北海道のソウルフードと言っても過言ではない「焼きそば弁当」に11月8日、新作の「やきそば弁当 ミートソース風」と「やきそば弁当 クリームソース風」が追加されました。ミートソース風やクリームソース風って、それはもう焼きそばではないのではないか?といったところも含めて、とりあえず近所のコンビニとドラッグストアで入手。実際に食べてみましたので、その様子と感想をお知らせします。
執筆者のプロフィール
齋藤千歳(さいとう・ちとせ)
元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1カ月かけて北海道を一周するなどしている。
「やきそば弁当 ミートソース風」
チャンスを逃すと入手困難になる可能性も
マルちゃん(東洋水産)のカップ焼きそば「やきそば弁当」は、北海道限定発売ということもあり、ご存知ない方もいるかもしれません。北海道では、カップ焼きそばといえば「やきそば弁当」が定番で、「やきそば弁当」以外のカップ焼きそばは少数派と言えるほど。最近では、北海道土産としても定着しているので、北海道に来たことがない方でも、もしかしたら食べたことがあるかもしれません。
今年46周年となった「やきそば弁当」ですが、実はけっこう頻繁に新しい味が登場します。今回紹介する「やきそば弁当 ミートソース風」と「やきそば弁当 クリームソース風」は2021年11月8日発売。その約2ヵ月前の9月6日には、季節限定の「やきそば弁当 旨コクあんかけ風」 と、期間限定の「やきそば弁当 いつもよりちょっとQuick」が発売されました。期間限定の「やきそば弁当 いつもよりちょっとQuick」は、すでに同社のホームページのラインアップから外れています。このように、製品にもよりますが、北海道に住んでいても1度チャンスを逃すと、入手困難になることもあるのです。筆者は「やきそば弁当」の新製品は、見つけたら複数買いを基本としているほどです。
そんな「やきそば弁当」の新製品、まずは「やきそば弁当 ミートソース風」から試していきたいと思います。
焼きそばの戻し湯で作るオニオンスープが付属
「やきそば弁当 ミートソース風」のパッケージを開けると、野菜と大豆ミートなどが入ったかやく、液体ソースの袋、特製カップスープとふりかけの入った袋の3つが入っています。
焼きそばの戻し湯で作る「特製カップスープの粉末」が付属しているのが、「やきそば弁当」の特徴のひとつです。「やきそば弁当 ミートソース風」にはパセリ入りのオニオンスープが付属します。
「やきそば弁当 ミートソース風」を作る
かやくを麺の上にあけて熱湯を注ぐ
パッケージを剥がした「やきそば弁当 ミートソース風」のフタを、「ここまであけてください」ラインまで開け、かやくを麺の上にあけます。熱湯を容器の内側の上の線まで注ぎ、フタを閉め3分間。この時に、液体ソースをフタの上に乗せ、温めておきましょう。
お湯を切ってソースをかけ、かき混ぜたら完成
熱湯を入れ3分たったら、お湯切り口のカバーを剥がしてお湯を切ります。この時、熱湯に気をつけるのも、普通のカップ焼きそばと一緒です。
しっかりとお湯を切ったら、温めておいた液体ソースを麺にかけます。通常ならば、ここで焼きそばソースの香りがするのですが、今回は当然、ミートソースの香りが漂うわけです。予想以上にミートソースな香り。ただし、液体ソースはあくまで液体ソースで、ミートソースではなく、ひき肉のようなものは入っていません。
「やきそば弁当 ミートソース風」試食
粉チーズをかけたらビールのつまみに最適
「やきそば弁当 ミートソース風」の麺については、同社のホームページで「なめらかで弾力のある丸刃で切った太めの麺」と表現されています。特別な麺と言った印象がないのですが、太めの麺にしっかりとソースがからまり、食べやすいです。
ソースの味については、肉は入っていないものの、スタンダードなミートソースの味といえます。とはいえ、本格的という方向性ではなく、確信犯的にチープでジャンクな甘めのミートソースに仕上げられている印象です。本格ミートソースではなく、まさにミートソース“風”と言える、やや駄菓子チックな味付けで、筆者はかなり好き。このジャンクなスナック感をより楽しむなら、麺の戻し時間は少し短めの固めの方が、お菓子感が強調されると思います。
また、もともと隠し味にチーズパウダーが使われているのですが、筆者はストレートに粉チーズをかけて、味変でも楽しみました。ジャンクフード感がより高まり、ビールなどのおつまみにも最適だと思います。
言ってしまえば、ミートソース味のカップ焼きそばなのですが、狙い通りと思われるチープでジャンクな味わいは、ぜひ皆さんにも楽しんでいただきたい仕上がりです。
「やきそば弁当 クリームソース風」
焼きそばなのにクリームソース味という不思議感
続いて、「やきそば弁当 クリームソース風」を試しました。ミートソース風の時点で「もうそれって、パスタでいいんじゃないか?」という疑問が湧いたのですが、クリームソース風も同様です。
とはいえ「やきそば弁当」への信頼度から、それでもある程度、美味しいだろうと言う安心感があります。さすが46年の歴史というところでしょうか。
なぜか「かやく」がない!
