昨年の10月に、カシオからウォーキング用のアプリが公開された。アプリ名は「Walkmetrix(ウォークメトリックス)」。ウォーキング専用のアプリで、さまざまなプログラムが用意されている。今回は、このアプリを使って気になるお腹周りをスッキリさせることができるのか? 実際に使用してみたので、その使い勝手をお伝えできればと思う。
「Walkmetrix」の概要
「Walkmetrix」は、カシオ計算機とアシックスが共同で開発したアプリで、ウォーキング専用のアプリになる。スポーツ庁の調べによると、日本で週に1日以上何らかのスポーツを実施している確率は、コロナ前と比べても6.5%も増え60%にも及ぶそうだ。そのなかでも、ウォーキングが注目されており、約4000万人が行っていると推定されているらしい。コロナ過で在宅時間が増え、運動量が減った今、健康的な身体づくりのためにも、ただ歩くだけではなく、メリハリのあるウォーキングで、質を高めて効率よくカロリー消費をしたい、そんな要望に応えてくれそうなアプリだ。
「Walkmetrix」では、アシックスが推奨するウォーキングの理論「ファストウォーキング」に基づき、十分に息が上がるペースでのウォーキング「ファストウォーク」や、通常のウォーキングとファストウォークを交互に行う「インターバルウォーク」、「ノーマルウォーク」の3種類を取り入れたウォーキングプログラム(体力向上、ダイエット、リフレッシュ)を用意している。
週ごとのメニューに沿って効率よくウォーキングを行うことで、健康的な身体づくりをサポートしてくれる。歩数や距離などの量だけではなく、歩行スピードや歩幅などといった歩き方の質も考慮した計測評価・プログラムが特徴で、質の高いウォーキングが可能となっている。
ファストウォーキングとは
短時間で効率的に運動をしたい、軽く汗を流してリフレッシュしたいといった方に向けたプログラム。健康な体を長く維持するためのウォーキング方法のひとつで、時速5キロから7キロを目安に普段より速く歩くことを意識したウォーキング方法で、ランニングを比べて足への負担は約半分ながら、運動効果はほぼ同じと、ランニングが苦手な人でも、気軽に始められる歩き方だ。
インターバルウォークとは
脚力や心肺機能を高めることを目的としたプログラム。速度の早めな「ファストウォーク」と普段歩いている歩行速度のノーマルウォークを交互に繰り返し行うウォーキングで、ノーマルウォーキングを交互に取り入れることで、ファストウォークを長時間にわたり行うことができる歩き方。
ノーマルウォークとは
気分転換や運動の習慣化といった目的に適しているプログラム。ファストウォークに比べると運動効果はあまり高くはないが、歩行を無理せず長時間持続することが可能な歩き方だ。
3種類のウォーキングで計測をする
「ファストウォーク」「ノーマルウォーク」ファストウォークとノーマルウォークを交互に行う「インターバルウォーク」の3種類のウォーキングタイプかあり、その日の身体の調子や目的に合わせてセレクトできる。ウォーキング中は、アプリ画面に表示されるポップアップメッセージと音声ガイドで目標となるスピードや歩幅などのアドバイスを受けながらウォーキングを行うことができるので、質の高いサポートを受けることが可能だ。
質の高いウォーキングを実践した歩数を「アクティブ歩数」(運動効果の高い歩行数)としてカウントし、通常のウォーキング歩数と合わせて表示。歩行スピードや歩幅、ルートなどと共に記録してくれる。また、同年代と比較することで、行ったウォーキングをスコア化し、アニメーションで表示してくれるうえ、さらに改善のためのアドバイスまでしてくれる、優れものだ。
目的に応じた3つのウォーキングプログラムとコンテンツ
目的に合わせて3つのウォーキングプログラム(体力向上、ダイエット、リフレッシュ)が用意されている。プログラム自体は、目的、年齢、性別、体力レベルによって作成され、継続して楽しめるように、ランク機能やメダル付与機能もあり、ゲーム感覚で行うことができる。また、アシックスが提供する関連コンテンツによってウォーキングに関する知識も深めることができる。
G-SHOCKとも連係する
アクティビティ機能は、スマホ単体でもできるが、G-SHOCK(GSR-H1000)による計測も可能だ。時計を使用する場合は、時計のGPSとセンサーで歩行を計測するので、スマホを携行する必要もなく、時計単体での計測が可能となっている。専用の時計を使える利点は、光学センサーによって計測された脈拍に基づいて推定心拍数を表示してくれるうえ、5段階のゾーン表示もしてくれること。これにより、体への負担を確認しながらのウォーキングが可能だから、無理なくウォーキングを続けることができそうだ。
「Walkmetrix」を使用してみる
