野良猫の糞尿などの被害を減らすために、家のまわりに水を入れたペットボトルを並べる習慣が全国で見られます。水入りペットボトルの猫避け効果について、書籍『ねこほん 猫のほんねがわかる本』著者の卵山玉子さんと監修の今泉忠明先生に解説していただきました。
解説者のプロフィール
マンガ・イラスト 卵山玉子(たまごやま・たまこ)
猫好きのマンガ家。愛猫は里親募集で迎えたトンちゃん、シノさん。著書に『うちの猫がまた変なことしてる。』(KADOKAWA)、『ネコちゃんのイヌネコ終活塾』(WAVE出版)など。アメブロ公式トップブロガー。
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監修 今泉忠明(いまいずみ・ただあき)
哺乳動物学者。日本動物科学研究所所長。「ねこの博物館」館長。『猫はふしぎ』『飼い猫のひみつ』(ともにイースト・プレス)、『猫語レッスン帖』(大泉書店)、『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)など著書・監修書多数。
本稿は『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
編集・執筆/富田園子(ライター・編集者)
水入りペットボトルは猫避けになるの?
野良猫の糞尿などの被害を減らすために、家のまわりに水を入れたペットボトルを並べる習慣が全国で見られます。
しかしこれは都市伝説。猫避けの効果はありません。実験でも「効果なし」という結果が出ています。
各国に広がった都市伝説
驚くことにこの都市伝説の発祥は海を越えたアメリカで、1989年にアメリカで発売された本に都市伝説として紹介されていたそう。
その後イギリスやオーストリアなど各国にこの都市伝説は広がり続け、日本でもなぜかいまだに信じ続けられています。
火災を起こした例もある
鳥避けとして光を反射するCDを吊るす人がいるので、同じく光を反射する水入りペットボトルも信憑性があると思われたのでしょうか?
野鳥も猫も見慣れないものは警戒しますが、怖がるのは最初だけ。3日も経てばあっさりと見慣れます。CDも水入りペットボトルも効果はないのです。
それどころか、水入りペットボトルが虫眼鏡のレンズのような働きで日光を集め、火災を起こした例もあるので要注意です。
猫のほんね
全然怖くないよ! 猫が水入りペットボトルを怖がるなんて誰が言ったんだろうね?
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なお、本稿は書籍『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。猫好きのマンガ家、卵山玉子さんと哺乳動物学者の今泉忠明先生の強力タッグで贈る、猫のほんねがわかる本です。オールカラーのほんわかマンガで学べる猫の真実とは? 愛してるからぜんぶ知りたい、猫のきもちが100問100答で解説されています。猫も猫なりの理由があっていろんな行動をするのです。猫のほんねがわかれば、もっと理解できるようになりますよ。