「やきそば弁当 クリームソース風」を開けて最初に驚くのは、かやくの袋がないことです。オリジナルの「やきそば弁当」はもちろん、「やきそば弁当 ミートソース風」にも入っていたかやくの袋がありません。「やきそば弁当 クリームソース風」を開けて中身を出すと、液体ソースの袋と、ふりかけ&特製カップスープの袋の2つだけ。筆者は、どこかにかやくの袋があるのではないかと、しばらく麺の下などを探してしまいました。ないのが正解のようです。特製カップスープは「やきそば弁当 ミートソース風」と同じ、オニオンスープとなっています。
「やきそば弁当 クリームソース風」を作る
焼きそばの麺だけをお湯で戻す
「やきそば弁当 クリームソース風」のパッケージを剥がし、フタを指定のラインまで開け、麺に熱湯を注ぎます。かやくの袋はありませんので、麺のみを熱湯で戻すわけです。かやくの袋を開ける手順がないと、物足りない気がするのは不思議です。熱湯は容器の内側の上の線まで注ぎ、フタをして3分待ちます。この時にフタの上に液体ソースをのせておき、温めておくのも、通常の焼きそば弁当と同じです。
ソースをかけても色の変化がほとんどない
熱湯を入れ3分たったら、湯切り口を開けて、お湯を切ります。この作業も、いつものカップ焼きそばを作るのと同じです。ただし、いつもと違うのが、ソースをかけた後の変化です。オリジナルの焼きそばであれば、ソースをかけると白い麺が黒っぽいこげ茶色へと変化していきます。「やきそば弁当 ミートソース風」の場合は、オレンジになりました。その変化は、なかなか胸が躍るのです。しかし、「やきそば弁当 クリームソース風」のソースは当然白系で、ソースをかけても麺の色は大きく変わりません。かやくもないので、最初から最後まで、見た目があまり変わらないのです。
「やきそば弁当 クリームソース風」試食
かなり美味しいが、どこか寂しい
「やきそば弁当 クリームソース風」も予想通りというか、実際に食べるとかなり美味しいです。「本格的な」とか、まるで「本物のパスタのような」と言った方向性とは180度違う、かなりチープでジャンクなクリームソース味に仕上がっています。「牛乳をたっぷりと使ったクリーム感」などは全くありませんが、明らかにクリームソースなのです。カップ焼きそばというジャンクフード系素材のよいところを引き出す、絶妙な味付けと言えるでしょう。
筆者は、カップ焼きそばにジャンクさを求めているので、味には不満がありません。しかし、何か寂しいのです。そう、かやくがないことなのでしょう。オリジナルの「やきそば弁当」では、わざとかやくを入れずに作ることもあるのですが、自分の意図で入れないとは違う、かやくが最初からないという点に、筆者は寂しさを感じてしまいました。なんでもよいので、かやくはあるほうが、どことなく落ち着く気がします。
まとめ
カップ焼きそばの楽しさを追求したジャンクな味がかなり好き
筆者が思うに、インスタント麺は大きく2つの方向に分かれている気がします。ひとつは、「マルちゃん正麺」などのように、本物のラーメンなどに近づけることを目指している商品。もうひとつは全く逆に、インスタント麺だからこその美味しさや楽しさを目指している商品。筆者は、どちらもが好きです。もともと全く焼いてもいない「カップ焼きそば」は、どちらかというと後者でしょう。そして、今回紹介した「やきそば弁当 ミートソース風」と「やきそば弁当 クリームソース風」は、そんなカップ焼きそばを、さらに一歩前に進めた商品と言えるのではないでしょうか。カップ焼きそばなのにパスタ風の味付け、そしてジャンクな仕上がり、とても美味しくて楽しい。北海道限定なので、購入できる機会や場所は限られるかもしれませんが、チャンスがあれば、ぜひまとめて複数個入手することをおすすめします。