしたLPスタビライザー。重さは、わずか100グラムだ。スピンドルにチャッキングして、盤を完全密着させる仕組み。抑圧感のないオープンな音質だ。

天然鉱石含浸のターンテーブルシート

アコースティックリバイブ
RTS-30
実売価格例:2万9260円

●直径290mm×厚さ5mm

シリコン系の制振素材に天然鉱石トルマリンを含浸。そのマイナスイオン効果でレコード再生時の静電気の発生を防ぎ、リアルで立体感に富む音像定位を実現する。

カーボンファイバー製の軽量ターンテーブルシート

ティグロン
BFA-MAT
実売価格例:1万7400円

●直径294mm×厚さ5mm

ドイツメイドのカーボンファイバー製ターンテーブルシートだ。内部は細かい発泡構造になっており、硬くて軽量なことが特徴だ。サウンドの広がり感や軽やかさが魅力的。

コンパクトなレコードクリーニングマシン

キース・モンクス
Prodigy
実売価格例:19万5800円

●幅550mm×高さ140mm×奥行き220mm●5.0kg

英国・老舗メーカーの竹製レコードクリーナーだ。バキュームアームと小型ターンテーブルが特徴で、盤面に液をたらし、ローラーでブラッシッグ。LP両面を5分で掃除できる。

レコードの盤面をブラシで掃いて簡単除電

SFC
SK-III RHODIUM(SK3-N)
実売価格例:9300円

SFCの新しい除電ブラシ。柄の金属部に触れながらブラシすることで、人体アースとなる仕組みだ。本製品では、金属部がロジウムメッキに変更され、人体アース効果が高まった。

収納タイプのディスク専用帯電イレーサー

SFC
SK-EX Σ
実売価格例:5万1200円

除電のプロ、SFCのディスク専用帯電イレーサー。LPは1枚、CDなら3枚までを収納して、完璧にイレースができる。本体にディスクを入れて、30秒ふたを閉じれば除電完了だ。

簡単操作でコンパクトなカートリッジ消磁器

フェーズメーション
DG-100
実売価格例:2万4750円

●幅69mm×高さ28mm×奥行き121mm●172g

MCカートリッジ(鉄芯入り)や昇圧トランスは、長い間に磁化され、音が歪んで悪くなる。そこで、昇圧トランスやレコードプレーヤーと接続し、約20秒間できれいに消磁するのが本アイテムだ。

電源不要で非接触。アームタイプのアナログ専用除電アイテム

SFC
SK-FILTER SUS
実売価格例:3万7620円

これは電源のいらないアームタイプの除電アイテム。レコードを再生しながら静電気除去が行える。盤面にぎりぎり触れない非接触タイプで、特許素材のサンダーロンブラシを増毛して効果をアップしている。

※価格は記事作成時のものです。
■解説/林正儀 (AV評論家)

[別記事:【レコードプレーヤーの基本】LP盤・EP盤の違いは?フォノイコライザーやカートリッジって何?→]

この記事は『大人のオーディオ大百科2021』(マキノ出版)に掲載されています。

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