多くのレビューで「使っているところの写真をお願いします」といわれます。ですが、筆者は自撮りが苦手。そのため、誰か撮影してくれる人がほしいのです。しかし、そんな予算も時間もありません。そこで撮影アシスタントとしてAI飛行カメラ/撮影ドローン「HoverAir(ホバーエアー) X1 Smart(スマート)」を導入してみました。その結果は?
「HoverAir X1 Smart(ホバーエアー エックスワン スマート)」とは?
免許不要!わずか99gと軽量のAI飛行カメラ

「HoverAir X1 Smart」のパッケージ。外箱を横にスライドすると、パッケージに配置されたプロペラが回る凝った造りになっています。
「特選街web」をご覧いただいている方なら、もしかしたらご存じかもしれませんが、筆者はかなりの雑食性ライターです。興味のあるものなら、基本的に何でもレビューします。フォトグラファーライターを名乗っているので、カメラやレンズ、それに関連して双眼鏡、カメラバッグ、実はランニングシューズやアウトドア用品、キッチンアイテム、100均アイテムなど、自分でも呆れるほどさまざまなアイテムをレビューさせてもらっています。
そして、レビューの際に筆者が結構困るのが「使っているところを撮影してくださいね」というものです。いまどきのライターやフォトグラファーでは当たり前かもしれませんが、筆者にはアシスタントはいません。1人で各種アイテムを試し、撮影して記事を書いているわけです。
そのため、自分が各種ガジェットを使ってるところを撮影しようと思えば、当然自撮りとなります。ですが、筆者はこの自撮りが非常に苦手なのです。しかも、多くの場合、担当編集者の要求は、筆者が写っていればオッケーではなく、それぞれのガジェットを使っている様子や、その現場が背景として写っているもの。どんなに手を伸ばしても片手で撮影できる要望ではないのです。

「HoverAir X1 Smart」の基本セット+予備のバッテリー(1本6,980円)を2本、充電ハブ(11,980円)を並べたところ。
そんな悩みを長年持ち続けていた筆者が見つけたのがHOVER Airの「HoverAir X1 Smart」。重量が約99gと軽量であるため、航空法の規制をほぼ受けず、AIによる自動飛行と撮影が可能なので、飛行撮影中に筆者自身の操作の必要がなく、カメラや双眼鏡、レンズなどのガジェットを使っている様子が簡単に撮影できるといいます。
実勢価格は、「HoverAir X1 Smart」の基本セットで59,800円。AI飛行カメラ本体、バッテリー×1、入門ガイド、USB Type-Cケーブル、予備プロペラ×2、ドライバー、収納バッグがセットになっています。
筆者は基本セットに予備のバッテリー(1本6,980円)を2本、充電ハブ(11,980円)を同時に導入しました。予備バッテリーを多めに導入したのは、バッテリー1本での最大飛行時間が10分(無風で7km/hの速度で飛行時に測定)とあまりバッテリーがもたないためです。
さまざまな飛行モードでの撮影が可能
操作は想像以上に簡単で筆者の要望はほぼコンプリート

「HoverAir X1 Smart」本体にバッテリーを装着した状態。この状態で99gしかありませんので、手に持つととても軽いのに驚きます。
変な言い方かもしれませんが、筆者はAIドローンである「HoverAir X1 Smart」に飛行可能なドローンならではの特殊な撮影はそれほど期待していません。極論するなら、筆者がカメラや双眼鏡を構えているところ、またレビューしているガジェットを手にしているところを、誰かがスマートフォンで撮影するレベルでの撮影を実現してくれればよいわけです。
そのため、人間の身長程度の高さから撮影してくれれば十分なのです。せっかく飛行しているのですから、俯瞰からの撮影などを活用しないことはないのですが、それはプラスαといえるでしょう。
「HoverAir X1 Smart」にはベーシックモードとして5つの飛行モードが登録されています。それは、離陸の高度を保持して撮影を行う「ホバリング」、離陸位置からズームアウトして撮影する「ズームアウト」、被写体を背後から追いながら撮影する「フォロー」、被写体のまわりを一定の半径で回りながら撮影する「オービット」、設定された高さから俯瞰で撮影する「俯瞰撮影」モードの5つです。