実際に使用については、スマホにアプリをダウンロードすることから始める。対応スマホは、iPhone(iOS13以降)、Android(8.0以降)のいずれにも対応する。アプリをダウンロードした後、身長や体重、年齢などを登録し、現状を登録してから始める。ちなみに、アプリは無料だ。
試しに使用してみたのは、インターバルウォーク
私が試してみたのは、「インターバルウォーク」プログラムだ。これは、前述した通り、ファストウォーキングとノーマルウォーキングを繰り返し行うプログラムになる。アプリを起動させ、設定した1キロのウォーキングを開始させてみた。最初はノーマルウォークからはじまるのだが、約2分後にはファストウォーキングが始まる。ファストウォーキングが始まると、自分のデータを元に算出された速度と歩幅をクリアするために、結構しっかりと歩くことになった。
私の場合、速度にして5.7km以上、歩幅にして0.81ⅿ以上が基準らしく、このいずれの数値もクリアしていないと、すかさずバイブレーションと音声によるガイドが行われる。速度が落ちている場合は「速度が落ちていますよ。頑張ってください」とか、歩幅が狭くなると「歩幅が狭くなっています。なるべく広い歩幅で歩くことを心がけましょう」など、目標値をクリアするまで急き立てられるので、否応なしにも目標値をクリアするまでしっかり歩くことになる。
逆に、速度や歩幅がクリアできていると「広い歩幅で歩くことができています。いい調子です!」などとお褒めのガイドが流れるので、褒められたいがために頑張って歩くようになっていた。いずれにしても、目標値をクリアするために、頑張って歩くことになるのだが、最初は、なかなかクリアできなかった数値も、次第に慣れてくると音声サポートがあることが安心感につながり、とても心地よくファストウォーキングを行うことができた。
何回か行ううちに、自分の世代の平均世値よりも若干早めに歩くことができていたり、メダルが獲得できたりと、ゲーム感覚で取り組めることに気が付き、徐々にハマり始めてしまった。
「Walkmetrix」を使ってみた感想
今回、11月、12月と年末年始の数週間にわたって使用してみたのだが、ゲーム感覚で無理なく使えるうえ、気になった時にサッと取り出して、気楽にできる点がとても良かった。夢中になりすぎて、歩きすぎてしまったこともあったが、人混みを避けて行ったこともあり、とりあえず問題なく使用できた。とはいえ、信号で引っかかった際に、「歩幅が狭くなりました」とか、「速度が落ちました」などと、音声ガイダンスが流れると、周りからの視線が気になったのも事実。
気を付けなければならないこと
実際にウォーキングを行っている人は、自宅からスタートして、数キロ自宅周辺を歩いて戻ってくると思われるが、多くは歩道を歩くことになると思われる。気を付けなければならないことは、一般歩道を歩行するということだ。歩道とは言え、一般歩道なので、他の歩行者もいれば、自転車も走行している可能性もある。信号もあるだろうし、ウォーキング中とはいえ、自分の思い通りに歩くことが可能かといわれると、ほとんどの場合、難しいと言わざるを得ないのが現状だ。ファストウォークのタイミングでも信号に捕まることもあるだろうし、想像以上に人が多い場合もあるだろうし、そういった場合は、スコアを気にすることなく、歩きやすいタイミングを見計らって計測するしかない。あまりにも計測に集中しすぎてしまうと、危険も伴うので、ほどほどにする必要もあると感じた。
今後の展開について要望すること
実は、このアプリの他にもカシオからは、ランニング専用のアプリ「Runmetrix」が存在する。私は、ランニングがとても苦手なのでこのアプリには興味を示せなかったのだが、趣味でサイクリングを行っていることから、自転車用専用のアプリが登場することを待ち望んでいる。自転車でもインターバールウォーキングのようなプログラムがあれば、単なるサイクリングから、トレーニングとしての使用も出来るのでは!と思っているからだ。目標が可視化できれば、もう少しだけ、苦手な登りも早くなるかもしれない、何かに頼ることでしか運動ができない私のために、是非とも作って欲しいと願うばかりだ。
まとめ
今回、初めてウォーキングを運動の一環として取り入れてみたが、ウォーキングなので、気張ることなく、気になったタイミングできるのがとても良かった。結果的には、気になるお腹周りはどうなったのか?というところなのだが、年末までは順調に元に戻りつつあったお腹周りも、年始の暴飲暴食、おまけに連日の寒さもあり、ほぼ外に出ることが無くなたことと、家の中でレゴに没頭する日々(近日中に動画付きの記事としてアップ予定)を送っていたこともあり、今回はミッションはコンプリートということにはならなかった。しかしながら、引き続き、気になった時にサッとスマホを取り出してアプリを起動させ、メリハリのあるウォーキングを楽しんでみたいと思った次第だ。