「HoverAir X1 Smart」本体にある操作系は電源ボタンとモードセレクトボタンの2つだけ。これだけ飛行と撮影が行えるのだから、とても簡単。
これに、より高度な撮影を行う「アドバンストモード」、「ストップモーション撮影」「フロントフォロー」「サイトトラッキング」「マニュアル操作」などを含む「プロフェッショナルモード」では「インテリジェンス制御」などで操作を行うことが可能です。
「マニュアル操作」を除くと、ほとんどのモードは細かな設定のカスタマイズができるものの、手の平から離陸させて、設定した撮影をAI制御で行い、手の平にドローンが戻ってくる飛行プログラムなので、ある程度の慣れは必要ですが、技術はさほど必要としません。撮影のための飛行はとても簡単です。
アシスタントとして、筆者がガジェットを使っている様子を撮影してもらうには非常に便利なのですが、不満もあります。筆者は静止画+テキストというメディアの仕事することが多いので、基本的に静止画(写真)が撮影したいのですが、5つの「ベーシックモード」のうち、静止画が撮影できるモードは「ズームアウト」「オービット」「俯瞰撮影」の3つしかありません。
また、カスタムに設定できる「アドバンストモード」や「プロフェッショナルモード」もほとんどの撮影できるのが動画のみになっているのは、とても残念です。できれば「ホバリング」「サイドトラッキング」「フロントフォロー」は静止画での撮影にもぜひ対応してほしいところです。
いくつかの記事で撮影データを使用した
編集部からの指摘はないが個人的な不満はある

筆者がカメラを構えているところを「HoverAir X1 Smart」に撮影させた1枚。WEB記事で使用するときにはトリミングなどを行って使っています。
基本的に電源を入れて、予め設定しておいた飛行モードを選択して、被写体の顔を認識させて、手の平から飛ばすだけで撮影できる「HoverAir X1 Smart」は、ガジェットのレビューの際の自撮りにはかなり便利です。設定などにもよりますが、室内での撮影にも対応してくれます。
また、その気になれば「HoverAir X1 Smart」をバッグなどから取り出し10秒程度で撮影が可能になるのも大きなアドバンテージといえるでしょう。予想以上に気軽で便利です。
筆者はこの記事を制作するために、いくつかの商業WEB媒体で使用する写真に「HoverAir X1 Smart」で撮影したものを使ってみました。特選街webでは
「子ども撮影に最強!超望遠で小型軽量リーズナブル 800mm相当を手持ちで使える超望遠ズームが本気でいい理由」(https://tokusengai.com/_ct/17693778)
で、筆者がカメラを構えている写真は「HoverAir X1 Smart」で撮影したものを少しトリミングしています。

大きさや重量の制限を考えると、大きな撮像素子の搭載は難しいでしょうが、多画素化よりも高画質化を期待したいのが筆者の本音です。
少なくても現在のところ、普段から商業記事として普段からの多くの写真を見ている各メディアの編集者などから「HoverAir X1 Smart」で撮影した写真のクオリティについて、問題の指摘や苦情などは発生しておりません。これは、素直に商業媒体でも使えるクオリティを「HoverAir X1 Smart」で確保できるといってよいでしょう。
ただし、筆者としては不満がないわけではありません。撮影された写真は、さほど厳密にフレーミングされているわけではないので、撮影後にトリミングなどをする必要があります。また、有効画素数が1,200万画素とスマートフォンやコンパクトデジタルカメラと比べても画素数が低く、データが公開されていないので正確なサイズはわかりませんが、撮像素子のサイズが小さいためか、高ISO感度ノイズが発生しやすい傾向が感じられます。この点は、今後改善されることを期待します。
一度使うと手放すことはできない「HoverAir X1 Smart」
ジョイスティックや上位機「X1 PRO」シリーズの導入も視野に

外寸が約200×150×20mm、内寸が約188×135×15mmの6.5インチタブレット用のタブレットポートに収納できるので、持ち歩きもとても簡単です。
細かな部分を挙げれば「HoverAir X1 Smart」に不満がないわけではありません。しかし「仕事の際の自撮り」に「HoverAir X1 Smart」を導入した筆者はもう元に戻ることはできません。この便利さを知ってしまうと手放すことはできないのです。
実際のところ、筆者は大きさが142×114 ×27mmで約99gしかない「HoverAir X1 Smart」を毎日バッグに入れて持ち歩いています。6.5インチタブレットのクッションバッグに入るので、そのまま普段のバッグに入れて持ち歩いているのです。それほど「HoverAir X1 Smart」が気に入っていますし、その先進性に注目しています。
アシスタントがいなくても背景などをしっかりと入れた自撮りが可能なことは、筆者のようなフリーライターにとっては可能性を大きく広げてくれます。また、今回はAIモードでの自動飛行と撮影について紹介しましたが、「HoverAir X1 Smart」には、マニュアル操作を可能にする「ジョイスティックセット」(35,980円)が用意されています。

「HoverAir X1 Smart」を操作するためのアプリ「HoverAir X1」も今後、さらに進化してより複雑な操作が楽しめるようになるでしょう。
これらを使うことによって、人間では撮影できない位置や角度から建物や風景を撮影できることも大きなアドバンテージといえるでしょう。さらに筆者が注目しているのは、上位モデルである「HoverAir X1 PRO」や「HoverAir X1 PROMAX」のデリバリーも開始されていることです。
仕事用の撮影アシスタントとしても十分活躍できるHOVER AirのAI飛行カメラ=AIドローンから、筆者はしばらく目を離すことができません。それらの実力を今後も、「特選街web」などで紹介していきたいと思っています。本当におもしろくて便利です。
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